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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第十幕その四

「般若湯も美味しいよ」
「先生は何処でも先生だね」
 笑顔で言ったのは王子でした、勿論王子も般若湯を飲んでいます。
「お料理もお酒も楽しんでね」
「学問とだね」
「うん、そこは変わらないね」
「そうだね、自分でもそう思うよ」
「何処でも先生だってだね」
「うん、思うよ」 
 先生ご自身もというのです。
「このことはね」
「そうだよね」
「むしろ僕はね」
「自分らしくしないことはだね」
「出来ない方だね」
「スーツで外出しないでスポーツに励んであくせくして」
「そうした風には出来ないね」
 どうしてもというのです。
「僕は」
「そうだよね、じゃあね」
「うん、今もね」
「こうしてだね」
「食べて飲んでね」
「お風呂にも入って」
「今日はぐっすり寝て」
「そうしてだね」
「また高野山の中を見て回ってね」
 明日もというのです。
「この山のことを学ぶよ」
「フィールドワークを続けるんだね」
「そしてお土産も買うよ」
 このことも忘れない先生でした。
「絶対にね」
「サラさんまた来日するんだよね」
「うん、僕達が神戸に戻った次の日にね」
 まさにその日にというのです。
「神戸に来るんだよ」
「じゃあ今頃は」
「飛行機の中から」
 イギリスから日本に向かうです。
「ご主人と一緒にね」
「そうなんだね」
「いや、サラも忙しいね」
「年に何回も来日してるよね」
「お仕事でね」 
 ご主人が経営している紅茶の会社のです。
「それでね」
「八条グループの人とお話をする為にね」
「年に何度か来日してるよ」
「それで先生のところにも来てるよね」
「あと結構日本の各地も観光してるし」
 お仕事の合間にです。
「この前は金沢に行ったそうだよ」
「ああ、北陸の」
「そう、あそこにね」
「金沢は海の幸と和菓子と」
「金沢城だね」
「あとお庭もあってね」
 こちらも忘れていない王子でした、皆で静かな山の中にあるお寺の建物の中で食事を摂りつつお話をしています。
「そうしたものをだね」
「楽しんでいると思うよ」
「それもいいね」
「そうだよね、サラもね」
 この人もというのです。
「来日して各地を回ってね」
「楽しんでいるんだ」
「そうしているよ」
「じゃあここにもかな」
「何時か来るかもね」
 来日したその時にというのです。
「そうするかもね」
「そうなんだね」
「そうだよ、そしてね」
 さらにお話する先生でした。
「今の僕達みたいにね」
「お墓地や金堂を回ったり」
「こうして飲んだり食べたりすることもね」
「するかも知れないんだね」
「座禅を組むかどうかはわからないけれど」
 それでもというのです。 
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