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昼のバンパイア

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第五章

「そうでもないよ」
「といいますと」
「そう見えますけれど」
「吸血鬼が本当にいて活動しているんだ」
 真剣そのものの顔と声でだ、修之は二人に答えた。
「冷静でいられない、実はかなり危惧しているよ」
「本当にいたからですね」
「だからですか」
「人を襲いますし」
「私達の方にも来ましたし」
「だからだよ、皆に注意して」
 そしてというのだ。
「警戒してもらおう」
「そうですね、考えてみますと」
「お昼に吸血鬼がいる以上にですね」
「実際に吸血鬼がいる」
「このことの方が怖いですよね」
 すみれも未可子もここでこのことに気付いた、バンパイアが昼に活動していることよりも実際にいること自体が問題だというのだ。
 そしてだ、二人も他のスタッフ達もだった。
 これまでよりも遥かに強い警戒態勢に入りつつ調査を再開した、そして修之もその中で彼がやるべきことをした。
「ヴァンピールの人には急いでね」
「来てもらう」
「その様にですか」
「頼んだよ」
 そうしたというのだ。
「今他のお仕事をしているらしいけれど」
「そのお仕事を終わらせて」
「そうしてすぐにですか」
「こっちに来てくれるんですか」
「そうなんですね」
「そうだよ、状況をお話したらね」
 そうしたならというのだ。
「すぐに来るって言ってくれたよ」
「そうですか、それじゃあですね」
「すぐにですね」
「こっちに来てくれて」
「吸血鬼を退治してくれるんですね」
「どういった行動を取るのか話したら」
 そのバンパイアがだ。
「どうした退治方法をするのかも」
「わかったってですか」
「答えてくれたんですか」
「そうしてくれたから間違いなくね」
「退治してくれるんですね」
「あの吸血鬼を」
「そう言ってくれたよ、調査は続けるけれど」 
 それでもと言うのだった。
「吸血鬼が退治されるまではね」
「注意しないといけないですね」
「襲われない様に」
「そうしないとね」
 修之は真剣な顔で言った、そうしてだった。 
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