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異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!

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二週間くらいで

 ついこぼしてしまった言葉。
 あいつがいるなら俺の出る幕はない。
 実際にこの平和そうなこの状態では、あいつ一人でどうにかなるだろうという気がしている。

 一緒にいた俺が言っているのだから間違いない。
 そう確信した俺は、

「あいつ、ミシェルに助けられたとエイダは言っていたな」
「ええ、そういうことがあったわ」
「“闇ギルド”の関係も知っていたのか?」
「確か助けられた時に、『またこいつらね!』と言っていたから知っていると思う」

 その答えを聞きながら俺は、そうなると今、“闇ギルド”の連中を片っ端から倒している最中なのではなかろうかと気づく。
 だから俺はエイダに、

「それでエイダが助けられたのはいつだ?」
「数日前よ」
「そうなのか……それで“闇ギルド”の連中はどれくらいの人数がいるんだ?」
「……そこそこ大きくて、小さな集団が別部隊といった感じで動き回っているみたい。量は分からないわ。すでに二つつぶしてみたけれど、それほど大きな効果もないどころか私の存在が気付かれて追手が来るような感じだもの」
「追われているのか」
「ええ。ソウタに助けてもらったあの、“人造魔獣”もそのうちの一匹よ」
「“人造魔獣”?」
「そう。魔物を何らかの形で強化して手なづけているようなのよ。そんな魔法知らないわ」
「……そこは前の世界では見なかったな。“魔獣”を普通に生み出していてそれだけでも強かったからか……」

 俺はそのあたりの嫌な技術進歩に眉を寄せる。
 今後ああいったものと幾つか戦闘する羽目になるかもしれない。
 その前にミシェルがなんとかしておいてくれれば俺は楽だと思った。

 だからさらに聞く。

「二人ほど捕まえたあれもそのうちの人員だと思うが、あとどれくらい“闇ギルド”がありそうかわかるか?」
「……個人的には二桁はあると思っているわ。もっとも指揮系統の所をつぶさないと意味はないと思うけれど」
「二桁……二桁なら、二週間くらいでミシェルはいけるか? この世界は平和そうだし」
「どういう意味?」
「そのままの意味だ。あの、“正義の味方”を自称するミシェルは自分からそういった所に飛び込んで全てをせん滅していくから、だいたいそれくらいで壊滅するんじゃないかと予測を立てた。それだけだ」

 俺がそう言い切るとエイダが変な顔になり、

「何かの物語の読みすぎじゃない?」
「現実は得てして、物語よりも奇妙なことがあるものさ。それにミシェルがいるなら俺もそこまで大変な思いをすることはないだろう」

 俺はそう言いながら、今回ばかりはあの脳筋ミシェルに感謝だなと俺が思っているとエイダが、

「あのミシェルという人とどういった関係なの?」
「昔の仲間だよ」
「そうなの? だったら、“異世界の英雄”様って知っている?」

 そこでエイダが嬉々としてそんなことを聞いてきた。
 俺は嫌な予感がした。
 だから俺は、

「どうしてそれを聞くんだ?」
「だって、そのミシェルって人が女神プロセルピナ様から聞いたってそこら中で話していたもの。だから知っているのか……それとも貴方がその、“英雄”何じゃないかなって思ったの」

 などと俺に聞いてきたのだった。 
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