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リング

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22部分:ファフナーの炎その二十一


ファフナーの炎その二十一

「それは本当のことかよ」
「ここで嘘を言っても何にもならないだろう」
 ヴァルターはそれが真実であると述べた。
「金色の髪に金色の瞳を持つ白い肌の女ではなかったか」
「その通りだ」
「では間違いない。クンドリーは私のところにもいた」
「そうだったのかよ」
 ジークムントはそれを聞いて目を顰めさせた。
「じゃああんたも俺も。最初から奴等と関わっていたわけだな」
「奴等」
「ニーベルングの一族だよ、クリングゾル=フォン=ニーベルングの一族だ」
 彼は嫌悪感を露わにして言った。
「ニーベルングの」
「メーロトの奴がな、最後に俺に言ったんだ」
 ジークムントはヴァルターに対して話しはじめた。
「自分もクンドリーもニーベルングの一族だってな。その長こそ」
「クリングゾル=フォン=ニーベルングというわけか」
「ああ。あいつの本拠地はヴァルハラ双惑星にあるらしい」
「ヴァルハラ。銀河の遥かにあるというあの星系か」
「そう。そこの一つに奴はいるらしい」
「そこにか」
「そしてそこで銀河を自分のものにしようと企んでいる。どうする?」
「それはもう言うまでもないだろう」
 ヴァルターは答えた。
「ニーベルングは破壊を厭わない。自らに歯向かう者は誰であろうと滅ぼす」
「じゃあ決まりだ」
「うむ。ヴァルハラに向かう」
 彼は言い切った。
「そしてクリングゾル=フォン=ニーベルングを倒す」
「俺も同じ考えだ」
 ヴァルターも言った。
「ここで会ったのも何かの縁だ。行こうぜ」
「同行してくれるのか」
「俺の軍もな。これからのことを考えると味方は多い方がいいだろう」
「そうだな。帝国軍は強大だ。おそらくこの程度の戦力ではないだろう」
「よし、行こうぜ。これから何が起こるかわからねえが若き執政官とエースパイロットがいればそうそうやられはしねえだろうしな」
「宜しく頼むぞ」
「ああ、こっちこそな」
 二人は手を握り合った。そしてナイティングを経ちヴァルハラに向かいはじめた。
 二つの星が今合わさった。そしてそれがニーベルングのもとへ向かう。戦いはまたこうして新たな局面に入るのであった。


ファフナーの炎  完


                  2006・1・7
 
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