転生とらぶる
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ペルソナ3
2047話
まさかの露天風呂でゆかりと美鶴の3人で混浴をした翌日……朝食の席で一緒になった2人は、当然のように顔を真っ赤にしていた。
昨日は勢いでああいう行為――手を出した訳ではなく、あくまでも一緒の風呂に入っただけだが――をしたのはいいものの、今になって……いや、一晩経ったからこそ、冷静になって思い切り照れてしまったのだろう。
いわゆる、賢者モードって奴か? ……違うか。
ともあれ、修学旅行も今日で最終日だ。
午前中にクラスで色々と見て回って、昼には東京に帰る事になる。
……普通、修学旅行の翌日って休日ってイメージがあるんだが、月光館学園は普通に明日からもう授業があるんだよな。
正直なところ、旅行疲れを癒やす為に1日くらい休日にしてくれてもいいような気がする。
そんな風に思いつつ、俺達は知り合いと集まって食事をする。するのだが……
「おい、アクセル。ゆかりッチと桐条先輩、顔を真っ赤にしてるけど、何かあったのか? 何か悪い事をしたなら、すぐに謝っておいた方がいいぞ?」
「別に何か悪い事をした訳じゃない。……いや、悪い事かと言われれば、もしかしたらそうだったりするのか?」
月光館学園の規則的には、男と女が裸で一緒に風呂に入っていたのだから、不純異性交遊という扱いになる可能性はある。
もっとも、桐条グループ傘下の月光館学園が、影時間に対する協力者の俺やゆかりに……ましてや、桐条グループ令嬢の美鶴に、その件でどうこう出来るとは思わないが。
「アクセルッ! い、い、一体何を言ってる!?」
俺の言葉から何を想像したのか、美鶴が顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
……そう、叫んだのだ。
そうなれば、当然のように食堂にいる他の生徒達も、こっちに注意を向ける訳で……だが、顔を真っ赤に染めている美鶴は、周囲からの視線には全く気が付いた様子もない。
美鶴は恋愛経験とか少なさそうだからな。
どうしても、この手の話題になってしまえば、いつも通り冷静に行動する事が出来なくなってしまうのだろう。
そんな美鶴の横では、こちらは大声を出したりはしないが、ゆかりがどこか恨めしそうな視線をこちらに向けている。
恋人同士としての一時としては、十分な程に幸せな一時だったんだけどな。
ゆかりも、美鶴と同じく一晩経って賢者モードになってしまったらしい。
「アルマー、お前本当に美鶴に何をしたんだ? こいつがここまで動揺するなんて、滅多にないぞ?」
美鶴の態度に、付き合いの長い真田も、半ば驚きの混ざった視線を向けてくる。
「いやまぁ……色々とあったんだよ」
まさか昨日の件をこのような場所で言う訳にもいかず、取りあえずそう言って誤魔化す。
そんな俺の言葉に、ゆかりと美鶴の2人は見るからに安堵した様子を浮かべていた。
もしかして、本気で昨日の件を言うと思ったのか?
ジト目を向けるが、何故かゆかりから返ってきたのは、同じようなジト目。
美鶴の方も、俺に責めるような視線を送っている。
テーブルで食事をしている他の者達も、一連の流れから俺の方が悪いと思ったのか、俺にどうにかしろといったような視線を向けてきた。
……どうやら、現状は俺にとってかなり不利な状況らしい。
結局それ以上は何も言わず、俺は食事に専念する事にする。
高級旅館らしく、朝食も美味い。
特に出汁巻き玉子は、深い味を出している。
銀ダラの味噌漬けも、味噌漬けという割にはそこまで塩辛くなく、炊きたてのご飯に良く合う。
漬け物の類も京野菜の漬け物が用意されており……どの漬け物もスーパーとかで買う漬け物とは比べものにならないくらいに美味い。
こういう美味い漬け物は、専門店とか通販とかでないと買えないんだよな。
スーパーで売ってる漬け物も、決して不味い訳じゃない。不味い訳じゃないが……それでも、やはりこの漬け物には劣る。
いっそ、漬け物も自分で作ってみるか?
荒垣辺りに聞けば、その辺りは詳しく教えてくれる……かもしれいないし。
荒垣なら、自分専用のぬか床とか、持ってても不思議ではない。
……うん。一瞬冗談でそう思ったんだが、何だか普通に持ってそうだな。
そんな風に考えている間にも朝食は終わり、修学旅行最後の日が始まる。
昨日の事もあって、最初はどうしてもゆかりや美鶴はぎこちない態度だったが、それでも東京に戻る頃になれば、しっかりとその辺りのぎこちなさもなくなっていた。
うん、修学旅行故の解放感とか、そういうのが影響した形だろうな。
これも、幾月の件が無事解決した事の影響か。
もし幾月がまだ生きており、俺達に何らかの被害を出していれば、恐らくここまで楽しい修学旅行とかは楽しめたりはしなかっただろうし。
この世界の原作だと、その辺りどうなっていたのやら。
もしかして、幾月が裏で糸を引いた天田が、その手下となって荒垣を殺していた……なんて可能性もあったのかもしれないな。
ともあれ、この日の修学旅行が無事に終わったのは……俺にとっても、非常に満足出来たのだった。
「……で、修学旅行に行っていた間も、特に何かがあった訳でもない、と」
ゆかりやコロマルと一緒にタルタロスを攻略しながら、影時間が始まる前に荒垣と電話で話した時の内容を思い出す。
幾月を倒した今、残っている敵はタカヤとジンの2人だけだ。
少なくても、元々は向こうの仲間だったチドリは、タカヤの仲間はジン以外にいないと、そう証言していた。
勿論、チドリがS.E.E.Sに所属するようになってから、新しい仲間を迎え入れたという可能性は否定出来ないが、ジンはともかくタカヤのような強烈な個性――言い換えれば頭ががイッてる――を持つ奴が、そう簡単に仲間を迎え入れるとは思えない。
ましてや、仲間にするのならペルソナの召喚能力……最低でも影時間の適性持ちでなければ意味はなく、そう簡単に仲間に出来る奴はいない筈だった。
それは、S.E.E.Sが今ままでの活動で、この程度の規模である事を見れば明らかだろう。
桐条グループの力を使ってもそうなのだから、タカヤ達にそういう相手を見つけるのは難しい筈だ。
もっとも、幾月が何らかの情報をもたらしている可能性は十分にあるので、油断出来る訳でもないのだが。
「イシス、お願い!」
ゆかりの言葉と共に召喚器でイシスが召喚され、シャドウに向けガル系の魔法を放つ。
コロマルのケルベロスも、素早く周囲を走り回りながら相手を混乱させつつ、敵の隙を突いては一撃を与えるといった真似をしていた。
刈り取る者は、ゆかり達が戦っているのを俺の側で見ているだけだ。
……基本的に広範囲攻撃を得意としている刈り取る者だけに、こうして混戦状態になると、援護をしにくいんだよな。
勿論、やろうと思えば可能ではある。
刈り取る者の武器たる銃身の異様に長い拳銃も、援護には向いているし。
ちなみに、この拳銃。拳銃である以上は銃弾が必要なのではないかと思ったのだが、どうやらその必要はないらしい。
もっとも、俺の召喚獣になる前、シャドウとして活動していた時から普通に拳銃を使っていたのを思えば、恐らく何らかの理由で銃弾の類は常に補給していたんだろうが。
普通に考えれば、魔力なりなんなりを銃弾としているといったところか。
そんな風に考えている俺の視線の先で、ゆかりの矢がシャドウを貫き……倒す事に成功する。
「さて、じゃあ次に行くわよ! どんどん倒しましょう」
「……妙に張り切ってるけど、どうしたんだ?」
やる気に満ちているゆかりに、そんな疑問を抱いて尋ねる。
だが、そんな俺の言葉に、ゆかりはそっと視線を逸らすだけで何も答える様子はない。
昨日の風呂の件はもう解決した筈なんだが。
そう思うも、ゆかりは俺の疑問に答える様子はない。
何かあったのは間違いないが、こうして聞いても何も言ってこないとなると……それを教える事は出来ないのだろう。
もっとも、本当に危険な何かがあるのであれば、それを隠すような事はしないだろうが。
「次に行くわよ。今日は修学旅行で鈍った身体をしっかりと動かすんだから」
まぁ、1日サボったら、それを取り返すのに3日掛かるって類の話は結構聞くしな。
そこまで考え、ああ、とゆかりがこうしてタルタロスで身体を動かしている理由が思いつく。
普段は毎晩のようにタルタロスで命懸けの戦いを繰り返しているから、普通の女子高生とは思えないくらいの量を食べても、太るということは一切ない。
寧ろ、下手に食べる量を減らすとカロリーが足りなくて急激に痩せていくし、戦闘の際に判断を誤る事もある。
だからこそ、ゆかりは……そして恐らくS.E.E.Sの面々も、平均以上の量を毎食食べており、それでも足りずに間食という形でエネルギーを補っていたのだ。
だが、修学旅行に行っている間は、当然のようにこっちに戻ってきてタルタロスに挑むような真似はしなかった。その上、修学旅行ということで皆が羽目を外していたし、旅館で出てくる料理も高級旅館というだけあって、どれも非常に美味なものばかりだった。
そのような中、いつものように好きなだけ食べておきながらタルタロスに挑まない日が数日連続で続くようなことになれば、どうなるのか。
それは、考えるまでもないのだろう。
つまり、体重にダイレクトに反映された、と。そういう事らしい。
もっとも、露天風呂でゆかりの身体を見た時は、特に太っているようには思えなかったが。
こういうのって、他人から見てどうこうじゃなくて、やっぱり自分でどう思うかってのが大きいんだよな。
だからこそ、ゆかりはこうして頑張っていたのだろう。
この調子だと、それこそ数日と経たずにそのうち元の体重に戻ると思うのだが。
「はいはい、分かったよ。まぁ、シャドウを倒して強くなるってのは、俺にとっても悪い事じゃないし、それは別にいいんだが」
実際、こうしてゆかりがシャドウと戦う事によって、イシスはかなりレベルが上がってきている。
今日の戦いでも、ガルダインとかいうガル系……つまり、風系の中でも極めて強力な魔法を習得した。
刈り取る者の使う魔法にマハガルダインという、全体攻撃があるが……これまでの経験から考えると、恐らくこのガルダインは単体に対する風の魔法の中でも最強の威力を持っているものなのだろう。
……まぁ、刈り取る者が使っているマハガルダインが風系最強の魔法であるという前提での話だが。
実は、マハガルダインよりも強力な風魔法があっても、おかしくはないのだが。
ただ、刈り取る者って普通に考えたら間違いなく裏ボスとか隠しボスとか、そんな感じなんだよな。
そうい存在の使う魔法よりも上位の魔法が存在するのかと言われれば……まぁ、正直なところ微妙である、としか言えないだろう。
「ふふっ、そうね。イシスの運用の仕方もようやく慣れてきたんだし。この調子で、もっと強くなるわよ」
俺の言葉に笑みを浮かべてそう返すゆかり。
ダイエット云々を誤魔化せた事に喜んでいるのだろう。
まぁ、俺もタルタロスを攻略するというのは、マジックアイテムを集めるという意味でも、かなり有益な行為なのは間違いない。
そうである以上、俺としてはゆかりの言葉に反対するつもりは一切ないのだが。
既に封印の間まで攻略が終わっている以上、急いで上に向かうような事とかもしなくてすむし。
「ほら、アクセル。行くわよ。こうしている今も、美鶴先輩達は自分を鍛えてるんだから。何もしないでいれば、すぐに追いつかれてしまうわ」
それもまた、ゆかりの本心の1つだろう。
美鶴と2人揃って俺の恋人という事になったゆかりだが、だからといって、ゆかりはその関係に甘えるような真似はしない。
勿論、まだ影時間が解決してないからというのも大きいのだろうが、ゆかりや美鶴の性格を考える限り、あまりその辺を気にしなくてもいいと思う。
何だかんだと、ゆかりも美鶴も自分には厳しいしな。
「別に追いつかれたって構わないと思うけどな。……正確には、次の満月までには美鶴達も追いついてくれるのが、こちらとしては助かるんだが」
タルタロスの階層が全てを決める訳ではないだろう。
だが、上の階に行けば行く程、出てくるシャドウは強力なものとなる。
そうである以上、どうしても戦って勝った時に得られる経験値は多い。
……もっとも、この世界で経験値がきちんと数値化されているのかどうかは、俺にも分からないが。
ただ、原作のある世界で、もしその原作がゲームだとすれば、経験値とかがあっても不思議ではない。
正直な話、出来ればその辺りの情報とかもしっかりと目に見える形であってくれれば、嬉しかったんだが。
そんな風に思いつつ、俺はゆかりとコロマル、刈り取る者と一緒にタルタロスで荒稼ぎをするのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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