歌集「冬寂月」
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四十一
切なれど
想い儚く
春も暮れ
夜に鳴く鳥の
声にしみたる
ひたすらに想い続けたとして、そんな想いは儚く…瞬く間に去りたる春のように、侘しく記憶に残るだけ…。
夜更けにため息をつけば鳥は鳴き…その声音の寂しさに、ただただ染み入るしかない…。
年経れば
頭に雪の
つもりけり
とけぬ想いそ
尚もつもりぬ
若いつもりが…鏡を見れば白髪ばかりに…。
もうこんな歳になったのだと、虚しくなってしまうものだ…。
それなのに…想いは少しも変わらず、今も取り留めもなく降り注ぐ…。
これだけ愛せたのだから…私の人生は充分なのかも知れないな…。
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