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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第七幕その七

「それで空海さんもなのね」
「改造コードや編集使ったみたいな人だったのね」
「何かそう言うと織田信長さんや坂本龍馬さんみたいね」
「そうよね」
「そうだね、まあ僕から見たらね」
 先生から見た空海さんはといいますと。
「大谷投手クラスに凄い人だよ」
「あの人も凄いね」
「まさに超人だよ」
「あんな凄い人そういないよ」
「ダルビッシュさんや田中さんも凄いけれど」
「あの人もね」
「その大谷投手みたいな人だよ」
 先生が思う空海さんはです。
「もう何でも出来そうなね」
「というか大谷投手って凄過ぎて」
「もう何ていうかね」
「あんな人が怪我なくて普通に活躍したら」
「優勝間違いなしよ」
「そうだね、日本に来て空海さんのことを知って驚いたけれど」
 それと共にというのです。
「大谷投手にもね」
「驚いたよね」
「こんな人いるのかって」
「投げたら一六五キロだして一四七キロのフォーク投げて」
「打ったらホームラン年二十本」
「怪物だよ、あの人」
「空海さん並の人だよ」
「どっちが凄いかって聞かれるとジャンルが違うけれどね」
 仏教や書道、ピッチャーとバッターでです。
「それでもね」
「大谷投手は空海さん並」
「そこまで凄い人なんだね」
「ちょっとやそっとで出ない様な」
「そんな人なんだね」
「若しもだよ」
 王子が笑ってこんなことを言いました。
「今空海さんがおられたらどうなのかな」
「うん、凄い学者さんか宗教家でね」
「書道も出来て地質学者でもあって」
「ダウジングも出来たしね」
 それで地質学者も出来るというのです。
「しかも退魔師でもあったしね」
「おまけに登山家で」
「色々凄い人だったろうね」
「今でもだね」
「学問や書道だけでも凄かったから」
 この二つだけでもというのです。
「普通の人の何分の一の時間でしかも普通の人より遥かに確かに難しい学問を修めてもいるしね」
「それで日本に唐の仏教の教義を持ち帰ったんだよね」
「そうした功績もあってね」
「それで書道もなんだ」
「凄かったからね」
 何しろ筆の誤りの語源ともなった位です。
「学者さん、書道家さんとしてだけでね」
「そのどちらかだけでもだね」
「凄かったしね」
「そこにだよね」
「そう、地質学に退魔も出来てだから」
「その退魔のことも伝説が多かったんだ」
「そうみたいだよ、物語としてね」
 まさにというのです。
「残っているよ」
「そうなんだね」
「こちらは真実か真かわからない部分が多いけれどね」
「そこは安倍晴明さんみたいだね」
「そうだね、ただ相当な法力があったのは間違いないから」
「日本の歴史上屈指の」
「そうした人だったからね」
 それこそとお話する先生でした。
「退魔も出来たのは間違いないから」
「ううん、僕と同じ人間には思えないよ」
 王子はしみじみと思いました。
「大谷投手もだけれどね」
「そうだね、僕もだよ」
「努力したらなれるかな」
 空海さんみたいな人にというのです。
「果たして」
「そうだね、やっぱり人間はね」
「努力しないとだね」
「少なくともどうしようもないよ」
「空海さんみたいな人になるには」
「本当の天才は九十九パーセントの努力とね」
 それこそというのです。
「後はね」
「一パーセントの閃きだね」
「両方がないと駄目だけれど」 
 それでもというのです。 
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