魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~
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Epica15-A局員狩り~Secret Maneuvers~
「はっ、はっ、はっ、はっ! ちくしょう! 何だって言うんだ・・・!」
闇夜の中、静まり返った街の中を駆ける男が1人。彼はミッドチルダ地上本部の首都防衛隊に所属する、AAAランクのストライカー級の魔導師で、自分の隊を持つ一等陸尉の階級持ちだ。帰路の途中、彼は突如として襲撃を受けた。襲撃された理由は、自分が局員である事、とすぐに察することが出来た彼は・・・
――俺が今まで捕まえた悪党の身内か!? 逆恨みも甚だしいぞ!――
襲撃者の正体にそう見切りをつけてそう叫ぶが、返ってくるのは無言だった。彼は、襲撃者を捕らえるために通信や念話で応援を予防としたのだが、ジャミングを受けているのか両方とも使い物にならなかった。となれば、相手の人数も判らない状態での交戦は危険と判断し、離脱を図ったのだが・・・。
「姿を見せずに狙撃ばかり・・・! 腰抜けめ!」
殺傷性はないが、掠っただけで触れた場所が麻痺するスタン弾。局員は長年の直感から紙一重だが、どこからともなく撃ち込まれる狙撃を躱していた。彼のデバイスはストレージタイプの双銃だ。ゆえに「姿を視認しだい、眉間に撃ち込んでくれる・・・!」と息巻いた。
(しかし、深夜3時とはいえ・・・人がいなさ過ぎる。結界を張られたわけでもないのに・・・。一体、俺の周りで何が起きているんだ・・・?)
明かりの点いているビル群の中、局員は数あるビルの屋上をチラチラと確認し、狙撃ポイントを探し出そうとするが、「距離がありすぎるのか・・・?」と断念した。それから彼にとっては何十分、何時間という体感時間だったが、実際には数分程度の逃走の果て・・・。
「狙撃が止んだ・・・?」
ちょうど街の1ブロックを抜けたところで、ピタッと狙撃が止んだ。それでも警戒心は一切解かず、間を置いてから狙撃が再開されるかもしれないと考え、街と街に挟まれた大川に架けられた橋へと移動を始める。月明かりに照らされた堤防を駆け下り、橋架下へとたどり着いたそのとき・・・
――トランスファーゲート――
「やれやれ。狙撃型はまだ実戦に投入できないな、これでは」
局員の背後から、そんな呆れ声がした。完全に虚を疲れた男はビクッと肩を跳ねさせ、振り向きざまに拳銃型デバイス2挺の銃口を「誰だ!?」と、突然現れた何者かへと向けた。そこに立っていたのは怪人の仮面を付けた男だった。服装は例によって学ランにマントに学生帽と目出し帽。その正体は、銀薔薇騎士隊のパラディンの1人、拳闘騎士ガリホディンだ。
――スタンバレット――
経験から成せる事なのだろう。局員は、何故ここに?という疑問で硬直することなく、相手を麻痺させる魔力弾を即座に連射した。
――烈火泉――
ガリホディンの足元に展開された薄紅色のベルカ魔法陣より、魔力光と同じ薄紅色の炎が噴き上がった。局員の魔力弾は炎の渦に拒まれて消失したが、局員はその場に留まることなくガリホディンの周囲を駆け回りながら「砲撃ならば!」と、射撃魔法より上位の術式であり威力を持つ砲撃魔法を撃ち込んで行く。
――炎纏人――
「もうよせ。無駄に魔力を消費するだけだ」
炎の渦より歩き出て来たガリホディンは、全身を燃やしながら局員の元へと駆け出す。
「何が目的だ、最後の大隊! 俺とお前たちとの接点はないはずだが!?」
「そうだな。別に隠すこともないから教えよう。我々は名のある局の魔導師を拉致しているのだ」
「なんだと・・!?」
拉致された先での処遇を考え、局員は生唾を飲んだ。何せ向こうは犯罪集団。その様子からガリホディンは「安心しろ」と小さく肩を竦めながらそう言った。
「別に取って食うわけじゃない。ただ・・・痛みも苦しみもなく、無期限に眠っていてもらうだけさ・・・!」
――獄火拳――
「それは早い話が殺すという事だろう!」
――フォトンブラスト――
炎で構築された拳を砲弾のように飛ばしたガリホディンと、2挺の銃口から直射砲撃を放った局員。2つ魔法が真っ向から衝突、大爆発を起こした。爆風に煽られて局員は腰を落として踏ん張る中・・・
「これで終わりだ」
全身に纏っていた炎を消失させていたガリホディンがそう言い放ちつつ、爆風に乗って局員へと再接近してきた。局員も迎撃のために銃口を向けようとするが、すでに懐に入られた後。ガリホディンは局員の鳩尾に肘打ちを打ち込み、さらに伸ばされていた右腕を取って背負い投げした。気を失った局員を確認したガリホディンは『任務完了』と念話で誰かに報告。
『了解です。ゲートを開放します』
――トランスファーゲート――
転移スキルを有する女性化面持ち――シスター・トルーデからの返答の後、音もなく空間に歪みが発生した。局員を肩に担いだガリホディンが空間の歪みの中へと足を踏み入れ、その瞬間には最後の大隊の本拠地へと着いていた。
(っく・・・。ここは・・・どこだ・・・?)
割と早く目を覚ました局員は、整理された人工の通路を薄めで確認。そして今、自分を担いでいるガリホディンの背後を歩く女性をギリギリで視認。顔までは見られなかったが、服装だけはハッキリと視認した。
(修道服!? シスターだと・・・!?)
局員は混乱した。最後の大隊に拉致された先には、聖王教会のシスターと思しき女性が待ち構えていた。脳裏に過ぎる最悪の展開に、局員は再び気を失いそうになった。意識を失ったフリをしつつ、もっと情報を探ろうとしていた矢先、「ご苦労だった、ガリホディン」と、そう労うしわがれた声がした。
(ガリホディン・・・? パラディン・ガリホディン!? くそっ、やはり教会騎士団と最後の大隊はグル! いや、最後の大隊そのものが騎士団の一部なのか・・・!)
「AAAランクとはいっても所詮は魔導師。我われ騎士には遠く及びませんよ、団長」
実際に負けている事で反論できない局員だが、局には本当に強い魔導師がいることを知っているため胸の奥で、返り討ちに遭ってしまえ、とほくそ笑んだ。そして団長というのが、現騎士団のリナルド・トラバントかと考えたが、声があまりにも老けていることもあり、人違いだと判断する。
「ふむ。著名でなおかつ実力のある局員を回収するには、やはり幹部でないとな。では早速施術をしてもらおうか」
団長と呼ばれた男がそう言うと、局員を担いでいるガリホディンが移動を開始。薄目を開けながら彼は周囲を確認する。機材が多いため何かしらの研究室であること、この部屋には今、自分とガリホディンとシスター、そして団長と、さらにもう2人の6人がいることを確認。
「聞こえてはいないだろうが・・・安らかに眠れ、アル・アダムス一等陸尉殿」
斜めに立て掛けられたようなポッドが目に入り、さらにはガリホディンからの別れを告げるかのような台詞に・・・
(これ以上は無理だ・・・!)
アルはそう判断し、即座に魔力を練り上げて両拳に付加。魔力を電気に変換しての「スタンナックル!」を、ガリホディンの無防備な腰へとダブルスレッジハンマーを打ち込んだ。
「ぅぐ・・・!?」
ガリホディンは堪らず膝から崩れ落ち、アルは彼の肩から飛び降りてすぐにデバイスを起動。捕まえた時にデバイスを取り上げなかった最後の大隊には感謝しかない、と嘲笑する。銃口を団長やシスター、他2人に向けたところでアルは「え・・・?」と一切の行動を止めてしまった。
「どういう・・・ことだ・・・?」
アルの目が見開かれる。数日前に行われた最後の大隊の演説にて、軍服にペリースというリーダー格の禿頭の大男、学者然とした白衣を着た胸の大きな女性、そして最後に彼が「俺が居る・・・?」と呻いたとおり、彼とまったく同じ顔に背格好の男が居た。
「そのとおり。今日からアレが、アル・アダムス一等陸尉となり、オリジナルである君はいつ目覚めるとも判らぬ眠りに着く。彼らのように・・・」
スッと立ち上がって見せたガリフッドが上を仰ぎ見たことで、アルもつられて上を見た。何度目かの「え・・・!?」と絶句。円筒状の部屋の壁にはいくつものポッドが並列して設けられており、その中には聖王教の教皇であるマリアンネ、元槍騎士のパラディン・パーシヴァルといった騎士団関係者や、本局や支局、各地上本部の上層部の役員が十数人が収められていた。
「ば、馬鹿な・・・! マクレーン防衛長官・・・! 帰宅の際に、確かに顔を合わせた・・・!」
ある1つのポッド内に、ミッドチルダ地上本部の全防衛隊の総司令官である老齢の男性局員が収められており、それを見てたアルは膝から崩れ落ちた。オリジナルを眠らせ、最後の大隊が用意した偽者を外に出す。それだけでいろいろな悪事を裏から操れるだろう。そう思い至ったアルは、管理局だけでなく教会騎士団も被害者側だと理解した。何せベルカ自治領や聖王教会のトップであるマリアンネが捕らわれている。これを異常事態といわずなんと言おう、と。
「くそ・・・!」
アルは出口へ駆け出しながら、2挺の銃口より魔力弾を連射。ガリフッドが「無駄だ」と落ち着いた声で魔力弾を握り潰し、アルを追い駆け始める中、他の者は全てをガリフッドに任せるとでも言うようにその場から動かなかった。その考えはに間違いはなく、2分とせずにガリフッドは気絶しているアルを連れ戻してきた。そして彼もまたポッドに収められ、偽者のアルはシスター・トルーデの転移スキルによって、彼の家族の待つ自宅前に配置された。
†††Sideティアナ†††
ひょっとしたら、お兄ちゃんは生きている、かもしれない。そんな曖昧な気持ちのまま、毎年同じようにお兄ちゃんの命日という理由で墓参りに来た。ミッドは西部エルセア地方、ポートフォール・メモリアルガーデン。そこに両親とお兄ちゃんの墓がある。
「というか、あんたまでついて来なくてよかったのに・・・」
「いいの、いいの♪」
あたしの墓参りに付き合ってくれるのは腐れ縁のスバル。この子の母であるクイントさんも、死んでいたとされてた間はこの墓地に墓があった。でもプライソン戦役でクイントさんは生存は確実となって、今はナカジマ家に戻り、管理局にも復帰してる。
正直な話、クイントさんが生きていて、墓地からクイントさんの墓が撤去された時、嫉妬を覚えていた。お兄ちゃんも実は生きていたらな、って・・・。そのまさかが今、現実になろうとしてる。嬉しいのは嬉しいけど、お兄ちゃんの今の状況・状態によっては、本当に空の棺にお兄ちゃんが収められることになるかもしれない。それが一番の不安・・・。
「せっかく久々に揃った休暇なんだもん。出来るだけ一緒にいようよ~♪」
相変わらず照れ臭くなるような台詞をサラッと口にするスバルに、「はいはい、そうね」って苦笑で返す。平日だということで墓参りに来てる人はかなり少ない。だからこそ、そこにある異様な光景にすぐに気付けた。あたしの両親の墓の前にひとり立つ男性が1人。顔はよく見えない。でもあの後姿は・・・。
「(小さい頃によく背負ってもらってたから・・・判る・・・!)お・・・お兄ちゃん・・・?」
「え? ティア、まさかあの人が・・・!」
「お兄ちゃ――いえ、最後の大隊の仮面持ち・・・!」
変身するかどうか迷った。ここは死者が眠る墓地。こんなところで魔法戦なんて出来るわけがない。でも応援を呼んでいる暇もない。大隊には転移スキル保有者がいる。下手に応援を呼んで気付かれたりでもしたら、逃亡の際にこちらに被害が出るかもしれない。
「あたし、話しに行くわ」
「っ!・・・うん、だよね。兄妹だもんね」
そう、局員としてじゃなくて妹として逢いに行く。今日はちょうど私服だし。スバルと頷き合って、両親の墓の前で佇むお兄ちゃんの元へと歩き出す。1歩、また1歩と近付くにつれて心臓が早鐘を打つ。モニターでしか、お兄ちゃんが生きてるかもしれないって判断が出来てなかった。だけど今、目の前に確かにお兄ちゃんが居る。近くまで来て、その横顔をしっかりと目で見る。間違いなくお兄ちゃん、ティーダ・ランスターだった。
「こ、こんにちは!」
緊張しまくって声が上ずってしまった。お兄ちゃんは周囲をキョロキョロした後、挨拶をされたのが自分だと判って、「こんにちは」って挨拶をしてくれた。この時点ですでに異常を察することが出来た。あたしを直接見ても妹だって気付いてない。いやまぁ、最後に顔を合わせたのは10年近い昔だから、成長したあたしに気付かないのもおかしくはない、かな・・・。
「うん、こんにちは」
「あの、えっと・・・」
「・・・あの、あたしスバルっていいます! お名前を伺ってもいいですか?」
あたしが口を噤んでいると、スバルがお兄ちゃんに名前を尋ねた。お兄ちゃんは微笑んだ後、「ティーダ。ティーダ・ランスター」って名乗った。視界が涙で滲み始める。その口からちゃんと名前を聴けた。生きてる、生きていてくれた。両手で顔を覆って、漏れそうになる嗚咽を必死に口を噤んで抑える。
「ティア・・・?」
「ど、どうかしたのかい!? 何か気に障るような事を・・・!?」
お兄ちゃんがあたしに声を掛けてくれる。次々と嬉しさが込み上げてきて、もう顔を上げられないほどに涙や嗚咽が出る。スバルがあたしを支えるように両肩に手を置いてくれた。今日、あんたが居てくれて本当に良かったわ・・・。
「ティーダさんって、ご兄弟とかっていますか?」
「え!? この状況でそんな話!? いやいや、この女の子はどうするの!?」
「どうにかしたいからお尋ねしているんです!」
スバルの必死さにお兄ちゃんは「妹が1人・・・ね」って答えて、スバルがさらに「お名前は!?」って聞いた。
「え?・・・ティアナ。ティアナだよ」
「~~~~っ!」
もうダメだった。あたしは「うわああああああ!」声を出してその場に泣き崩れた。もう二度とお兄ちゃんから呼んでもらえないって思ってたあたしの名前だから。
「あたしは・・・あたし、ティアナ・・・、ティアナです!」
涙やら何やらでグショグショになってるかもしれない顔を上げて、お兄ちゃんの顔をしっかり見つめながら名乗った。するとお兄ちゃんは「え? あ、えっと、い、妹と同じ名前なんだね? いい名前だよね?」って困惑に満ちた声でそう言った。違う、って言おうとしたけど、それより早くお兄ちゃんは悲しそうな表情を浮かべて、こう漏らした。
「いやでも、君は名前だけでなく外見も、どことなく妹を思い起こさせるよ。うちの妹って11歳だったんだけど、妹が成長して大人になれば、たぶん君くらいの美人になっていたと思う」
(だった・・・? なっていた・・・? 何で過去形?)
出逢えた嬉しさや不可思議な台詞などであたしが混乱する中、スバルがあたしに代わって「なんで過去形なんですか?」って聞いてくれた。そしてお兄ちゃんの口から、信じられない事が語られた。
「妹は、ティアナはね。7年前、局と魔導犯罪者の魔法戦に巻き込まれて死んだんだ・・・」
「「っ!?」」
「ミッド魔法発祥の地であり、全管理世界の地上部隊の総本部のお膝元ということで、当時の防衛長官レジアス・ゲイズは、結界を張ること即ち怠慢である、としていた。しかも管理局法自体が、結界の無断発動を許可できないときている。その所為で! 僕の妹は! 魔導犯罪者の流れ弾に当たって!」
お兄ちゃんの表情が今まで見たこともないような怒りに歪んだ。ここまで感情を吐露するお兄ちゃんははじめて見たから、あたしは二の句が告げなかった。ここでまたスバルがあたしを助けてくれた。
「それ間違った記憶です! ティアは、ティアナ・ランスターは生きてます! ここにちゃんといます!」
そう言ってスバルがあたしの腕を引っ張って立ち上がらせてくれた。そして「ほら! ティア!」ってあたしの背中をドンッと叩いて、お兄ちゃんの胸に飛び込ませた。
「えっと、あの、その・・・!」
お兄ちゃんの顔を見上げて、あたしは息を呑んだ。さっきは局や管理局法への怒りで歪んでた顔が、今はあたしやスバルへと向けられていた。そして「よしてくれ」って冷たい声で呟いた。
「確かに君は、妹と同じ名前で顔も髪の色も似てはいるが、妹じゃない・・・! 見てくれ、あの子の墓を!」
お兄ちゃんが指差した方には、お兄ちゃんの墓石が立っていた。でもよく見れば墓石に刻まている名前はティーダ・ランスターじゃなくて、「あたし・・・!?」の名前へと変わっていた。前回ここへ来たのは、ルシルさんからお兄ちゃんの事を聞かされた時。その時はいつもと変わらず、お兄ちゃんの名前が刻まれていた。
(いつの間に・・・! というか誰があんな事を!)
決まっている。どんな手段を講じたのかは判らないけど、最後の大隊の誰かが墓石を換えたに違いない。お兄ちゃんの記憶を弄って、利用して・・・。今までにないくらいに怒りを覚えた。だから「助けるよ、お兄ちゃん」って、お兄ちゃんの胸を両手で押して離れる。
「君はまだ・・・!」
「あたしの名前は、ティアナ・ランスター! 執務官を夢見ていたお兄ちゃん――ティーダ・ランスターの妹! その意志を継ぎ、本局次元航行部所属の執務官になった! 管理局員として、最後の大隊メンバーであるあなたを逮捕し、妹として・・・お兄ちゃんを救い出す!」
「あたしも手伝うよ、ティア! ティアには、あたしのお母さんの解放を手伝ってもらったし! 何より親友の一大事だからね!」
「ホント心強いわ、あんたが一緒にいると」
「えへへ♪」
スバルと肩を並べて、「管理局員・・・!」って驚きを見せてるお兄ちゃんと対峙する。お兄ちゃんは「なるほど。僕を惑わせて、隙を突いて拘束するつもりだったのか」って頭を振って、あたし達を睨み付けてきた。胸がズキッと痛むけど、今はとにかくお兄ちゃんを取り戻すことが最優先。
――トランスファーゲート――
変身と武装をされる前ならひょっとして、と考えていたその矢先、例の転移スキルが使われた証である空間の歪みがお兄ちゃんの側に生まれて、「同志アングマール。新たな指令よ」って言いながら逆五角形の女性仮面持ちが出現した。
「目の前にいる管理局員2名・・・捕獲です」
女性仮面持ちがそう言うとお兄ちゃんは「了解」って簡潔に答えて、最後の大隊の制服らしい学ラン、学生帽、マント、そして目出し帽に恵比寿の仮面っていう格好へと変身。右手にはお兄ちゃんの局員時代の頃から使ってた拳銃型デバイス・“ピースメーカー”。左脇に挟み込むように持つ銃身が3本ある2mくらいの砲塔型のデバイス。
「場所が最悪だけど、手加減も出来るわけもなし! スバル!」
「うん! やろう!」
あたしとスバルも防護服へと変身した。さて、出来るだけ墓地を荒らさないようにお兄ちゃん達を撃破して逮捕するには、いったいどうしたものか・・・。
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