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初レギュラー

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第六章

「いいわね」
「どれも信じられないです」
「信じられなくても事実だから」
「じゃあそうしたお仕事もですね」
「決まったからね」
「頑張ってやっていくべきですね」
「そうしてね、あの役本当に注目されているから」 
 初レギュラーとは思えない演技力がだ。
「社長もこれからも有紗ちゃん押していこうって言ってたし」
「社長さんもですか」
「次期もレギュラー決まったし」
 次の仕事もというのだ。
「今度は普通の主人公のお友達よ、三人組の一人よ」
「ライバルお嬢様じゃなくてですね」
「そうした役だから、主人公をいつも助ける役よ」
「今の役とは全然違う役ですね」
「声優の役は色々だから」
 それこそと言う由美だった。
「色々な役をしてそうしてね」
「演技力も高めて」
「ファンの人達にもっと注目されるのよ」
「そうさせてもらいます」
「これからも頑張ってね、あと絶対に注意して欲しいことは」
 由美はここまで仕事の話をしたうえで有紗にこうも言った。
「彼氏のことはね」
「あっ、その」 
 その話になるとだ、有紗は戸惑いを見せた。そのうえで由美に話した。
「私もその、女の子で」
「そうよね、そのことはね」
「絶対にですね」
「表に出ない様にしてね」
「言わないことですね」
「ブログでもツイッターでもね」
 そうした場所でもというのだ。
「駄目よ」
「そうですよね、やっぱり」
「若し言ったらね」
「これが一番炎上しますね」
「ファンってこういう話題に敏感だから」
 由美は有紗に強い声で忠告した。
「だからね、そうしたお話ね」
「しないことですね」
「丁度いい具合に有紗ちゃんお兄さんと弟さんいるでしょ」
「彼氏の話題はですか」
「そうしたことで誤魔化してね」
 彼氏ではなくというのだ。
「そうしてね」
「そこは絶対ですね」
「結婚はまだでしょ」
「それはとても」
 まだとだ、有紗はこの話題にも驚いて答えた。
「考えてないです」
「そうよね、けれどね」
「若し私が結婚しても」
「隠してね」
 そのことはというのだ。
「それで三十位になったらよ」
「公表ですか」
「それまでは彼氏の存在すらよ」
「隠すんですか」
「ご兄弟ってことにしてね」
 ブログやツイッターでふと書く時はというのだ。 
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