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レーヴァティン

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第五十一話 川旅その十五

「食いもののな」
「そうかもね」
「それで久志はファアグラが苦手なんだよ」
「それよりもあん肝の方がいい」
「そうなんだよ」
「だろうな、あとエイの肝も好きだぜ」
 この魚のそれもというのだ。
「白子だってな」
「ああ、白子も好きなんだ」
「そっちもなんだ」
「河豚のそれも美味しな、鱈だってな」
 この魚のものもというのだ。
「好きだぜ、こっちの世界じゃ鱈は食ってもな」
「さっきムニエルで食べたしね」
「地域によってはメジャーな食べものだね」
「けれど白子はな」
「内臓自体食べないからね、こっちじゃ」
「だから食べないね」
「それが残念だぜ」
 こうしたことを言ってだ、久志はまたカルパッチョを食べた。オリーブオイルだけでなく塩胡椒とレモンもよく利いている。
 それを食べつつだ、また白ワインを飲んでさらに言った。
「まあ言ってもな」
「仕方ないからな、まずは食ってな」
 そしてとだ、芳直が応えた。
「モンスターが出たら戦って」
「そうじゃない時はこうしてだな」
「船旅を楽しみながらな」
 そうしてと言うのだった、芳直は。
「まずはヴェネツィアに行こうぜ」
「そうするか、じゃあ最後はな」
「あとはメインで肉も出るぜ」
 魚料理が続いたがこちらも出るというのだ。
「それも食ってデザートも食って」
「そうして楽しむか」
「船旅もいいものだからな」
 それでと言ってだ、そしてだった。
 久志はメインの羊の胸肉を香草で味付けし焼いたものにデザートのアイスクリームも食べてだ。ワインも楽しみそうしながら船旅を楽しむのだった。ヴェネツィアまでのそれを。


第五十一話   完


                 2018・1・24 
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