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オズのトロット

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第五幕その五

「日本の学校で」
「先生が教えてくれたの」
「授業の間に」 
 そうだったというのです。
「他の船もそうだと」
「そうなのね、面白いこと教えてくれる先生ね」
「はい、本当に」
「けれどオズの国ではね」
 その潜水艦もというのです。
「そうしてね」
「一人で、ですか」
「動かせるから」
「しかも自動操縦で」
「そこは違うわね」
「これも魔法と科学が両方あるからですね」
「そうよ」
 その通りとです、トロットはカルロスに答えました。
「その両方があるからね」
「自動操縦もですね」
「出来るの、魔法だけでも科学だけでもね」
「無理ですね」
「この潜水艦はグリンダが造ってくれたの」
 そうした潜水艦だというのです。
「それでなのよ」
「こんなに凄いんですね」
「そう、ほら見て」
 操縦席の端を指差しました、するとそこにはカドリングの紋章がありました。他ならないその国のです。
「その証拠にね」
「カドリングの紋章ですね」
「これがあるでしょ」
「グリンダさんが造ってくれたからですね」
「これがるのよ」
 潜水艦の中にというのです。
「この街へのプレゼントだけれど」
「グリンダさんが造ってくれたことはですね」
「事実よ」
 このことは紛れもなく、というのです。
「この通りね」
「そうなんですね、じゃあグリンダさんに感謝して」
「そしてね」
「ハイランドとローランドに」
「今から行きましょう」
 そこにというのです。
「海の旅を楽しみながらね」
「わかりました、じゃあ今からですね」
「出港よ」
 これからというのです。
「そうなるわ」
「いよいよですね」
「さて、海に出たら」
 キャプテンも言います、操縦席に集まっている皆に。
「海の上の景色も中の景色もね」
「両方をですね」
「楽しもうね」
 そうしようというのです。
「これからね」
「はい、それじゃあ」
「今から出港ですね」
「ハイランドとローランドに向かって」
「そうしてですね」
「海の上も中も見ながら」
「そうなるよ」
 キャプテンは笑顔で応えます、そしてここででした。
 カルロスはふとです、気付いた顔になってキャプテンに尋ねました。その尋ねたことは何かといいますと。
「あの、ただ」
「ただ?」
「潜水艦で海の中にも行きますよね」
「そうだよ」
「そうすることはいいとしても」
 それでもというのです。
「この潜水艦もそうですが潜水艦って全部金属で包まれていて」
「そしてだね」
「外は見られないんじゃ」
 つまり海の中はというのです。 
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