| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十四話 二人でお外に出てその十八

「商店街はもう何処も、ですから」
「寂れてるっていうのね」
「おぢばはまだましですよ」
 駅前から神殿本部までの長いそこはというのです。
「いや、本当に」
「阿波野君の周りはなのね」
「もうどうしようもないです、桜井なんか」
「私が見たら」
「行かない方がいいです」
 阿波野君は私にはっきりと言いました。
「絶対に」
「そこまで酷いのね」
「八木のニチイもなくなって」
「八木って近鉄百貨店あるわよね」
「あっ、もう行かないです」
 この百貨店には阿波野君ははっきりと言いました。
「絶対に」
「絶対になの」
「何があっても、近鉄百貨店は」
「何かあったの?」
「近鉄バファローズの話知ってますから」
 あの球界再編の時のことみたいです。
「それで絶対にです、近鉄グループについては」
「行かないのね」
「電車は仕方ないですが」
 こちらは利用するしかないというのです。
「バスにしても。けれどそれ以外は」
「利用しないのね」
「百貨店にも行かないです」
「そうなのね」
「八条鉄道の方を使いたいですね」
 日本全土に路面を持っているこの企業のものをという0です。
「是非」
「奈良県も路面あるしね、あの鉄道」
「はい、ですから」
 それでというのです。阿波野君はお握りを食べながらそのうえで私にお話してくれました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧