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俺の妹がこんなに可愛いわけがない~とある兄と弟の日常~

作者:雪月花
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第一話『俺の妹と弟が仲良くなるわけがない』

 
前書き
 この物語、高坂雄夜と弟京介の日常を描いたものです。過度な期待はしないでください。
そして、この物語はすべてフィクションです。実在する、団体名、施設名、その他諸々とは一切関係ありません。
最後に、小説を読むときは部屋を明るくしてPC画面又は携帯の画面からできるだけ離れて読んでください。


?「―――だって♪」

雄夜「まあ、実際その通りなんだけど……なんで、みな○けのパクリ?てか、お前本編にもまだ出てきてないのにこんな所に出てきて良いのかよ」

?「作者が次回に出すから別に良いって言ってたよ」

雄夜「その前に、お前まだ正式に名前も決まってなかったよな?確か…」

?「ええ!?そうなの!?」

雄夜「それさえ知らなかったのか…」

?「うぅぅ~……それじゃあ、今私のセリフの前に名前じゃなくて“?”て出てるの?」

雄夜「まあ、そうだな」

?「…………」

雄夜「おい、どうした?急に黙り込んで」

?「……帰る」

雄夜「え!?あ、おい!!……本当に帰りやがった。しゃあない続きは俺が。え~と、何々?第一話『俺の妹と弟が仲良くなるわけがない』スタートと可愛く言ってください」

雄夜「…………」

雄夜「それでは、第一話『俺の妹と弟が仲良くなるわけがない』スタート♪(可愛く)」

雄夜「……今、無くしてはいけない物を無くした気がする…」


 録音しました。


雄夜「今録音した奴、出てこいや!!コラッ!」 

 
「……はぁ~、こんなもんかな…」


 本日、俺こと高坂雄夜は部屋にこもり課題のレポートを仕上げていた。つい先ほど、終わったのでコキコキと首を鳴らしながら背伸びをする。そして、喉が渇いたので部屋を出てお茶を飲みに下に降りようとすると。


「さわんないで!」


 下から怒鳴り声が聞こえてくる。あの声は、桐乃か?あいつ帰ってたんだな。ヘッドホンしていたからわかんなかった。

 まあ、気にしても仕方無いのでそのまま下に降りる。すると、ちょうど玄関の扉が閉まったにで桐乃が出掛けたのであろう。


「おかえり、京介」

「ああ、ただいま」


 その場に残っている京介に言ってから台所に向かう。ちょうど、麦茶が出ていたのでコップを取り出し注いで一気に飲み干す。そう言えばお袋の姿が見えない、買い物にでも行ったのだろうか…。

 コップを流しに置いてリビングを通って玄関前にでると。


「……なにやってるんだ?京介」


 現在俺の視線の先にいるのは何かを抱え込むようにその場に倒れ込んでいる奇行な弟だ。


「な、なんでもない!!ちょっとした気分転換だ!気にするな!」

「そうか、わかった」


 そう言って、階段の方に向うが手前で立ち止まり。


「そうそう、京介」

「な、なんだ?」

「エッチな本を読むことは悪いとは言わんが―――」


 身体の向きを反転させ――――


「部屋まで我慢しろよ」


 ニヤリと笑いながら言う


「おおい!?兄貴!?勘違いしないでくれ!俺は――――」

「ああ、皆まで言うな。俺も男だ、お前の気持ちはよくわかる」


 腕を組んでうんうん、と頷きながら言う。そう言えば、俺も昔そんなことあったけ、しかも見つかったのが桐乃だったからなぁ、あの後、目すら合わせてもらえなかったよな。

 ははは、今思うと涙が出てくるぜ。


「解ってない!!ぜんぜん、解ってないぞ!兄貴!!」

「何を言うか、俺は兄として、お前の持っているエッチな本の隠し場所や本の内容、お前が眼鏡フェチであることもしっかりと熟知しているんだぞ?」

「なんで知ってんだよ!?」

「男のエッチな本の隠し場所なんてベッドの下か本棚で他の本にカモフラージュ…この二つに一つしかないだろ」


 なんでそんなこと解るのかって?そんなの、俺自身がそうだったからに決まってんだろ。まあ、小さい頃の桐乃に見られた時はさすがに死のうかと思ったよ…。

 想像してみてくれ、何も知らない純粋無垢な妹に真顔で「なんで、女の人がみんな裸なの?」って聞かれた時のことを…。多くのお兄ちゃん達がその瞬間、死にたくなった事だろう、さっきも言ったが俺も思った。


「まあ、そう言うことだ」


 そう告げて階段を上る。


「ちょっ…待て!兄―――」

「ただいま~」

「ぎゃああぁぁ!?お袋!?」


 どうやら、お袋が買い物から帰ってきたみたいだ。なんて運のない奴、南無…。そう心の中で呟き部屋に戻った。









side京介









「……危うく、社会的に死ぬ所だった…色々あらぬ誤解をされたがこのさい良しとしよう。



 てか、この『星くずうぃっちメルル』って書いてあるDVD ……誰のだよ。


「親父…は一番縁遠いし、お袋も違うだろうし、桐乃…も恐らく白。兄貴……はどうだ?」


 まあ、兄貴も違うだろう。もし、兄貴の物ならばあの場であんな事は言わないだろうし…。


「……それじゃあ、いったい…」


 「う~ん」と考えるが答えが出るわけがない。とりあえず、中身を確認しておくか…。


「………」


 中を確認してすぐに無言で閉じてもう一度パッケージを確認し再び中身を見る中には『妹と恋しよっ♪初回限定版(R18)』と書かれたDVD-Rが入っていた。

 それから、何度か見比べてみて思った。


「俺も、よくやるんだよなぁ。CD取っ換える時につい身近のケースに入れちまって、中身シャッフルしちまうことが―――てゆうか何だよ!!妹と!?恋しよ!?しねぇよ!!俺に何を求めているだっつうの!しかもR18ってエロゲーじゃねぇか、チクショー!!」


 一通り叫ぶと少し冷静になり再びベッドに腰掛け考えてみる。もし、これが家族に見られていたら……。

 想像しただけでも恐ろしい。つまり、これは俺が最も持っていてはいけない(ぶつ)ってわけだ。


「京介、ちゃんと勉強してる~?」

「きょおえぇぇぇー!?」

「……ごめん、なんかタイミングが悪かったわね」

「違っ!!違わないけど、違う!!」



 いきなり、入ってきたお袋が慌てている俺を見て何かを悟ったみたいに顔を赤らめて視線をそらす。


「京介も男の子だものね。次からは、ちゃんとノックするから…」


 一言言い残しパタンとドアを閉めた。
また、お袋にあらぬ誤解を生んでしまった…。まあ、そういう本は持っていてちょくちょく見ているのは事実なのだが…。


「ちっくしょ~っ!こうなったら意地でも真犯人を見つけてやる!」









 side雄夜









「……なに、奇声あげてんだ?京介の奴」


 部屋でパソコンに向かっていた俺の耳に京介の部屋から聞こえた奇声に疑問を浮かべていた……弟よ、何がお前にそんな声を出させてるんだ?

 その時、携帯が鳴った。ディスプレイを見ると友達からだった。


「もしもし、なんか用か?………はぁ?ちょっと出てこいって今からか?…………わかったわかった、行くよ行けばいいんだろ。だけど、顔だしたらすぐ帰るからな」


 携帯を切り部屋着から外行きの服に着替える。そして、お袋に一言告げ家を出た。









 ◇◇◇◇◇









「たくっ、コンパの数あわせで呼び出しやがって!俺はそんなの興味ないっていつも言ってんのに…」


 日も暮れてきた頃、家路につきながらぶつぶつと文句を言う。
なんでも、俺がいると場が華やかになるんだとよ。


「ただいま~………って何やってんだ?桐乃」


 家に入ると玄関で髪は茶髪、爪にはマニキュア両耳にピアス中学生には思えない大人びた雰囲気、顔は丸顔だが俺が言うのも何だがかなり可愛い。そんな我が妹、桐乃(14歳)が座り込んで何かを探していた。


「べ、別になんだっていいでしょ。あんたには関係ないじゃん!」

「まぁ、そうなんだけどな」


 そう言い残して桐乃はリビングに入っていった。残された俺は頭をひとかきして「はぁ~」と溜息をつき靴を脱いで部屋に向かう。

 ちなみに先ほどの桐乃の態度が今の俺と桐乃の関係を物語っている。思春期のせいか俺や京介に対しては常にあんな態度……いや、京介に至ってはここ数年まともに話しているところを見たことがない。









 ◇◇◇◇◇









「俺、後でコンビニ行くけど何かある?」

「それじゃあ、アイスお願い」

「あ、俺も、ハーゲンダッツの新作を頼む」


 家族で夕食を食べている途中に京介が聞いてきたので頼む。最近出たんだよなハーゲンダッツの新作、何の味かは忘れたけど。


「そう言えばさ、友達が最近女の子向けのアニメにはまってて…確か、ほしくずなんとかってやつなんだけど」

「それって、星くずういっちメルルだろ?」

「そうそう、それそれ」

「なんなのそれ?」

「最近テレビでしている子ども向けのアニメだよ。俺の友達も何人か見ているやついるし、俺も何度かすすめられた」


 お袋が聞いてきたので答える。まあ、俺もそんなに詳しい訳じゃないけど…。


「そう言うのって、オタクって言うんでしょ?あんた達はあんな風になっちゃ駄目よ。ねぇ、お父さん」

「ああ、わざわざ自分から悪影響を受ける必要もあるまい…」


 親父は刑事をしているせいかそういうこととかにはかなり厳しく偏見を持っている。俺は、別にそこまでは思わない…だって、親父もお袋もよく知っている俺の幼なじみがそのオタクなのだから…実際、メルルを見るようにすすめてきたのはそいつなのだ…ん?そう言えばさっきから、桐乃の様子がおかしいが……どうしたんだ?









◇◇◇◇◇









 side京介









「さ~て、コンビニに行くか」


 俺はわざと桐乃に聞こえるように言ってから玄関で靴を履き外に出る。まあ、こんな子供だましに引っかかるわけ―――


「!?」


 そう思い一応自分の部屋を確認すると明かりが付いた。桐乃の奴どんんだけ解りやすいんだよ…。

 俺は、桐乃に気づかれないように家に戻り自分の部屋の前に立つ。そしてドアを静かに開けるすると、そこには思った通り桐乃がいた。しかも、ベッドの下を探してるし…。


「……おい」


 ソッと静かにドアを閉めてから声をかけると驚いたのか身体がビクッと一瞬はねる。


「なにやってんだよ、お前…」

「何だっていいでしょ」

「よかねぇよ!ここは、俺の部屋だぞ!」


 そう言い返すと桐乃は無言でこっちに向かってくる。


「……どいて」

「質問に答えろよ」

「どいて!」

「………探していたのはこれだろ…?」


 上着の内ポケットから例のDVDを取り出し桐乃の前に突きつける。すると桐乃はDVDに飛びついてくるが、俺は取られないように腕を振る。


「やっぱり、お前のだったのか」

「はぁ!意味わかんない!あたしがそんなアニメ見るわけないでしょ!」

「セリフと行動が一致してないぞ、お前!」


 そう言うと、桐乃はDVDを取るのをやめる。


「これが目的じゃなかったら……お前、ここでなにやってたんだよ?」


 桐乃は「それは……」と押し黙ってしまう。まあ、俺がこいつの立場だったら「このDVD
は自分のです」なんて、死んでも言えねぇ。しかも、それが嫌いな兄貴なら尚更だ。
俺はそんな桐乃をジッと見つめる。すると桐乃と目が合う、若干睨んでるけど…。


「……ほらよ、返すよ」

「だ、だから、あたしのじゃないって―――」

「なら、代わりに捨てといてくれ」

「はぁ?」

「わるかった。俺の勘違いだった。これは、お前のじゃない。けど、俺が持っていてもしょうがねぇからよ。代わりに捨てといてくれ……頼むわ」


 桐乃にDVDを渡して、ドアから離れてベッドに腰掛ける。桐乃は「別にいいけどさ…」と言って部屋から出て行こうとするが―――


「―――――かしいと思う…?」

「はぁ?」

「だから!た、例えば、あたしがこういうの持ってたらおかしいかって聞いてんの!」

「別に、いいんじゃねぇ」

「本当…?」

「ああ、お前がどんな趣味持っていようが、俺は馬鹿にしたりしねぇよ」


 そうだ、別にこいつがああいった趣味を持っていても俺には関係ない。


 「……そっか……ふ~ん…」


 そう呟くと桐乃は部屋から出て行った。まったく、何がやりたかったんだよ…。








 ◇◇◇◇◇









 side雄夜









「何やってんのよ!!あんたは!」


 この声は、桐乃か?何騒いでんだよ…。


「お前こそ、俺に何やらせてんだよ!」


 それと、京介か?二人で何やってんだか…………ん?二人?珍しいなあいつらが一緒にいるなんて…まあ、仲が良いことは良いことだけど時間を考えてくれよ…。それと、人の安眠を妨害するのはどうかと思うぞ…。 
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