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吸血鬼の真祖と魔王候補の転生者

作者:黒い子供
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第1話 真っ白?神様?チート?テンプレです

 
前書き
この作品は、以前小説家になろうで掲載していたものに修正を加えて再掲載したものです。

小説情報に書かれた注意事項に同意できた物好き?な方々にお楽しみいただければと思います。

それではどうぞ。 

 
「・・・・・」

やぁ皆さん。おはよう・こんにちは・こんばんは・ごきげんよう。

私はしがない小市民A(女)よ。

え?なんで名前を名乗らないって?

だって私、名前だけ記憶が無いのだもの。ついでに体もない。

気が付いたら辺り一面真っ白な空間。

自分はふわふわ浮いた、光の玉みたいになっていて。

あ、ちなみに動ける。現在進行形で飛んでいる。

ふぅ・・・これはあれね。

私の大好物である二次創作系の始まりね、わかります。

まぁ、読むぶんには良いのよ?

だけどね、実際自分がなってみると、やることはひとつ。

動きを止めて、すぅっと大きく息を吸い込んで(肺どころか体無いんだけど)

「ここどこーーーーーーーーーー!私はだれーーーーーーーーーー!」










「ふぅ・・・酷い目にあったわい」

そう言いながらイスに腰掛ける白い髪に白いお髭、白い服のいかにもなお爺ちゃん。

「神にダメージ与える一般人なんぞ、そうはいないぞ」

実は全身にダメージを負っている。

この光る玉、物理的ダメージ与えられるのね。

具体的には、某超野菜人の何番目かが「チョコになっちゃえ~」でチョコになり、チョコにした相手をボコボコにした感じ。

さすがに喉は突き破ってないわよ?グロイし。

そんな訳で、部屋に入ってきた神様に開幕速攻でO☆HA☆NA☆SHIを発動させた私。

今は机を挟んで、対峙してるわ。

「それで、どういうことなのかしら?」

「ん?まぁ、簡単に言うとじゃな・・・お主、神にならんか?」

「・・・・・・そういうお誘いは、美人な女神様とかのほうが私的には嬉しいのだけど。具体的には主神に仕える三女神とか。」

「いやいや・・・別に最終戦争起こすわけでもないし起こってもおらんから。当代の天界の主・絶対神ゼウス様と、魔界の主・大魔王サタン様、親友じゃから」

ちょ、え?親友ってなにそれ。天国と地獄・・・じゃなくて魔界って最も相容れない存在じゃないの?

「天界は理性を徳として、魔界は本能を徳とする。それだけじゃよ」

「・・・ナチュラルに思考を読まないでちょうだい」

「これでも神での・・・というよりお主、思ったほど取り乱さないの」

「何を白々しい。記憶の欠落、体を改造?までしておいて。大方話をしやすいように、理解力やらも手を加えているのでは?」

「本当に恐ろしい奴じゃな」

「それで?神になるとは、どういうことなのかしら?」

「うむ、この世には天界と魔界が1つずつ存在する。それぞれを絶対神・ゼウス様と大魔王・サタン様が治められていて、その下にワシの様な神や魔王が存在する。その更に下が天使や悪魔じゃな」

魔王が複数って・・・世の中の勇者様?泣いちゃうよ?

「そして神や魔王が管理者として管理する人間界が数限りなく存在する。そなたら人間の言葉でいえば、並行世界・パラレルワールド・外史などじゃな」

本当にあるのね、並行世界。これは神様に頭弄って冷静でいられるようにしてもらって正解ね。ご都合主義感謝。

「最近、その人間界の数が急速に増加し、管理者の手に余る事態が生じてきたのじゃ」

「それで私を神に?というか神ってそんなに簡単になれるものなの?」

「普通は無理じゃ。そもそも天使や悪魔は、人間が輪廻の間に魂を鍛えてなるのじゃ。これだけで軽く500年。まぁ人生5回転生したらなれるかも?くらいじゃな。その後、より多くの時間を賭けて神や魔王にレベルアップ・・・というのが基本の流れじゃ」

その間にも新しい世界・新しい命・新しい魂が生まれるから、天使や悪魔が増えても普通の人間が減る事はない、と。それにしても、無から有を生み出しまくってない?真理に喧嘩売ってない?あの黒いにょろにょろ出てきちゃうわよ?

「ところが極希に、突然変異していきなり管理者クラスの格を得る魂があるんじゃ。それがお主じゃ」

おおっと。眠りについた神や魔王の魂とかそんな流れすらぶった切ったよ私の魂。突然変異っておい。

「まぁ、人手不足に加えて私がそれを手伝う資格があるのは分かったわ。それで具体的には何をさせたいの?」

「最初の数回は人間界の1つに行ってもらう。そこで管理者として物語の終わりまでを見届けてもらう。慣れてきたら複数の世界を管理してもらうことになるじゃろ」

「物語?」

「世界、つまり人間界には何かしらの目的・物語がある。お主のよく知る二次創作のように、原作を物語にしていたり、お主の居た世界のように科学技術が発展しすぎて最終的には人類自滅・・・という物語もあるの」

おい!自滅って!ただの滅亡よりたち悪い!人類自重しろ!核?核なの?

「まぁ実際には、静観し事態の推移・物語をただ眺めるもよし。一部の例外を除けば、積極的に介入して原作ブレイクをするもよしじゃよ」

「自由なのね」

「管理者のスタイルはそれぞれに委ねられておる。必要なのはどんな形であれ物語を進める事。世界が増え続けると、最終的に全部混ざり合って消えてなくなるからのぅ」

「・・・なんかとんでもないこと聞いた気がするけど流すわね。それより質問なんだけど、天使や悪魔になる条件って?」

「生前に理性と本能、どちらを優先させたかじゃな。理性ならば善を積み天使に近くなり、本能ならば悪を積み悪魔に近くなる。そのまま何回も転生すると天使や悪魔になる。まぁ、ここでの善悪は一義的ではない。悪といっても犯罪行為から色欲・強欲などまでピンキリじゃよ」

「・・・私の性格やら性癖的に魔王の方がいいんじゃないかしら?」

「それなら心配ない。今のお主は、魂の格は手に入れたが善悪どちらにも染まっておらん。数回管理を続けるうちにどちらかに染まるじゃろ。その結果悪に染まるなら魔王として魔界で暮らすことになろう。」

「あれ、いいの?というか魔界ってどんなところよ?」

「わしらにしたら管理者が増えればそれだけ負担が減るのでな。神であろうと魔王であろうと関係は無いのじゃ。天界と魔界の関係も良好じゃしの。魔界も、犯罪を犯した者の転生先としては文字通り地獄じゃが、色欲程度ならむしろ願ったりかなったりじゃないかの?」

「・・・何だか、都合の良い想像をしてしまったのだけど」

「生前色欲の強かった者なら、その魂は大抵夢魔の下へ送られるの。そこで毎夜くんずほぐれつ・・・」

「さぁ!きりきり話を進めましょうか!」

「お主、存外分かりやすいのぅ。やはり魔王かの。まぁ魔界の方には女の色欲系魂が多く行きそうだと言っておこうかの」

「ちょっと!確かに私は自称真性のレズビアンでドのつくサディストだけども、とっかえひっかえなんかしないわよ!」

「少しはオブラートに包むとかしないのかの?というか自称?」

「別に隠すほど恥ずかしい事じゃないもの。まぁ変わっているとはよく言われるから認識はしてるけど。自称はまぁ、本気でその道を進む人には鼻で笑われるような・・・あくまで一般人基準での、という意味を込めてよ」

「まぁそれはそれとして。・・・女だらけの孤児院で育ち、女子高・女子大出身。先輩・後輩・同学年問わず多くの女生徒を跪かせ、視線を向けるだけで相手の頬を染めさせ可愛がる様についた渾名が女帝。もっとも多感で排他的・危険な中学時代は、苛められる前に多くの女生徒どころか女教師までも味方に取り込み逆に付け込もうとした男子を言論で封殺。クラスを掌握後学年、学校全体まで手を広げる・・・まだ続けるかの?」

「ちょっと誤解を招く言い方じゃない?確かにちょっとハーレムっぽいことはしてたけど、本当の本気で関係を結んだ子はごく一部よ?全員等しく最大限に愛したしね」

「まぁ確かにの。その辺で歪んでおれば、いくら格を持っているからと言って管理者になどせんよ。現にお主と関係を持っていた者も順調に幸せになっておるしの。お主と関係を持っていた者の中で、初めて男と結婚する者が出た時は内心かなり複雑だったようじゃがな」

「それはそれ、これはこれ、よ」

「ふむ、まぁよい。なんだか色々話も逸れたし、途中受ける前提で進めてしまったがどうじゃ?この話、受けてくれるかの?」

そう言いまっすぐ視線を向ける目の前の一見お爺さん。しかしその実、素人の私でもわかるオーラを身に纏っている。

だからこそ、先ほどの色ボケ会話と思考を切り離し冷静に考える。

「最後に2つ質問。元の世界と私の関係がどうなるか。それと何故名前の記憶を封じたか」

「元の世界のお主の存在は抹消される。元から居なかったことになる。お主と関係があった人間については、現状に一番合った状況に世界が勝手に修正する。男の恋人がいたり、独り身ならそういった関係が元から無かったことになり、同姓のパートナーがいるなら条件にマッチしたお主の代わりとなる存在と関係を持っていた、などじゃな。名前はその存在をもっともよく表す。お主が名前を覚えているとこの世界に留めるのが難しくなるのじゃ」

打てば響くように返ってくる答え。

正直この時点で現実世界への未練は殆どない。

孤児院育ちのため肉親その他が居ない。

お世話になった孤児院ともしばらく連絡を取っていない。

同じく学生時代関係を持っていた子たちとも卒業を共に疎遠になっている。

社会人半年で分かった風な口を聞くなと怒られるかもしれないが、この先数年、数十年、仕事を覚えてしまえば単調な、平凡な一市民としての生活が待っている。

さっきの色ボケ会話も大部分魅かれるものがあるが、それを抜きにしても好んで読んでいた二次創作物の展開。

そういえば・・・

「こういった展開なら、神様からなにかしらの能力がもらえたりするのかしら?」

「もちろんじゃ。世界の管理者となるからには何であれ力を持たねばならぬからな。ついでに言うとよくある制限などもない。お主の望む力を望むだけ与えよう。加えて不老不死はデフォルトじゃ。」

気前の良いことだと感心する。

そこで一旦心を落ち着けて、もう一度話を精査する。

そうして心を決めると、意識を神に向けはっきりと宣言する。

「その話、受けるわ」










「ふむ・・・まずはありがとう、と言っておこうかの」

「気にしないで。私にとっても刺激的な生活という意味で利のある話よ」

「それではさっそく与える力について話し合おうかの。まずは姿と名前じゃな」

姿と名前・・・不老不死、言うなればこれから永遠に等しき付き合いになる・・・慎重に選ばないと。

と言っても候補はすでにある・・・最初の姿がこの光球の時点で姿を変えるのは予想出来ていたし。

と思っていたら・・・

「まぁ管理者としてある程度力を付ければ、姿を変えることも出来るんじゃがな。それでも世界に入り物語を完結させるなら早くて数年、下手すれば数百年もありうるのでな」

あっさり変えられる宣言。さすが神。そう言えば・・・

「まだ、どんな世界に送られるか聞いてなかったわね」

「ん?あぁ、そうじゃったな。最初に行ってもらうのは『魔法先生ネギま』・・・のような世界じゃ」

・・・?のような世界?

「ずいぶん曖昧な表現ね」

「うむ、いくつかの要因が混ざり合った結果、原作にある事が無かったり、逆に無い事があったりするようじゃな。お主、原作知識は持っとるか?」

「いいえ、アニメと二次創作関連で調べた知識だけね。原作自体は読んだこと無いわ」

「ふむ、能力として授けることも出来るが?」

「・・・いいえ、いらないわ。別段そこまで知りたいとも思わないし。知らないなら知らないで楽しめるしね」

「そうか・・・して、どうする?」

「決めたわ。小説『レイン』シリーズのシルヴィア・ローゼンバーグの容姿にして頂戴。ただし、原作は15~6歳風の美少女だったから、私の年齢22歳相当の美女に、具体的には身長やスリーサイズを引き上げて頂戴。名前はそのままシルヴィアで。」

「お主・・・本当に欲望に忠実じゃな」

「当たり前じゃない、貰えるものは貰う主義だもの。本当は某4丁拳銃で天使狩りする魔女や、帝国の蒼き魔女、1000年生きた大召喚士様なんかと迷ったのだけれどね。」

「まぁ、お主の性癖には4人ともぴったりじゃがな」

迷った3人だと、全身ラバー・軍服・ほぼ下着姿が一番マッチするのが最大の障害ね。軍服はまだ違和感少ないけれど。普段着から苦労する。

それにこの3人だと可愛い服装が難しいという難点があるし。

何よりネギまの世界=魔法使いならキャラ的にぴったりでしょ。

生き様も素敵で憧れるしね。

個人的意見から言えば是非レインとくっついて欲しいと思う。

「その年でまだ可愛いを・・・あだっ」

神様・・・年齢は関係ないのよ。

女の理想はいつでも可愛く美しく!

不適切な発言の神様にはチョコアタックをお見舞いよ。

「いたた、まったく。・・・ほれ」

神様が手をかざすと、一瞬光で視界が塞がる。

視力が戻ると目の前には大きな鏡があり、そこにはバスローブに身を包んだ100人いれば100人が同姓・異性問わず美人と答えるだろう人が映っていた。

バスローブを脱ぎ、近づいてよく観察する。

豊かな銀髪はまっすぐに下され、腰まで届き艶やかに光る。

身長は女性にしては大きい方かな。おおよそ170cmくらい。

大きな瞳はサファイアブルー。ここは原作と違うが、大人びた風貌によくマッチしている。

顔の造形は原作通り、神が作った彫刻のように整っている。

全体的に見ても、原作のシルヴィアを成長させればこうなるだろうことは容易に想像できる完成度だ。

次に視点を下げて首や胸元、手や腕に向ける。

キメの細やかな、健康的な白い肌。

肌触りがシルクのような・・・というのはこういう肌を言うのだと実感。

ぺたぺたと肌を撫でながら、両手は大きく膨らむ女性の象徴へ。

「・・・んっ」

現実世界・・・もう魔王になる事を選択した私にとって前世よりも大きな胸を、自分の胸でありながら少々羨ましげに揉む。

感度の良さに危くスイッチが入ってしまいそうになるがここは自重。

推定Eカップの胸は私的理想のど真ん中。

大きいのだけど大きすぎず、指が沈む。柔らかいのに張りがある。

女の身でありながら常々疑問に思っていた矛盾。正しく人体の神秘。

肌の細かさと相まって、触る分にもとても気持ちいい。

特に自分にこう言った女体特有の柔らかさを持たない男性が胸を重視するのも分かる気がする。

そのまま視線を下に向ける。

きゅっと引き締まったウエストにほどよく突き出したヒップ。

引き締まった太ももから続く長い脚線美は、高い腰の位置も相まって鏡の前で回り後ろから眺めても綺麗の一言。

全身のチェックを終えバスローブを着こむと、音に気付き、脱いだ辺りから後ろを向いていた神様が振り返る。

「どうじゃった?」

「最高の出来よ。さすが神様」

「それは重畳。それにしてもお主、羞恥心は無いのか?」

「神様ならその手の欲は少ないのでしょ?それにこれだけ綺麗だと気にならない・・・というか見せびらかしたいという思いが出てくるわね。ナルシストの人ってこういう気分なのかしら」

「一応男の目にさらしても気にならんのか?」

「あれ、言ってなかったっけ?私は確かにレズビアンだけれども、別に男嫌いってわけじゃないもの。興味が無いだけで。だから別に見られても気にしないわ。まぁ、この先も男を好きになる事はないでしょうけど。だから自称・真性なのよ。」

「なるほどの。まぁ、満足してもらえたならよいが。次はどうするかの」

肉体を得た私は神様に向かうようにイスに腰掛け、目の前に現れた紅茶を飲んで思考を回転させる。

「そうね・・・まずは手堅くステータスMAXで行きましょう。肉体的・精神的全能力を上げて頂戴」

「本当に容赦ないの・・・」

「私の好きな言葉・・・粉砕!玉砕!大喝采!だから」

「・・・もう何も言わん・・・ほれ」

神様がまた手をかざし体が光る。しかし今度は目に見えて変化が無い。

しかし立ち上がり体を動かすと変化は一目瞭然。

軽く走ってみたり、飛んでみる。手近なものでイスを掴み振り回してみる。まるで小枝のように振り回す事が出来る。

頭の回転も早くなった気がする。体を動かすのと同時に状況判断なども多角的に行える。

「すごいわね・・・具体的なスペックはどうなのかしら?」

「そうさの・・・肉体的には大抵の世界で最強種に認定されている龍族の中でも、更に強い古龍種を片手で屠れるのう。管理者としての不老不死に加えて超再生、首を落とされても心臓を貫かれても次の瞬間には再生するぞ。まぁ、そもそも体を上手く使えるようになれば、硬化で攻撃が通らなくなるがな。精神的、頭脳的に言えば、MITの首席が赤ん坊に思えるくらいの能力かの」

「・・・へぇ~、さすが神様」

龍族を片手って・・・それにMIT・マサチューセッツ工科大学の首席って言ったら、おおよそ世界でもっとも頭が良い人ってことにならない?厳密には違う場合もあるかもしれないけれど、それでも世界で十指には入るわよね・・・。IQ換算?250くらいだって。

まぁ、貰えるものは貰う。うん、次ね。

ネギまの世界なら、気と魔力ね。

「気と魔力の総量、それを完全に扱う事が出来る才能、あらゆる技術を短期間で効率よく習得できる才能を頂戴。後は前世の世界の一般知識を一通り。」

「ふむ・・・ほれ。総量はエネルギー換算で地球5つ分。才能と一般知識だけでいいのか?このままじゃと技術が無いから、下地がすごいだけの一般人じゃぞ?」

「序盤はチート能力ごり押しで生き残り、その間に自分で身につけるわ。こればっかりは自分で学ばないと本当の意味で使いこなせないし。何より一から学ぶのも楽しそうだしね。」

「ほう・・・他にはないのか」

「エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルの不老不死を何とかする方法」

「・・・・・・残念ながらそれは無理じゃ」

制限無しと言っておきながら無理・・・という事は

「それが一部の例外ということかしら」

「そうじゃ。原作がある世界では、開始時点に登場人物が絶対に揃わない状況に陥ると世界が崩壊する」

「それじゃぁ、たまにあるアリカ女王を寝取って薬味が生まれない状況を作ると?」

「またコアな設定じゃな、しかも女の身で寝取るって・・・まぁ崩壊するな」

重要なのは、登場人物が揃う事。それなら状態は関係ない?

「彼女の不老を一時的にでも抑える方法は?」

「それならあるが・・・」

「じゃぁそれを頂戴。女にとって、いつまでも成長しないってのはきついもの。お洒落も出来ないし」

「よかろう。方法は向こうに行ってすぐ、魔法を学んだときに入手できるよう手配する。」

「それじゃぁ、最後に1つ」

言葉を区切ると一旦目を閉じ深呼吸。

最後の迷いを捨てると、正面の神様を見つめはっきり告げる。

「殺しの覚悟を得る手段」

「ほう・・・」

「神様ならちょっとの時間が100年位になる部屋とかあるでしょ?猫の姿をした神様の部屋的な。貸して頂戴」

「あるにはあるが・・・急じゃのう」

「どうせこれから色々な世界に行くのなら遅かれ早かれ殺しは経験するでしょう。さっきので分かっていると思うけど、私は1400年ごろの地点から介入するから」

吸血鬼の真祖(ハイ・デイライトウォーカー)と共に、か」

「ええ、だから殺しも出来るようになっておく必要があるの。技術はともかく・・・心が折れないように」

「・・・・・・よかろう。その扉から進むといい」

そうして神様が手をかざすとどこからともなく扉が現れる。

そして私の服装も、全身をぴったりと包むウェットスーツの様な格好に。

手には両刃の長剣。

「ありがとう神様。とりあえず100年位籠ってみるわ」

「ああ・・・」

言葉少ない神様を安心させるように微笑むと、扉を開ける。

そうして私は新たな、刺激的な生活に繋がる一歩を踏み出した。
 
 

 
後書き
皆様ごきげんよう、作者の黒い子供ことクロでございます。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

それではまた次回。 
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