おぢばにおかえり
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95部分:第十三話 詰所へその九
第十三話 詰所へその九
「教祖へのお供えだってあれでしょ?」
「いつもお菓子お供えしていますよね」
「そういうこと。食べ過ぎなければいいし」
「そうなんですか」
「それにしてもちっちは」
私の方をまたちらりと見ての御言葉でした。
「乳製品関係のお菓子を食べ過ぎじゃないかしら」
「それはその」
「だから小さいのは気にしなくていいの。おぢばじゃ普通なんだから」
「まあそれはその」
返事に困っちゃいます。どうしても。
「背が低くても男の子はゲットできるし」
「それさっきも言われましたけれど」
「全部お引き寄せよ」
こうも仰います。
「だからね」
「コンプレックスは持つ必要ありませんか」
「少なくとも外見には」
またおみちらしい感じの言葉になってきました。
「わかったわね」
「難しいですけれど」
はっきりと言いますと。背も胸も気になって仕方ないです。
「何時かそれもまた」
「克服はできるしね」
先輩に言われても、ですけれど。本当に街歩いていたらアイドルの事務所から声がかかっても不思議じゃないような人ですから。
「少しずつ」
「ですか」
「まあ話はこれ位にして」
先輩はまた私に声をかけてきてくれました。
「何か食べましょう。私のお父さん達とお話しながらね」
「はい。そういえば」
ふと私は考えました。
「先輩って御兄弟は」
「いるわよ」
天理教の人は子沢山の人が多いんで。何人もおられるのが普通です。
「お兄ちゃんと弟と妹がね」
「四人兄弟なんですね」
「普通じゃない?」
天理教では普通です。もっと多い人だっています。
「これって」
「ですかね。私は三人ですけれど」
「そうした話もしたいし。それじゃあ」
「はいっ」
私は先輩の詰所に入れてもらいました。そうしてその中でお菓子を頂きながら楽しいお話をしました。ゴールデンウィークの中の楽しい一日でした。
第十三話 完
2008・1・22
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