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ゲート自衛隊 超化学提督物語

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各国は相変わらず混乱しています。ですが当事者は気にしていません。

アメリカ合衆国には、まるでSF映画のような民衆に認知されておらず、一部の政府機関にしか存在が知られていない秘密基地がいくつも存在する。その基地名はエリア〇〇と言われており、その秘密基地の一つに大統領であるディレルを含めた陸海空や海兵隊の高官達が集まっていた。それは、これまで地球国家に対して不干渉を貫いていた銀河連邦よりアメリカを含めた複数の国より秘密裏に、銀河連邦基準からすれば旧式であるがいくつもの兵器が研究用として無償提供されていた。

これは銀河連邦政府が地球国家に対する考慮であった。銀河連邦政府は日に日に高まる技術提供や国交樹立や留学生受け入れという地球国家達の要望にうんざりしていた。そこに韓国のあからさまな挑発行為は銀河連邦の国力を理解していない地球国家に対して絶好のアピールする機会だった。実際に銀河連邦の圧倒的な武力で韓国は滅亡した。半信半疑だった銀河連邦の武力が本物であると実感した地球各国は戦慄した。銀河連邦は強烈なムチを地球各国に浴びせたが、しかし何事にも匙加減も必要であり、必要以上にムチを浴びせる事は各国の暴走の可能性があるためアメも必要と銀河連邦政府も認識している。そこで地球各国の中でも大国で、そして数多くある中小国のブレーキを担う国家限定に研究目的用に極秘裏に、銀河連邦では旧式であるがいくつかの兵器を無償提供したのだ。

「まるでスター〇ォーズのような兵器だな」

ディレルが秘密基地の格納庫に、銀河連邦より提供された兵器の一つ。AT-ATであった。銀河連邦設立前の銀河戦国時代の王政国家勢力の王政惑星連邦勢力圏の地上用戦闘マシーンである。固定武装に顎部の重レーザー砲二門とこめかみ部分に連射ブラスター二門という合計4門という高い攻撃力が自慢の兵器である。足は四本の多脚型の戦車で全長も20メートル以上もあり、その威圧的な戦闘フォルムはまさに地上の支配者といっても過言ではなかった。

このAT-ATは現代でいえば主力戦車や、大勢の兵士を輸送する装輪装甲車のような役割の兵器であった。実戦配備された当初は並大抵の攻撃ではビクともしない重圧な装甲とシールドによって、王政惑星連邦地上軍を代表する陸上の支配者であった。

「スター〇ォーズのようではなく、本当に瓜二つのような兵器ですよ閣下。」

アメリカ陸軍高官がそのように呟く。

「それで、この兵器は本当に使えるのかね?」

ディレルは秘密基地の解析責任者である男性に質問する。

「このスター〇ォーズのような兵器は紛れもなく我々からすれば驚異的な兵器であると断言します。」

「それは何故かね?」

「簡単に説明しますと、この兵器に対して通用する兵器は核兵器を除いてアメリカ軍に存在しません。」

あまりのとんでも発言に多くの軍関係者が驚く。

「いくら何でもそれはないだろ」

「いえ本当です。まずこの兵器に搭載されていますシールドがとてつもなく強固であり、この兵器の全体の防御力の要と言っていいでしょう。シールドだけでも厄介ですが、この兵器事態の装甲も最新式の戦車の装甲を遥か上に位置するだけでなく、現在使用されている戦車の装甲よりも遥かに硬く軽量でもあるのです。武装も脅威であり、まだ試射もしていませんので断言できませんが、レーザー砲の威力は理論上は、これに耐えうる現代兵器が存在しません。もしこの地上の化物が一機だけでも暴れたらアメリカ陸軍の総兵力を壊滅させるだけの力はありますよ」

簡素な説明だが、秘密基地の兵器研究者の言葉の一つ一つはとても重い。専門家の意見からこのように出るだから余計にディレルや軍部高官達の肩に重くのしかかる。

「君の意見はわかった。なら率直に聞こう。この地上の支配者ともいうべき兵器は作れるのかね」

「無理ですね。パーツの一つ一つが現代科学では再現出来ないほどの高品質部品で構成されていますから」

「ならば再現は不可能だと?」

「完璧な再現はどの国でも不可能ですが、しかしこの兵器に搭載されてるレーザー砲やシールドの再現は不可能ではありません。長い時間はかかるかも知れませんが、このオーバーテクノロジーを一部ですが応用は可能です」

同じ物は作れないが、一部ではあるが再現は可能と言われて軍部高官達はホッとする。何しろ銀河連邦から提供されたオーバーテクノロジーはアメリカだけではないのだ。アメリカ同様に大国にも研究目的に無償提供された兵器がいくつもあるのだ。もしここで技術応用が出来なければ、アメリカの優位は簡単に崩れてしまうからである。

各国は銀河連邦から提供された兵器を研究して、現代科学ではほぼ再現不可能な程の高い技術力に驚くばかりであった。各国は何としても銀河連邦より提供された兵器を研究して銀河連邦の強大さを改めて理解するのであった。

ーーー。

「今日は本当に秋葉原を案内してくれてありがとう。今日は俺の奢りだから好きなだけ注文してくれ」

「「あざっす!」」

銀河連邦の艦隊司令官のタロウ・ヤマダ中将と、銀河世界で何かとタロウの世話になった伊丹洋司と、その伊丹洋司の奥さんである梨沙と一緒にチェーン店の居酒屋で乾杯していた。

「悪いね洋司。奥さんと一緒の休暇を潰してまで秋葉原を案内役をさせちゃって」

「いやいいですよタロウさん。俺も梨沙も大して気にしてないから」

「そうそう!秋葉で大量購入したドールグッズもタロウさんのおかげだし、タロウさんマジでありがとうございます」

グヘへと何やら危ない笑みを浮かべながら呟く梨沙に若干だが恐怖を感じるタロウ。というか普通に考えて地球世界に対して銀河連邦政府より事実上の責任者を任せられているタロウが普通に日本のサラリーマンが普通に利用するような居酒屋でオタク夫婦と一緒に飲んでいる光景はかなりシュールであるが、タロウは気にしていなかった。

そもそもどうしてタロウが地球世界の日本にいて、普通に居酒屋で伊丹夫婦と一緒に酒を飲んでいるのもタロウもどうしようもない理由からであった。

「いつまでもこんな娯楽が少ない宇宙船の中で休暇もなしで仕事を続けられるかあああ!!」

地球各国に対する対応と、その対策に対する対策書や上層部に逐一報告する毎日に、歓楽街のある惑星にいつまでも帰れない状況が続いてストレスが溜まってタロウがぶちぎれたのである。そこで何が何でも休暇を満喫すると断言して、そこで比較的に近い地球世界の日本で観光する事を強引に決めたのだ。

だが、銀河連邦より地球世界に対する外交や取り決めに対しての最高責任者でもあるタロウの突然の日本訪問は日本政府は困惑した。タロウ自身はストレス発散の観光目的だが、日本政府としては護衛もなしに高級士官の日本観光は勘弁してほしかったのである。万が一にタロウの身に何かがあったら、銀河連邦より日本に対してどんな制裁が加えられるか想像しただけでも恐ろしいからだ。実際に銀河連邦の逆鱗に触れて隣国の韓国は滅亡し、韓国の制裁が終了したら直ぐに撤退した直後に北朝鮮が韓国を占領して朝鮮半島は統一朝鮮民主主義人民共和国となったのは日本政府にも日本市民にとっても記憶に新しいからだ。

だが、タロウはいい加減に艦艇に閉じ込められた状態が続いて我慢の限界に来ていた。休暇をもらっても歓楽街のある惑星に降りる事もできなく、基本的に艦艇で過ごす事には変わりなく、地球に訪れる理由もやりたくもない各国大使との交渉であるからだ。溜まりにたまったストレスを発散する為に、タロウの趣味の一つである地球時代のアニメやグッズを購入するために、日本の秋葉原を観光を決意した。しかし、日本政府は観光は構わないが、せめて護衛をつけさせてくださいとタロウにお願いした。

「大丈夫ですよ。うちの秘書アンドロイドが護衛してくれますから結構です。」

「いえ、ですからこちらが用意した護衛をつけさせてください……(汗)」

「嫌です」

簡単に言うとこんなやり取りがあった。

タロウとしては知らない人間がついてきてははせっかくの休暇が潰されてしまうと考えて日本政府が用意した護衛を拒否したが、日本政府はそこを何とかとタロウに護衛をつけさせる許可をお願いした。万が一にも他国の人間がタロウに危害を加える可能性もあるので、日本政府としては世界各国にとって重要人物が襲われる事態となる事は避けたいと思うのが本音である。タロウに危害を加えれば、危害を加えた国は滅ぼされる事は前提であった。何しろ無茶苦茶な要求を請求した韓国が銀河連邦によって滅ぼされているので、各国としても韓国の二の舞は避けたいからだ。

基本的に日本側の護衛を拒否したいタロウだが、自国の存亡に関わる最悪な事態は何としても避けたい日本政府は何が何でも護衛をつけさせることに必死で、そのあまりに切羽詰まった表情で交渉する日本の外交官に恐怖を覚えたタロウは、仕方ないといった感じに日本政府の要望を受け入れたが、護衛は最低でも一人だけという条件をつけた。そして護衛には銀河世界に迷い込んだ伊丹にすることを伝えた。タロウとしてはのんびりとゆっくり過去の地球観光を楽しみたいが、日本政府を含めて各国が絶対にやめてくれと悲鳴をあげてタロウの単独での旅行を拒否していたので、このさい仕方なく秋葉原を観光案内で伊丹に護衛と観光案内を頼もうと考えた。

タロウの要求は直ぐに受け入れられて伊丹はタロウの護衛役となった。何故か知らないが民間人であり、伊丹の奥さんである梨沙もタロウの秋葉原観光に同行していた。

なお、伊丹はタロウの護衛そっちのけで同世代の友人関係のようなフランクな関係で秋葉原を案内して、梨沙の方は当初は地球上で最も話題になっている超有名人の秋葉原の案内役を夫と一緒にやることになって当初は凄く緊張したが伊丹洋司のあまりにフランクな対応とタロウ本人もおおらかな性格もあって直ぐに打ち解けて、秋葉原の案内役のお礼に伊丹夫妻に秋葉原で購入するグッズは自分の奢りと言った事も大きかった。

なお、本人曰く「最近は特別手当で懐があったかいから、このくらい平気」との事であった。

「洋司よ。今からでも銀河連邦に鞍替えしないか?洋司くらいに仕事が出来れば直ぐに将官クラスになれるよ」

「いやいや。俺には無理だって」

「そうですよ。うちの旦那は食う、遊ぶ、寝る、ほんの間にちょっとの人生を地でいく人物ですよ」

「自分の旦那に厳しいね梨沙さん。まあ、でも梨沙さんのような日本の同人作家や漫画家、そして日本のアニメーターが銀河連邦に来れば高給取りになることは間違いないのにな……」

「どうしてですか?」

これに梨沙が疑問に思って呟く。

「俺達の世界は二週間戦争で地球全土が核兵器で人類が絶滅寸前までに疲弊したことは知ってるだろ」

タロウの言葉に伊丹夫は頷く。

「そのせいで地球各国の歴史的文化遺産やほぼ壊滅した。そのせいで今まで存在していた現代文化も消滅。日本の文化も例外なくなくなった。銀河連邦でも何とか二週間戦争以降の文化再現を試みてるけどうまくいっていない。そのせいか知らないけど俺達の世界には日本のアニメや漫画みたいなクオリティが高いアニメや漫画がないんだよ」

銀河連邦ではアニメや漫画はせいぜい子供向けのがほとんどであり、地球世界の時代のような大人向けなアニメや漫画が少ないのだ。アニメや漫画も日本でいえばアンパ〇マンやドラ〇もんといった国民的な子供アニメのようなものしか存在しない。

「ああ、だからタロウさん俺がもってた漫画に興味があったんだ」

「そうだよ!二週間戦争前の日本のアニメや漫画のデータは殆ど消滅してるから俺達の時代だと凄く希少性が高いんだよ!だから、俺としては日本のアニメーターや漫画家が銀河連邦に来て欲しいよ。」

「じゃあ、私がいったら高給取りになれるかな?」

「なれる可能性は高いと思うよ。俺達の世界だとアニメや漫画は子供向けが殆どだから、日本漫画のようなクオリティが高い大人向けの漫画を描ける人材は凄く貴重だよ」

そんな感じで雑談するタロウ達であったが、密かに伊丹以外に護衛役を日本政府は潜り込ませたが、伊丹のタロウに対するあまりにフランクで友達感覚で平気で付き合う状況を上層部に報告されると、伊丹の上司はこの報告を聞いた瞬間に胃潰瘍になって緊急入院したとかしなかったとか……後日伊丹は上司から激しく怒られたそうだ。
 
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