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レーヴァティン

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第四十九話 八人目のことその三

「色々聞いてそうして」
「そのうえでな」
「これからも活かしていこうね」
「そうしような」
 久志も同感だった、そしてだった。
 一行はサウナと水風呂に湯舟の風呂にも入った、石鹸とタオルで身体も洗った。
 そうしてだ、コペンハーゲンのある居酒屋に入ってだった。
 北の獣達の燻製を注文した、ソーセージなりビールなりハムなりをだ。勿論ビールも注文してそうしてだった。
 八人用の大きなテーブルに座って飲み食いして話した。
「これはな」
「癖がありますが」
 順一は久志と同じ熊のソーセージを食べて言った。
「中々」
「いけるな」
「そうですね」
「これもいいな」
 正はマンモスのベーコンを立つつ言った。
「やっぱり癖があるけれどな」
「そっちもいいか」
「ああ、美味い」
 そうだというのだ。
「これもな」
「そうなんだな」
「マンモスっていうとな」
 こうも言った正だった。
「あれだよな」
「漫画とかアニメのな」
「大昔を舞台にしたな」
「凄い有名な漫画だったな」
「ああ、はじめ人間っていうな」
「その漫画だな」
「その漫画でよく出ていたからな」
 マンモスの肉、それがだ。
「一回食ってみたかったんだよ」
「ああ、それな」
 芳直が正の今の言葉に応えた。
「あのアニメ観たら美味そうだからな」
「だよな、ステーキみたいで」
「俺っちは北にずっといたからな」
「前にも食ったことあるんだな」
「ああ」
 その通りという返事だった。
「セイウチとかアザラシとかもな」
「そうだったんだな」
「生はないぜ」
「どの肉もか」
「特にセイウチとかホッキョクグマは食わないんだよ」
 生ではだ。
「それこそ絶対にな」
「虫か?」
「虫はどうしてもいるからな」
 寄生虫がというのだ。
「とりわけさっき挙げた連中はな」
「やばいか」
「そうなんだよ、特にホッキョクグマは気をつけろよ」
「虫がセイウチよりやばいのかよ」
「いや、虫の他にもあるんだよ」
 食するにあたって危険な要素がというのだ。
「肝臓はビタミンAが多過ぎて毒なんだよ」
「へえ、ビタミンも多過ぎると駄目か」
「これが洒落になってない位やばくてな」
「どんな感じだよ」
 久志はホッキョクグマのハムを食べつつ芳直に尋ねた、食べてみると確かに癖はあるがまずくはない。
「死ぬのかよ」
「ああ、ショック死することもあるぜ」
「マジか」
「マジもマジでな」
「食うと死ぬこともあるんだな」
「ビタミンも多過ぎたらやばいってことだな」
 一度に摂り過ぎると、というのだ。
「煮ても焼いても駄目なんだよ」
「ホッキョクグマの肝臓だけはか」
「河豚の肝も毒あるだろ」
「テトロドキシンな」
 このことは日本ではあまりにも有名なので久志も知っていて答えた。 
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