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おぢばにおかえり

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113部分:第十五話 中間テストその七


第十五話 中間テストその七

「満足はしているつもりよ」
「そう、よかったわね」
 この娘は私の口からこの言葉を聞いてまずはにこりと笑ってくれました。
「私も何とか後々まずいようにはならなかったわ」
「よかったわね、お互いに」
「ええ。それにしてもね」
 ここで問題がありました。
「寮で勉強するのって中々慣れないわね」
「それはね」
 これは私も同意です。
「図書館は勉強し易いんだけれどね」
「そうね」
「大学の図書館はどうかしら」
 お隣の天理大学の図書館について考えました。あの凄く大きい。
「あそこは勉強するには物々しくない?」
「それもそうね」
 言われてみれば確かに。大き過ぎます。
「じゃあやっぱり高校の図書館がいいわね」
「ええ。それによく考えたら」
 ここでちょっと危ない確信の事実が。
「うちの図書館ってテスト前でもあまり人が多くないわね」
「あっ、そういえば」
 言われて私も気付きました。
「そういえばそうよね」
「皆あまり勉強してないとか?」
「自宅生は自分のお家でするしね」
 天理高校の生徒は大きく分けて二つなんです。奈良にいて自分の家から通っている子と私達みたいに地方にお家があって寮から通っている子。代々半々って割合でしょうか。
「寮で勉強する子もいるしね」
「それはあまり考えられないけれどね」
「人それぞれっていことでしょうね」
 私はこう考えることにしました。
「そこのところはね」
「そういうものなのね」
「そういうものよ。さて」
 ここで私が言いました。
「今度はひのきしんね」
「そういこと。頑張りましょう」
「ええ」
 今度はそっちに話が向かいました。本当に天理高校は何かとやることが多いです。大変です。けれど何か慣れてくると。お父さんもお母さんもいなくて寂しいことは寂しいけれど充実してきた感じです。


第十五話   完


                  2008・2・23
 
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