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おぢばにおかえり

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105部分:第十四話 騒がしい中学生その十


第十四話 騒がしい中学生その十

「一緒の部屋の先輩が優しかったらそれだけで天国なのよ」
「そうよね。じゃあ私はやっぱり」
「御守護頂いてるのよ。感謝しなさい」
「うん。そうさせてもらうわ」
「だから後は旦那様だけね」 
 何でいつもそっちに話がいくんでしょう。先輩もクラスメイトも寮の皆もお母さんまで。私ってそんなに男の子が欲しいように見えるんでしょうか。
「お父さんみたいな人見つけなさいよ」
「ちょ、ちょっとお母さん」
 私が言う前にお父さんが慌てて言ってきました。
「そんなこと言ったら」
「これだって思ったからよ」
 完全にお母さんのペースになっています。どうもお父さんもお母さんには弱いです。何でも恋愛結婚でお父さんは年上のお母さんに完全に弟みたいに扱われていたそうです。それって今と全然変わらないんじゃないかしらっとも思ったりするんですけれどどうなんでしょうか。
「声をかけたのは」
「そうだったのか」
「ええ、そうよ。だから千里もね」
 また私に話を振ります。
「いい人見つけなさい。いいわね」
「いい人って言われても」
「きっと見つかるから。お引き寄せでね」
 またここでおみちの言葉が出ました。人と人の出会いもお引き寄せなんです。全て親神様の思し召しなんです。
「わかったら頑張りなさい。まずは寮に戻って」
「わかったわ。けれど寮でいい人は見つからないわよね」
「女の子同士は駄目よ」
 勿論私にもそんな趣味はありません。同性愛って何なのか全然理解できませんし。やっぱり一緒になるのなら男の子がいいです。
「わかってるわよね」
「それは。私だってそうした趣味は」
「まあ別に否定はしないけれど」
「しないの」
「それは人それぞれ。それでも結婚は駄目よ」
 っていうか女の人と結婚はできないんですけれど。けれど私が女の子だったら確かに長池先輩や高井先輩とは結婚したいな、って思うかも知れません。
「浮気も駄目だけれど」
「それは絶対に駄目よっ」
 私もそれは同じ意見でした。
「そんなことしたら駄目に決まってるじゃない」
「そういうところは昔からね」
 お母さんは私の言葉を聞いて微笑んできました。
「千里は。浮気とか不倫とかは本当に嫌いね」
「当たり前よ、そんなの」
 本気です。それは絶対に駄目だと確信しています。
「何があってもそれだけは」
「そうよね。いつもそれを聞いて安心するのよ」
「そうなの」
「浮気をさせないことも大事だけれど」
 これははじめて聞いた言葉でした。浮気をさせない。
「そこも気をつけなさいね」
「浮気をさけないの」
「そうよ」
 そこをまた言われました。
「それも大事だから。気をつけてね」
「何かよくわからないけれど」
 また首を傾げてしまいました。
「そんなのどうするの?」
「だからここでも暖かさが大事なのよ」
 それも出て来ました。
「男の人を照らす暖かさがね。それがあれば」
「やっぱり違うの」
「ええ。男の人は月様だから」
 これをまたまた言われました。お母さんは何かというと日様月様について話をします。それに凄いこだわりを見せてさえいます。
「照らされていないと駄目なの。照らされていないと」
「浮気するの」
「そう。だからいつも暖かい光を出してね」
 それが大事だそうです。
 
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