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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第六十八話 華陀、益州に戻るのことその二

「楽しませてはもらった」
「そうか」
「そうだ、楽しんだ」
 クラウザーはまた言った。
「そうさせてもらった。だが」
「だが?」
「やがては決着をつけなければならんな」
 ギースを見てだ。クラウザーは述べるのだった。
「貴様とはな」
「それはこちらも同じことだ」
「そうか。同じか」
「貴様を倒すのは私だ」
「御互いにそうだな」
「ボガード兄弟もそうだが」
 無論彼等のことは忘れてはいなかった。しかしだというのだ。
 クラウザーを見据えてだ。ギースは話すのだった。
「貴様もだ。私が倒さなければならない相手だ」
「血は争えぬな」
 クラウザーも彼に応える。
「やはりな」
「その通りだな。我等はな」
 御互いに火花を散らすのだった。彼等は今は供にいるがそれでもだった。その中にある因果は何があろうとも消えないものだった。
 幻十郎がだ。彼等のところに来た。そうして言うのだった。
「面白い話がある」
「何だ?」
「この国の都で動きがあった」
 そうなったというのだ。
「董卓とかいう小娘が宰相になったらしいな」
「董卓?」
「董卓というと」
 その名前を聞いてだ。まずはギースとクラウザーが述べた。
「あの擁州のか」
「牧だったな」
「そうだ。その小娘がだ」
 宰相になったと。話すのである。
「そしてだ。それまで力を握っていた大将軍がだ」
「死んだか」
「殺されたか」
「そうらしいな。それにだ」
 さらにだとだ。幻十郎は話していく。
「どうも都では怪しい動きが続いているな」
「怪しいか」
「俺には関係の話だが」
 幻十郎はそれは断った。そのうえでの言葉だった。
「しかしだ。それでもだ、話は聞いた」
「戦乱になるか」
 刀馬は幻十郎の言葉の調子からそれを察した。
「都での乱れがそのまま」
「そうなるかもな。では俺は」
「どうするつもりだ、それで貴様は」
「機が出来るかもな」
 酷薄な笑みでの今の言葉だった。
「あいつを斬る機会がな」
「覇王丸という男か」
「あの男を斬るのは俺だ」
 幻十郎は今度は真剣な顔になっている。
「俺以外の誰でもない」
「そうは。では俺もだ」
「貴様もそうした相手がいるな」
「俺の刃は何の為にあるか」
 そのことから話すのだった。
「それはあいつの刃を斬る為だ」
「だからだな」
「俺は零だ」
 刀馬は己をそれだと話す。
「絶対のものだ」
「零が絶対だというのだな」
「そうだ、それは不動」
 零はだ。それだというのだ。
「何があろうとも動かないものだ」
「ではその不動により斬るか」
「あいつを。そうする」
「ならそうするがいい」
 幻十郎はそれはいいとした。 
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