恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第六十八話 華陀、益州に戻るのことその一
第六十八話 華陀、益州に戻るのこと
華陀と愉快な怪物達は黄巾の乱の後また病人達を助ける旅に入っていた。しかしである。
貂蝉がだ。天地を覆していた。
何とだ。地中をだ。クロールで進んでいたのだ。
それを見てだ。華陀は言うのであった。
「それは何の術なんだ?」
「この術?」
「ああ。何ていう術なんだ?」
こう彼に問うのである。
「それで何の術なんだ?」
「地行術よ」
貂蝉は泳ぎながらその問いに答えた。
「最近ちょっと運動不足だったから」
「それで泳いでるんだな」
「そうなの。運動は美容の共よ」
こう言って泳ぐのである。
「ダーリンもどうかしら」
「生憎俺はその術は知らなくてな」
平然とした顔で答える華陀だった。
「したくてもできないんだ」
「あら、じゃあ教えてあげるのに」
「あたしもできるわよ」
卑弥呼もいた。
「ダーリンにはあたしが教えてあげるわ」
「そうだな。じゃあ気が向けばな」
「できるようになるのね」
「そうするのね」
「水の中を泳ぐことはできるんだがな」
それはできるというのだ。
「けれどな。そういうのはな」
「だから。教えてあげるわよ」
「手取り足取りね」
二人はこう言って華陀を誘うのだった。そしてだ。
そんな彼等を見てだ。刀馬は怪訝な顔になってだ。そのうえでギースに問うのだった。
「こうした術もあるのか」
「知らん」
腕を組み困惑している顔のギースだった。
「人間にできるのかどうか」
「それ自体が疑問だな」
「この様な術は聞いたことがない」
クラウザーはこう言う。
「気を使うことはできるが」
「それでもだ。地面の中を泳ぐのはだ」
「できないな」
「そうだ、できない」
こう刀馬に話すギースだった。
「とてもな」
「全くだな。しかし」
「しかし?」
「こうした術は役に立つ」
ギースはそのことは認めた。
「確かにな」
「そうだな。少なくともだ」
クラウザーは自分も泳ぎはじめた卑弥呼を見ていた。
「この二人は。術だけでなくだ」
「それだけでなくだな」
「その心も確かだ」
そうだというのだ。
「悪人ではない」
「ふん、私には合わんな」
ギースはこれまでの生き方から述べる。
「しかし。この連中はだ」
「どうなのだ?貴様は」
「少なくとも貴様よりはましだな」
ギースがクラウザーに返した言葉はこれだった。
「嫌いではない」
「そうか」
「無論貴様よりもだ」
ギースは今度はミスタービッグを見て話した。
「貴様まえ来ているとはな」
「ふん、腐れ縁だな」
ミスタービッグはギースを一瞥してから述べた。
「貴様と。この世界でも一緒になるとはな」
「何時かのキングオブファイターズ以来だったな」
「そうだな。あの時以来だな」
「あれはあれで悪くなかった」
クラウザーはその時のことを思い出しながら述べた。
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