レーヴァティン
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第四十七話 海はなけれどその一
第四十七話 海はなけれど
剛も仲間に加えた久志達はまずはそのことに喜んでいた、しかしすぐに一行の知恵袋である順一が言った。
「では次の目的ですが」
「七人目か」
「はい、その彼を見付け出して」
そうしてというのだ。
「仲間に加えましょう」
「やっぱりそうなるよな」
「幸い手掛かりはもう聞いています」
「湖にいる奴か」
「この島の湖は非常に大きいです」
「海みたいだからな」
「その湖には漁師も商人もいますが」
彼等だけでなく、というのだ。
「戦士達もいます」
「モンスターは湖にも出るからな」
「はい、彼等と戦う戦士達もいます」
「確かそれがだな」
「この島で言うバイキングです」
順一は久志にこの者達の名前を出して話した今は寒さを凌ぐ為にテントの中にいてそこで酒を飲みつつ話をしていた。
「彼等がいてです」
「そのバイキングの中にだよな」
「七人目の仲間がいる可能性があります」
「だよな、じゃあ今度はな」
「湖に戻り」
彼等がかつて寄ったそこにというのだ、剛を仲間にする前に寄った場所である。
「そうしてです」
「手掛かりを集めてな」
「そうしてです」
「そいつのところに行ってな」
「仲間に迎え入れましょう」
「そうだな、バイキングか」
順一と話をして彼等のことについてこう言った久志だった。
「イメージ的にはな」
「海賊だな」
「ああ、そうだよな」
正に対して応えて言った、彼もこちらの世界では名前を変えていた。
「どうしてもな」
「そのイメージだよな」
「あちこちに船で乗り込んでな」
「暴れまわる連中ってな」
「思うな」
「海の蛮族ってな」
当時の欧州の者達が思っていたものだ、教会も修道院も遅い破壊と殺戮と略奪の限りを尽くしたというイメージである。
「そんな感じがするけれどな」
「こっちの世界ではまた違うな」
「海にもいないしな」
そもそもこの島には海自体がない、あるのは湖だ。
「略奪をするにもな」
「する奴もいるだろうがな」
こちらの世界のバイキングも様々だ、中にはそうしたバイキングもいるということだ。
「それでもな」
「主なバイキングはな」
「戦士だ」
海の彼等だというのだ。
「それだな」
「まあその方がいいよ」
今度は源三が言ってきた。
「海賊よりもね」
「戦士の方がな」
「害がないよ、バイキングは元々は交易で来てたけれど」
欧州の各地に船を使って海や川伝いにだ、それで欧州の各地に進出しロシアやビザンツ帝国にまで至っていたのだ。
「略奪の方が効率がいいって思ってね」
「略奪をしていたんだな」
「攻め込んでね」
「その方が沢山ものが手に入るからか」
「そう、交易よりもね」
「全部奪うといいってことか」
「それも敵がいないところを攻めてね」
敢えてそうした場所ばかり見付けてだ。
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