レーヴァティン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四十六話 忍の者その十三
「興味が薄かったしな」
「そちらでは娼館だな」
「そこにも殆ど行ってなかったしな」
「そういえばそうだったな」
「御前はあっちの世界ではそんなにだったな」
「そうだったな、しかし前の遊郭はな」
そこに入ると、だったのだ。
「妙に雰囲気もよくてだ」
「三人選んでみるとか」
「遊べた」
三人相手に同時にというのだ。
「そして楽しめた」
「それはあれだろ」
「遊郭が俺の趣味に合っているか」
「花魁さん達もな」
「俺の好みでか」
「それでだよ」
好みが彼に合ったからというのだ。
「御前は遊郭を楽しめたんだよ」
「そういうことか」
「ああ、それでまたか」
「遊郭で遊べる機会があればな」
「一度に何人も相手にするんだな」
「そう考えている」
実際にとだ、英雄は久志に答えた。
「その時も楽しみだ」
「病気には気をつけろよ」
久志は英雄にこのことは注意した。
「治せてもやっぱり厄介だからな」
「梅毒なり淋病になるとな」
「そっちの島でやっぱりあるんだな」
「ある、人の行き来があるとな」
それでとだ、英雄は久志に答えた。
「そうした病気は必ずあるな」
「だよな、それこそな」
「だから東の島にもある」
久志達がいる西の島と同じくというのだ。
「そして罹っている奴もいる」
「なら余計にな」
「わかっている、俺も梅毒になるつもりはない」
当然淋病にもだ、梅毒の様に死ぬことはないが淋病もまた厄介な病気で用を足す時に激痛が走ることで有名だ。
「ああした病気にはな」
「だから注意しろよ、じゃあ今からな」
「御前の冒険のことをだな」
「九人目を仲間にした時まで話すな」
「宜しく頼む」
英雄も応えた、そうしてだった。
久志は実際に彼等の冒険のことを話した。それは剛を仲間にしてからのことだった。
第四十六話 完
2017・12・16
ページ上へ戻る