英雄伝説~灰の軌跡~ 閃Ⅲ篇
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異伝~終焉に諍う英雄達の来訪~ 第1話
~???~
「――――それでは始めるとしよう、”リィン”。世界を絶望で染め上げる、昏き終末の御伽噺を。」
多くの”騎神”らしき存在に”ヴァリマールらしき騎神の存在”が囲まれている中”ヴァリマールらしき騎神の存在”は漆黒の騎神らしき存在に持ち上げられた。
「く……っ………(せめて生徒達だけでも……!)――――うおおおおお………っ!」
「おい、リィン、この状況で一体何をするつもり――――」
そして”ヴァリマールらしき騎神の存在”は”蒼き騎神らしき存在”の言葉を無視して後方にいるユウナ達――――”新Ⅶ組の面々と瓜二つの容姿を持つピンク髪の女子達”に光を放った。するとピンク髪の女子達は光に包まれ
「教官!?一体何を――――」
「これは………」
「”精霊の道”………?」
「まさか私達をこの場から――――」
突然の出来事にピンク髪の女子達が驚いたその時光に包まれたピンク髪の女子達はその場から消えた。
七耀歴1206年、4月24日、午後13:00-―――
~クロスベル帝国・帝都クロスベル郊外・星見の塔・屋上~
1年半前に”六銃士”達の活躍によって”宗主国”であった旧カルバード共和国を占領して自国の領土とし、更にメンフィル帝国との取引でエレボニアの領土の一部も自国の領土としたことでエレボニア・カルバードの二大国に対して”下克上”を果たした新興の大国――――”クロスベル帝国”。クロスベル帝国の帝都となった”光と闇の帝都クロスベル”の郊外にある遺跡の一つである”星見の塔”の屋上に光に包まれたピンク髪の女子達が現れた。
「う、う~ん………今の光は一体………――――!クルト君、ミュゼ、それにアルも!みんな、無事!?」
「ああ……何とかな………」
「私も問題ありませんわ。」
「同じく身体・精神共に異常はありません。」
ピンク髪の女子―――ユウナは目覚めた後すぐに自分達の状況を思い出して我に返った後それぞれ自分の近くに倒れている仲間達―――蒼灰髪の男子―――クルトと、ミント髪の女子―――ミュゼ、そしてインナー姿の銀髪の少女―――アルティナに呼びかけ、呼びかけられた3人はそれぞれ起き上がって無事である事を返事をした。
「よかった~……って、ここってもしかして……”星見の塔”の屋上!?何であたし達がここにいるの!?あたし達、さっきまで”黒キ星杯”の最下層にいたのに……!?」
「………恐らく教官が咄嗟に騎神の”精霊の道”を使ってわたし達だけあの場から離脱させたからだと。」
自分が今いる場所に混乱しているユウナにアルティナは辛そうな表情で自身の推測を答え
「あ…………教官…………」
「……くっ………!」
「あれから……教官達は………エレボニア帝国はどうなったのでしょうね……」
アルティナの推測を聞いて自分達が星見の塔の屋上に転移する前に起きた”ある出来事”を思い出したユウナは辛そうな表情で顔を俯かせ、クルトは悔しさや自分の無力さによって唇を噛みしめ、ミュゼは重々しい様子を纏って呟いた。するとその時何かの咆哮が聞こえ、咆哮を聞いたユウナ達が身構えると翼竜型の魔獣が空から現れてユウナ達の前に着地した!
「翼竜型の魔獣……!」
「”D∴G教団事件”や”クロスベル動乱”時に現れたタイプと同タイプのようですね。」
「以前の演習でこちらに来た時は見かけなかった事を考えると手配魔獣として現れたか、もしくは”黒キ星杯”での出来事が関係しているかもしれませんね。」
魔獣の登場にクルトは表情を引き締め、アルティナとミュゼは冷静な様子で分析した。
「ああもう……!教官達がどうなったかとか確かめたい事はたくさんあるって言うのに……!早く倒して、星見の塔から脱出した後現状を確かめるわよ!」
「言われるまでも無い!」
「宰相達の盤面を阻止し、教官達の救出に向かう為にも、この窮地、切り抜けさせて頂きます……!」
「戦術リンク、セットアップ!敵の制圧を開始します……!」
「―――――!」
そしてユウナの号令を合図にクルト達はそれぞれ決意の表情になって魔獣との戦闘を開始した!
「「アークス駆動―――」」
ミュゼとアルティナはそれぞれ味方に身体能力の上昇等の援護アーツを発動する為に戦術オーブメントでアーツの駆動を開始したが
「―――――!!」
「きゃっ!?」
「くっ!?」
「やんっ!?」
「あうっ!?」
敵はオーブメントの駆動を妨害する”魔”の気を纏った衝撃波を広範囲に発生させるクラフト―――魔塊烈風でユウナ達に攻撃し、更にミュゼとアルティナのオーブメントの駆動を中断させた。
「ハァァァァァァ……そこだっ!」
「――――」
クルトは反撃に光と闇の斬撃波を解き放つクラフト―――双剋刃を放ったが、敵は空へと飛んで回避し
「この……っ!」
更に空目がけて放ったユウナのガンブレイカーの銃の部分による射撃を空を縦横無尽に飛んで回避した後ユウナとクルト目がけて急降下して時属性のブレス―――ダークブレスを二人に放った。
「きゃっ!?」
「ぐっ!?」
襲い掛かる闇のブレスに反応しきれなかった二人はダメージを受け
「援護します――――蒼き鳥よ!」
「!?」
ミュゼは蒼きエネルギーによってできた鳥を銃弾として解き放つクラフト―――オワソーブルーを放ち、襲い掛かる蒼き鳥に命中した敵は怯んでユウナとクルトへの攻撃のブレスを中断し
「回復します――――アルジェムヒール!!」
「―――――」
アルティナはユウナとクルトにクラウ=ソラスで回復エネルギーを放って二人の傷を回復した。
「ありがとう、アル!ハァァァァァァ……喰らえっ!!」
「!?」
傷を回復してもらったユウナは電撃を流し込んだガンブレイカーで斜め十字の打撃を叩き込んで敵の態勢を崩し
「崩した!」
「もらった!!」
敵の態勢が崩れるとユウナと戦術リンクを結んでいるクルトが追撃を敵に叩き込んだ。
「お二人とも、離れてください!」
「「!!」」
「アークス駆動―――クリスタルフラッド!!」
「ブリューナク起動、照射。」
「―――――――!」
二人が攻撃している間にアーツの準備をすませ、ユウナとクルトに警告をして二人が敵から距離を取るのを確認したミュゼは地面を素早く走る氷の刃を解き放つアーツを放ち、アルティナはクラウ=ソラスに収束したレーザーを解き放たさせた。
「―――――――!!」
ミュゼとクラウ=ソラスによる遠距離攻撃を再び空を飛ぶことで回避した敵は再びクラフト―――魔塊烈風を発動した。
「きゃっ!?」
「くっ!?」
「やんっ!?」
「あうっ!?」
頭上からの逃げ場のない攻撃によってユウナ達は再びダメージを受けた後、それが切っ掛けになってそれぞれ疲弊した様子で息を切らせていた。
「ハァ……ハァ……クッ、さっきから身体が思うように動かない……!?」
「恐らく……黒き聖獣との戦いによる疲労も影響しているのかと……!」
「ハァ……ハァ………クッ……こんな所で、絶対に倒れる訳にはいかないのに……!って、アル、一体何を……!?」
息を切らせているクルトの疑問にミュゼは疲弊した様子で答え、悔しそうな表情をしたユウナだったが、自分達の前に出たアルティナに気づいて目を見開いた。
「教官が皆さんを守る為に黒き聖獣と必死の攻防をしている間に目覚めたわたしはまだ、それ程戦闘による疲労はありません。ここはわたしが敵の注意を惹きつけますので、皆さんはその間に塔内部への撤退、並びに”星見の塔”からの脱出を開始してください。わたしも隙を見て塔内部への撤退をして皆さんの後を追いますので、皆さんは先に撤退してください……!」
「な―――――そ、そんな事、できる訳ないでしょう!?教官達が……あたし達が絶対に助けるつもりだったアルを置いて逃げたりしたら、教官達に申し訳が立たないし、それに………―――あたし達も自分達の事を絶対に許せないわ!」
「僕もユウナと同じ意見だ………!かつては”アルノール皇家”の守護職に就いていた”ヴァンダール家”の一員としても、仲間を置いて敵に背を向けるような事は絶対にしない……!」
「”黒き聖獣”と違い、私達の攻撃も効いています。例え疲弊した今の私達でも、協力すれば勝機を見いだせる相手なのですから、自分を犠牲にする事は考えないでください、アルティナさん……!」
「皆さん………」
自らを犠牲にしてユウナ達を逃がそうとしたアルティナだったが、その決意を許さないユウナ達の決意と自分への気遣いを知り、嬉しさや辛さ等様々な感情を一度に感じた事によって複雑そうな表情をした。
「――――ユウナちゃん達の言う通りね。アルティナちゃんみたいな可愛い女の子が誰かの為に犠牲になる必要なんてないわ!」
するとその時女性の声が聞こえ
「へ………」
「今の声は一体……?」
声を聞いたユウナとクルトが困惑したその時、格闘家のような服装を纏った女性が帽子を被った銀髪の女性と共に塔内部から現れた後空高くへと跳躍し
「落ちなっ!雷神脚!!」
「!?」
敵の頭上から雷撃を纏わせた片足による蹴りを叩き込んで敵を地面に叩き落し
「さあ、治療の時間よ――――――メディカルダンス!!」
帽子を被った銀髪の女性は膨大な癒しの魔力で形成した主に医療手術等で使う”メス”を放ち、癒しの魔力でできた”メス”はユウナ達に命中するとユウナ達の傷を全回復させて消えた。
「貴女達は一体………」
「ええっ!?ど、どうしてリンさんとエオリアさんが今のクロスベルに……!?」
「その様子ですと、お二人はユウナさんのお知り合いのようですわね……という事は、”私達の味方”と判断してよろしいのですか?」
格闘家のような服装を纏った女性―――リンと帽子を被った銀髪の女性―――エオリア・フォーリアの登場にアルティナが呆けている中、二人に見覚えがあるユウナは驚き、ユウナの反応を見たミュゼはリンとエオリアに問いかけた。
「――――細かい話は後だ。まずはあの手配魔獣を制圧するよ!行くよ、エオリア!」
「ええっ!」
そしてリンの号令にエオリアが頷くと二人はユウナ達と共に翼竜との戦闘を再開した。
「喰らいなさい―――そこっ!!」
「!?」
エオリアは先制攻撃に毒薬を塗ったメスを数本素早く投擲するクラフト―――ランセットアローを放ち、エオリアが放ったメスを回避できなかった敵は怯んだ。
「見切れるものなら、見切ってみな――――千手悔拳!!」
「!?」
「崩したよ!」
「追撃するわ――――それっ!」
敵が怯んだ隙に敵に詰め寄ったリンは無数の拳を繰り出して敵の態勢を崩し、敵の態勢が崩れるとリンと戦術リンクを結んでいるエオリアが追撃に風を斬り裂く勢いでメスを投擲するクラフト―――ウィンドエッジを放ち、エオリアが投擲したメスは敵の片目に刺さった!
「―――――――!?」
片目にメスが刺さった事で敵は悲鳴の咆哮を上げてその場で暴れ
「逃がさない――――ヤァァァァァッ!!」
「お熱いのはいかが?――――シュート!!」
敵が暴れている事によってできた致命的な隙を見て好機と判断したユウナはガンブレイカーによる銃弾の嵐を放つクラフト―――ジェミニブラストを、ミュゼは魔導騎銃から数本の追尾する炎の魔剣を解き放つクラフト―――ムーランルージュを放って追撃し
「ハァァァァァァ……―――斬り裂け!!」
「メーザーアーム――――斬!!」
「――――!」
クルトは風を斬り裂く勢いで回転斬りを放つクラフト―――テンペストエッジで、アルティナはクラウ=ソラスによる広範囲の回転斬撃を叩き込むクラフト―――メーザーアームを発動させて追撃した。
「――――――」
集中攻撃をされた敵は近くにいるクルトとアルティナにブレスで反撃する為に口に暗黒のエネルギーを集束したが
「集束せし、光よ、邪悪なる者に裁きを―――――純聖光!!」
「―――――――!!??」
エオリアが発動した魔術によって発生した頭上からの集束した聖光のエネルギーをその身に受けると大ダメージを受けると共に悲鳴の咆哮を上げた。
「こいつで終わりだよ!ハァァァァァァ……!泰斗流奥義――――雷神掌!!」
「―――――!!!!???」
そこに両手に集束した雷が迸る闘気の球体をリンが放ち、リンが放ったSクラフト―――雷神掌を受けた事によってついにダメージに耐えきれなくなった敵は悲鳴を上げながら消滅した!
「あ………」
「勝った………のか……?」
「どうやらそうみたい……ですわね………」
「な、何とか勝てた~………!!」
敵の消滅を確認したアルティナ達は呆けた後安堵や疲労によって地面に膝をついた。
「ふふ……相手は古の魔物の類だったのに、あたし達が来るまでよく持ちこたえたね。さすがは”灰色の騎士”と”聖竜の姫君”率いる”新Ⅶ組”って所かい?」
「そうね。アルティナちゃんは当然として、蒼灰髪の男の子の双剣やミント髪の女の子の銃も中々よかったし、何よりもユウナちゃんは以前会った時と比べると随分と見違えたわね。」
アルティナ達の様子を見たリンとエオリアはそれぞれ苦笑しながらアルティナ達を高評価していた。
「………?あちらの女性達はアルティナの知り合いでもあるのか……?」
「い、いえ……初対面ですが……」
エオリアのアルティナを知っているような口ぶりを聞いたクルトに視線を向けられたアルティナは困惑の表情で否定した後エオリアとリンを見つめ
「そ、そんな……アルティナちゃんったら、酷い……一緒に協力した期間は短かったけど、”碧の大樹”では最初から最後までロイド君達やリィン君達と一緒に協力して攻略した仲なのに、もう私の事を忘れているなんて……!」
「え………」
「へ!?ア、アルやリィン教官、それにエオリアさんがロイド先輩達と一緒に”碧の大樹”を攻略したって……!そんな話、初耳ですよ!?というかそれ以前にどうしてリンさんとエオリアさんが今のクロスベルにいられるのですか……!?クロスベル支部はクロスベルがエレボニアの属州になって以降、エレボニア政府の指示で撤退させられたのに………」
「”支部”が帝国政府の指示で撤退させられた……?―――――!まさかその二人は……」
「”支える篭手”の紋章………なるほど、”そう言う事”だったのですね。だから昔からお二人を知っているユウナさんはこの場―――いえ、クロスベルの地に”遊撃士”であるお二人が現れた事に驚いていらしたのですね。」
自身の答えを聞いてショックを受けた様子で呟いたエオリアの言葉を聞いたアルティナが呆けている中ユウナは驚いた後困惑の表情でリンとエオリアを見つめ、二人の正体を察したクルトは驚きの表情で二人を見つめ、クルト同様二人の正体を察したミュゼは冷静な様子で二人を見つめた。
「!?ちょっと待ちな。今、いくつか聞き捨てならない言葉が聞こえたんだけど、それってどういう事なんだい?」
「へ……”聞き捨てならない言葉”って、どれの事ですか?」
一方ユウナの言葉を聞いて驚きのあまり血相を変えたリンは真剣な表情でユウナに問いかけ、問いかけられたユウナは不思議そうな表情で問い返した。
「クロスベル支部が撤退させられた事やユウナちゃんが私がロイド君達と一緒に”碧の大樹”を攻略した事が”初耳だ”って言った事もそうだけど、何よりも一番気になるのは”クロスベルがエレボニアの属州になっている事”よ。クロスベルは1年半前にクロイス家とイアン・グリムウッド弁護士が起こした動乱終結後―――いえ、終結する直前あたりの時期に”クロスベル帝国”を”建国”してメンフィル帝国と連合を組んで旧カルバード共和国を滅ぼした所か、その”建国”も西ゼムリア大陸の各国に加えてクロスベル自治州の”宗主国”であったエレボニア帝国も認めた挙句、”七日戦役”でメンフィル帝国に奪われたエレボニア帝国の領土の一部もクロスベル帝国に贈与されてクロスベル帝国領化したから、むしろ”属州”になったのはエレボニア帝国の一部の領土よ?」
「な―――――――」
「”クロスベル帝国”、ですか……?」
「それに”クロスベルの国としての建国をエレボニアが認めた事”もそうですが、カルバード共和国がクロスベルと”メンフィル帝国”という今まで聞いた事がない国家に滅ぼされた話やエレボニアの領土の一部が奪われる切っ掛けになったと思われる”七日戦役”という戦争も非常に気になりますわね……(最初は何らかの要因で”過去に飛ばされた”と思いましたが、どうやら”時間移動に加えてとてつもない想定外の出来事”が起こったようですわね……)」
「な、な、なななな、なんですって~~~~~~~~~~~~~!?」
エオリアの話を聞いたクルトは驚きのあまり絶句し、アルティナは困惑の表情を浮かべ、ミュゼは真剣な表情で呟いた後ある推測をし、ユウナは口をパクパクさせた後信じられない表情で声を上げた。
「一体どうなっているんだい………?」
「う~ん………これは私の推測だけど、多分今私達の目の前にいるユウナちゃん達は”私達が知っているユウナちゃん達”じゃないのでしょうね………」
一方リンもユウナ達の反応を見てアルティナのように困惑し、エオリアは表情を引き攣らせて自身の推測を口にした。
その後リンとエオリアは互いが知る情報が食い違っている為、互いの情報交換をする為に帝都クロスベルにある遊撃士協会の支部まで同行し、そこで受付のミシェルも交えて情報交換を行いたいという申し出をし、二人の申し出に対してユウナ達は少しの間考えたり相談した後申し出を受ける事にし、リンとエオリアと共に星見の塔を降りて帝都クロスベルに向かった―――――
後書き
え~………今回の話でお気づきと思いますが閃Ⅳの布石となるキャラ達はまさかの原作ED手前のラストイベント時の新Ⅶ組メンバーです(汗)一体、このユウナ達はどの世界のユウナ達なんでしょうねー(遠い目)そしてこのユウナ達の登場によって原作閃Ⅳはどこまで原作崩壊しているのやら(汗)なお、今回の戦闘BGNは閃Ⅲの”Erosion of Madness”だと思ってください。
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