銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
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第九十二話 庭園完成
今回は短いです。
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第九十二話 庭園完成
帝国暦480年11月30日
■オーディン ノイエ・サンスーシ 日本式庭園 テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
いやいや、フレーゲル達のせいで本来であれば10月には完成していた庭園のお披露目が今日になってしましましたよ。そのせいで紅葉じゃなく初冬の庭園になっいます。
遅れた為にウォルフは大尉昇進後イゼルローンヘ向かってしまい、参加出来ないんですよ。
あとメックリンガーは今回の移動でローエングラム駐留艦隊の非常勤参謀に任命して、参謀しながら創作活動に専念して貰う予定です。ワーレンはそのまま教官で行きます。
ロイやビッテンはイゼルローン勤務のままで今回大尉に昇進しました。
シルヴァーベルヒとグルックも田舎から呼び寄せてローエングラム領のオーデイン事務所の無任所スタッフとして内務省から移動させました。
今日ですが、爺さんが父様に復古調庭園を寄贈するという形で行うのですよね。
参加者は、父様、私、母様やアンネローゼを含む父様の寵姫達などで、
今回はあくまでプライベートで行い、その後に大々的に人を呼んでお披露目をする予定なのですよ。
まあ私は既に数日前に完成を見てますからね。
時間はかかりましたが、ロベルト・ミッターマイヤーの自信作になると思いますよ。
池を配して築山や中之島を造り、滝が流れる川や竹林など、
私の趣味全開の庭園になっています。枯山水庭園も近くに造りましたよ。
さらに池には金閣寺のような寝殿造りの和様な建物が突きだしています。
建物で一番大変だったのが、畳です色々調べて心材はウレタンですが、
外装に藺草系の草を発見させ、それを編んで畳表もどきを造りました。
寝殿造りには茶室を造りましたが、未だに御茶を点てる事は出来ませんね。
床の間には私が書道で書いた掛け軸が飾ってあります。
漢字で【天照皇大神】って書きましたよ、昔の記録から見た字だといってあります。
爺様と説明係に抜擢されたカロちゃんとロベルト・ミッターマイヤーが正装で並んでいます、
爺様は飄々として、カロちゃんは優雅にしていますけど、ロベルトは完全にカチンコチンです。
父様が現れると、私たち以外は最敬礼してますよ。
それにロベルトは完全に跪いたままです。
それで爺様が、父様に目録を渡すんですよね。
「皇帝陛下に於かれましては、ご機嫌麗しく」
「うむ、卿も元気そうじゃな」
「お陰をもちまして」
「して、今日はなんじゃな?」
「はっ、この度嘗て有りました、庭園を復古させましたので、陛下に献上致します」
「グリンメルスハウゼンよ、大儀である」
「御意」
「して、そこの者は何者じゃ?」
「はっこの者は、庭園の制作施行を行いました、ロベルト・ミッターマイヤーと申す者にございます」
「ふむ、此ほどの庭園を作り上げるとは、見事な者じゃ」
「御意」
「卿の顔が見て見たい、ミッターマイヤーとやら、面を上げ」
ロベルトは内心は心臓はバクバクしていたが、意を決して顔を上げる。
「うむ、ミッターマイヤー、見事じゃ。賞めて遣わす」
「ありがたき幸せにございます」
「うむうむ、此からも励め」
「御意」
良くやりますね、事前にシナリオが出来ているので、すらすらと話が進んでいきますよ。
いよいよカロちゃんの出番です、普段の忍姿《しのぶすがた》とは違い艶やかな姿です。
一度ニンニンって言わせたら、馬鹿受けでしたけどね。
「皇帝陛下、祖父に変わりまして、私がご案内致します」
「うむ、頼むぞカロリーネ」
「御意」
それからカロちゃんの独壇場でした、確り私がレクチャーしたかいがありましたよ。
「アレはどう言う意味じゃ?」
「枯山水とは、石と砂で島や水を表す方法でございます」
母様達も質問や散策をしています。結構皆さん評判が良いようで、落ち着くとか風が爽やかだとか行ってますね。でもアンネローゼは目立たないように余り動きませんね。
私としても各寵姫の方々にご挨拶をしていますから、必然的にアンネローゼの元へも行くわけですよ。
「グリューネワルト伯爵夫人、ご機嫌麗しく」
いきなりの挨拶に驚いてますね。
「テレーゼ様、ご機嫌麗しく」
「庭園はどうですか?」
「凄くすてきでございますね」
「私もこんな庭園は凄くすてきだと思いますわ」
「そうですね」
「所で、弟御はおげんきですか?」
いきなり振られたから驚いてますね。
「弟は最近は幼年学校で勉学に励んでいるそうです」
知ってるんだけど聞いて見たのさ。
「まあ、それはそれは、是非ともまたお会いしたいですわ、
私、最近料理にも凝り始めして是非グリューネワルト伯爵夫人と弟御をご招待したいですわ」
「テレーゼ様、ありがとうございます、弟も喜ぶと思います」
「そう言えば、弟御と共に幼年学校へ行かれた者が居るとか」
キルヒアイスの事を言うかな。
「弟の友人が共に通っております」
「まあそれはそれは、弟御も心強いですわね」
「そう思います」
「では、その友人も招待しますわ」
「けど、テレーゼ様にお会いできるような身分ではございませんので」
「いいのですよ、料理の腕を是非見て貰いたいのですから、
ヴェストパーレ男爵夫人も招待しますから是非とも来た下さいね」
「テレーゼ様がそう言って下さるのでしたら、是非まいります」
「日時は決まったら、お知らせしますね」
「お願いします」
アンネローゼはまた隅に行っちゃった。
けど此で、仕込みが出来たわ、楽しみだね。
そうこうしている内に、屋敷の説明に入ったけど、案の定靴のまま入ろうとして脱がすのが大変な事になったですね、私はチャンと脱いで入りましたよ。
木の床や畳に驚く方々ですが、まあ見たこと無いから仕方が無いですよね。
特に茶室の狭さにみんな驚いていますよ、クローゼットなのかとかね。
まあ四畳半しかないですから、それは仕方が無い。
何れは着物で御茶を点てる予定ですよ、いま着物の資料を渡して布から制作始めています。
床の間に飾ってある掛け軸が私の作品だと聞くと、皆が旨いと賞めてくれました。
実際は、未だ未だなんでけどね。対抗するモノが無いから必然的に第一人者ですからね。
その後色々見ながら、終了しました。
最後に父様がロベルトに、帝室御用達の許可を与えました。
これはサプライズでしたよ驚きです。
此により、ロベルトは帝室の後ろ盾が出来たわけで、益々仕事が大変になるんだろうな。
こうして、庭園のお披露目は無事終了したのでした。
後日、変装してロベルトに会ったら、大変感謝されましたよ。
新しい形式を探し出すことが出来ましたって。良いことですね。
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