ドリトル先生と奈良の三山
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第九幕その四
「そうしたことを考えるとね」
「相当な技術を使って」
「人手もそうして」
「そしてね」
「かなりの技術を使っていて」
「そうして造られている」
「かなりの考えで」
皆も言うのでした。
「そうしたものね」
「それで造られていて」
「そこに何かの考えがあった」
「そうなのね」
「それは推察出来るけれど」
それでもとです、先生の言葉の中にある疑問は消えていませんでした。
「どうしてあの場所に二等辺三角形に配置したか」
「そうなると」
「余計にわからないわね」
「どうして二等辺三角形?」
「そう配置したの?」
「ピラミッドみたいに計算されていたの?」
「偶然と考えると」
「偶然ではないだろうね」
先生はその可能性はすぐにないと考えました。
「自然に出来たにしても二等辺三角形になるか」
「偶然だとね」
「それもないよね」
「偶然ってのはこの世で一番わからないことだけれど」
「そう、偶然じゃないと考えた方がね」
その方がというのです。
「自然だね」
「そうだよね」
「どう考えても」
動物の皆は先生とティーセットを囲んでそのティーセットとミルクティーを楽しみつつ言いました。
「やっぱり三山は人工のもので」
「あの山達は」
「二等辺三角形に配置されていて」
「そこには何かの考えがある」
「そこまでは考えられるけれど」
「どうしてそうしたのか」
「誰のお墓かわからないしね」
三山がそれぞれです。
「そのことも謎だし」
「帝か皇室のどなたか」
「そうでもないとあそこまでの技術と人手は使われない」
「このことも予想がつくわね」
「ある程度にしても」
「そうだけれどね」
本当にというのです、先生も。
「誰のお墓で三山をそう配置した理由は」
「考えば考えるだけわからなくなってきて」
「頭がこんがらがってきたわ」
「もう何が何だか」
「さっぱりになってきたわ」
「この辺りは論文に書いても」
そうしてもというのです。
「多分推察に過ぎないとね」
「書くしかないね」
「結局のところは」
「それしかないわね」
「うん、何しろそれについて書かれている資料はないし」
このことが一番の問題です、何しろ学問は資料から研究及び検証を行い答えを出していくものだからです。
「本当に考えてね」
「考察しかない」
「それしかないわね」
「残念だけれど」
「先生にしても」
「そうなんだ、答えは出ないよ」
はっきりしたものはです。
「あくまで推察だよ」
「それでしかないのね」
「三山の謎については」
「謎を提示して終わり」
「それだけなの」
「うん、何かね」
深く考えるお顔でご自身の紅茶が入っているティーカップを見てそうして皆にお話した先生でした。
「古代エジプトみたいだよ」
「あちらのことを調べているみたい」
「そうだっていうのね」
「あまりにも謎が多くて」
「そのせいで」
「ここはあれだね」
先生がここで考えたことはといいますと。
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