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天国と地獄<中世ヨーロッパパロディー>

作者:Gabriella
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11 人は皆、暗号解き好き。

_「間違いない、これはダンテの『神曲』です。でも、誰がなんのために?」

_「で、それには何て書いてあるんでィ?」

_「主人公である男が、登場する少女が地獄へ訪れるための案内人となる、という話です。
つまり、この部分から読み取れるのは、神楽ちゃんが何者かに『地獄』へ連れていかれた、という意味でしょう。」

_「『地獄』とは…悪魔族のところ、という意味か?」

_「そうかもしれないですわ。」

_「零杏は旦那を呼びに、
オレたちは先生に相談して、連れてくらァ。」

_「落ち合うのは、レイブンクローの寮の前でいいですか?」

_「あァ。わかった。」



それぞれがそれぞれの場所に散った。


話を聞いた銀時は、急いで支度をして、レイブンクローの寮の扉の前に立っていた。

_「よォ、多串くん。神楽が連れ去られた、って本当か?」

_「土方だ、って言ってるだろーが!怒
あァ。そうらしいな。
今 総悟が先生に折り合いをつけに行ってくれている。」



すると総悟が息を切らして待ち合わせ場所に来た。

_「ホグワーツからの外出許可が降りやした。で、今から校長室に行って、そこから行って、戻ってくる方法を教える、とのことでィ。」

_「ホント!?じゃあ、今から参りましょう!」

_「そうだな。」


校長室に着くと、代表で私がドアをノックする。

_「失礼します、グリフィンドール三年、零杏です。」

_「お入りなさい、」


と声がした。


中に入ると、校長先生と、
なぜか高杉たちもいた。

_「オイ、高杉ッ!
なんでそこにいるッ!?」

_「なんで?って、オレたちも呼ばれたからだ。」

_「晋助様が呼ばれたから、何事かと思って付き添いで来たら、こうなっていたんスよ。」

と、また子。
万斉は、黙ったままだ、

_「先生、これが落ちてました。」


と、さっきの紙きれを差し出す。


相変わらず『神曲』の箇所が順繰り回しに現れては消え、現れては消え、を繰り返している。
しばらくその紙きれを見ていた先生が、口を開いた。

_「これは、ダンテの『神曲』ですね、」

_「はい、しかもなんの偶然か、
誘拐された神楽ちゃんと一緒に受けているラテン語の宿題で出されていた箇所のものです。」


そうですか、と言ったっきり黙りこんでしまった校長先生がしばし沈黙したあと、口を開いた。

_「晋助、また子、万斉。
あなたたちは、零杏たちの護衛につきなさい、」

そして、と先生(かれ)は続ける。

_「そして、零杏たちは神楽を見つけることに最善を尽くしてください。
時は一刻を争います。場所は、悪魔族の麗奈様の屋敷です。戻ってくるための魔法は…知ってますね?」

_「『瞬間移動』の魔法ですか?」

_「はい、それです。
確か、三年生で習うでしょう?」

_「はい。ですがあれは…」

_「使用許可の責任は、私が取ります。さぁ、はやく!」


銀時が、私の肩を抱く。
みんなで手を繋いで屋敷へ向かう。



***


瞬間移動した先は、屋敷の玄関を入ったところだった。

杖を持ち、恐る恐る進んでいく。
 
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