転生とらぶる
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ペルソナ3
1979話
取りあえず今月のイレギュラーシャドウを倒す事には、無事成功した。
そうなれば次に問題になるのは、当然のように捕虜となったタカヤだ。
「それで? こいつは結局どうするんだ? 武治の所に連れていくのか、それとも幾月の所か」
個人的にはこいつと幾月を接触させるような真似はしたくないので、出来れば武治の下に連れていきたいところなんだが。
限りなく黒に近い灰色の幾月と、破滅願望を持つタカヤ。
この2人が揃ってしまえば、間違いなく面倒が起きる筈だ。
だが、この中で幾月がそのような人物だと知っているのは、あくまでも俺だけだ。
武治にその辺りの情報を流しはしているが、それを美鶴に教えるのは色々と不味いと判断しての事だったが……こういう時は、ちょっと失敗だったと思う。
美鶴が小さい頃から、幾月は美鶴のフォローをしてきた。
その結果生まれた信頼は、当然のように強い。
そんな幾月が実はお前を裏切っていた……そんな事を教えた場合、下手をすれば美鶴は折れる。
一見すると非常に強い心を持っている美鶴だが、強いからこそ折れやすいという一面もあるのだ。
武治としては、その辺りが心配なのだろう。
もっとも、美鶴が確実に折れるというのは、それこそ武治が何らかの理由で死んだりした時になると思うのだが。
ともあれ、そんな現状である以上、この状況で美鶴が口にする事は決まっていた。
「お父様は色々と忙しい。この件を知らせるにも、出来れば私からではなく理事長の口からの方がいいだろう」
当然のように、そう判断される事になる。
……ちっ、だがここで俺が妙に言い張っても、それは美鶴を含めてこの場にいる全員に色々と不自然さを感じさせ、最終的には幾月に疑問を抱かせる事になるか。
屋久島の一件から、既に幾月は自分が怪しまれているというのは感じている筈だ。
ゆかりの父親の映像の件で、誰が一番怪しいのかと言われれば、それは当然のように幾月なのだから。
そうなると……一旦幾月に預けて、影時間が終わったらすぐに武治に電話して情報を共有した方がいいな。
考えてみれば、この世界でも有数の企業グループ、桐条グループ総帥の電話番号を知っていて、いつでもすぐに連絡を取る事が出来るってのは……普通に考えれば、信じられない事なんだよな。
そんな風に思いつつ、美鶴の言葉に頷く。
「分かった。じゃあ、そういう事で。……なら、寮に行くから全員俺の近くに集まってきてくれ」
その言葉に、タカヤ以外の全員が俺の近くに集まってくる。
唯一タカヤのみが、何がどうなっているのか理解出来ないといった様子を見せているが……真田に強引に引っ張られ、こっちに近づいてくる。
「何があるんです?」
「さて、何だろうな。取りあえず経験してみれば分かるさ。それこそ、俺が言っていた、ペルソナではない力……ってのもな」
いやまぁ、実際にはペルソナでも転移能力とかあってもおかしくないんだが。
そもそもの話、タルタロスでターミナルという存在がある以上、ペルソナに転移能力がないとは言い切れない。
シャドウではあるが、死神も似たような能力を使ってるし。
俺の言葉に興味を持ったのか、やがてタカヤは特に逆らう様子もなく俺の近くに立つ。
「さて、いいか? じゃあ……行くぞ?」
そう告げ、次の瞬間俺の影が広がる。
もっとも、ここは建物の中……それも影時間の最中だ。
当然そのような状況で影が広まっても、これから何が起きるのかが分からないタカヤには、それを理解出来る筈がない。
理解出来るのは……次の瞬間、影に足が沈み込み始めてからとなる。
「なっ!?」
今までは泰然自若とした態度を崩さなかったタカヤだったが、さすがに影に自分の身体が沈んでいくというのは初めての経験だったのだろう。
その口からは、当然の如く驚愕の声が上がっていた。
……うん、まぁ、それは大体予想出来ていたけどな。
ちなみに、当然ながらそれを予想していたのは俺以外の面々も同じであり、タカヤの様子を見て口元に笑みを浮かべている者は多かった。
「落ち着け。これもペルソナではない力の1つだ」
そう告げるも、当然俺の言葉を全て信じる訳もなく、タカヤは予想外に鋭い視線を俺に向けてくるだけだ。
いやまぁ、それはそれで別にいいんだけどな。
この状況から何をどうしたところで、結局のところどうしようもないのは事実なのだから。
そうして、身体全体が影に沈んだ瞬間……俺達全員の姿は、巌戸台分寮にあった。
「ここは……」
「巌戸台分寮。そうだな、俺達……って訳じゃないが、そっちの美鶴達の本拠地だ」
「それはつまり、一瞬であの場所からここまで移動してきた、そういう事ですか?」
「そうなるな。まぁ、お前にとってはちょっと理解出来ないかもしれないが……俺が言っていた、ペルソナではない別の力の一端。それを体験した気持ちはどうだ?」
そう告げる俺に、タカヤは唖然と……もしくは愕然と、か? ともあれ信じられないといった視線を向けてくる。
まぁ、今のところ俺が知る限りはペルソナに転移能力の類は存在しない。
これから習得する可能性はあるが、少なくても今の時点では存在しないのだ。
「アクセル、中に入るぞ。理事長にその男の事を説明する必要がある」
「分かった。……って訳で、行くぞ」
まだ何か考えている様子だったが、タカヤは大人しくこっちの指示に従う。
もし逃げだそうとしても、今の状況では不可能だと、そう理解しているのか。
ともあれ、こっちとしては素直に動いてくれるのは助かる。
……影のゲートをその目で直接見て、体験して……それでようやく本当にペルソナ以外の力というものがあると考えたのかもしれないが。
けど、炎獣とかを見れば、それは完全にペルソナとは違う力だと理解してもおかしくなさそうだけどな。
寧ろ、炎獣がペルソナだと認識したりするのか? ……可能性としてはあるか。
そんな風に考えながら、寮の中に入る。
そして、当然のように俺達を出迎えるのは幾月だ。
「お帰り。怪我はないかい? ……その、上半身裸のその人は? もしかして……」
俺達を見て嬉しそうに笑みを浮かべて出迎えた幾月だったが、タカヤに視線を向けると、不思議そうな……いや、不審そうな、か? ともあれ、そんな感じの視線を向けてくる。
うん、まぁ……分からないでもないけどな。
上半身裸で頭に輪を嵌めている今のタカヤは、どこからどう見ても不審者以外の何物でもないのだから。
そんなタカヤが俺達と一緒にいて、それも影時間の中で一緒に行動しているのを見れば、新しいペルソナ使いか? と思っても不思議ではない。
もしかして……と言い掛けたのは、多分その件なのだろう。
それは美鶴も理解出来たのか、すぐに首を横に振る。
「いえ、彼はペルソナ使いではありません。……いえ、ペルソナ使いではあるかもしれませんが、私達の仲間ではない、と言うべきでしょうか」
「それは、どういう事かな?」
「彼は、私達が今回のイレギュラーシャドウを倒す為に向かった先で遭遇しました。その主張としては、影時間をなくすのは止めろと、そういう事でした」
「それは……いや、けど……」
何かを言い掛けた様子の幾月だったが、美鶴はそれに対して分かっていると頷きを返す。
「はい。当然私達がそれを受け入れるような事は出来ません。それで一触即発の状態になったのですが……アクセルが彼を捕虜にする事に成功しました」
「……ほう。それは随分とお手柄だったね」
「そうでもないさ。そこまで難しい事をした訳じゃないし」
その言葉にタカヤが一瞬だけ不機嫌そうな表情を浮かべる。
自分を捕らえるのを容易く行われたというのは、やはり面白くなかったのだろう。
「そんな訳で、彼の身柄をどうすればいいのかを相談したいのですが……」
「うん? 僕にかい? けど、彼を捕らえたのはアルマー君なんだろう? 僕達の方でその辺りを決めてるのは……」
こっちに視線を向けて尋ねてくる幾月の言葉だったが、俺がタカヤを捕虜にしたからといって、タカヤを収容、もしくは閉じ込めておけるような場所はない。
そうである以上、俺が出来る手段は……それこそ殺すというのが一番手っ取り早いものがある。
だが、そもそも情報を入手する為に捕らえた以上、そんな真似をする訳にはいかない。
「構わないさ。俺がこいつを引き取っても、問題しかなさそうだし。であれば、桐条グループの方でこいつを引き取って、しっかりと情報を引き出して欲しい」
問題なのは、誰がタカヤから情報を引き出すのかという事だな。
武治も既に幾月を疑い、状況証拠から考えれば完全に黒であると思われる以上、情報を引き出す役目を幾月だけに任せるという訳にはいかないだろう。
その場合、重要な情報は一切上がってこない可能性があるのだから。
もしどうしても幾月に任せる……それこそ、自分達は幾月を疑ってはいないというのを示す為にそのような行動に出るとしても、その時は間違いなく他にも人を同行させる筈だ。
こうなると、幾月にペルソナ適性がないというのはかなり大きいよな。
千差万別と呼ぶに相応しいペルソナは、それこそ単独で何か行動を起こす時にはこれ以上ない程の威力を発揮するのだから。
召喚器が必要という条件はあるが、隠密行動や破壊活動といったことをする際に、極めて強力な能力を持つのは間違いない。
……まぁ、タカヤの話を聞く限りだと、召喚器なしでペルソナを召喚出来るようだが。
ああ、それともジンと別れた時に渡していた何かは、実は召喚器だったりするのか?
「分かった。じゃあ、彼についての情報の聞き取りはこちらでやらせて貰おう。影時間が終わったら、すぐに彼を桐条グループが所有している施設に連れていくよ。それで……誰か、僕と一緒に来てくれると助かるんだけど。僕は知っての通り、ペルソナは使えないし。どうかな?」
「分かりました、では私と……明彦、頼めるか?」
「俺か? いや、いいけどよ」
美鶴の言葉に、真田は若干面倒そうな表情をしながらも頷きを返す。
真田の性格から考えて、誰かを連行していく……といった行為はやはり面白いとは思っていないのだろう。面倒臭いとすら考えている可能性があった。
それでもきちんと引き受けたのは、やはりタカヤの持つ情報と……何よりその存在が、これから色々と重要になってくると、そう思ったからだろう。
「おや、アクセルでしたか。貴方とは、ここでお別れのようですね」
「そうだな。けど、安心しろ。お前が妙な真似をしようとすれば、俺がすぐにお前をどうにかしてやるよ。それが出来るのは、お前ももう分かっているだろう」
「ええ、存分に。まさかあのような真似が出来るとは思いませんでしたから」
内心をこちらに悟らせない、そんな笑みを浮かべる様子は、何かを企んでいるのは間違いないと、そう態度で示している。
タカヤであれば、俺がその気になれば人を殺す事に躊躇いを覚えないというのはしっかりと分かっている筈だ。
それでも尚このような態度を取るというのは、自分であれば死なないと思っているのか、それとも……やはり、破滅願望の持ち主だからか。
その理由はともあれ、これからずっと桐条グループに捕らえられているという事はないと考えた方がいいだろうな。
「取りあえず武治には俺の方からも連絡しておく。影時間が終わった電話でもすれば大丈夫だろ」
「……いえ、そこまでアルマー君に迷惑を掛けるのは、正直どうかと思います。その辺りは手間でしょうから、こちらでどうにかしますが?」
俺の言葉に、幾月がそう返す。
さて、これは何を考えての事なのやら。
自分が怪しまれているというのは、幾月も承知している筈だ。
その上でこういう風に言ってきたという事は、何かを企んでいる証拠だと、そう思ってしまうのは決して俺の気のせいって訳じゃないだろう。
だが、幾月の言葉に付き合うようなつもりはこっちにはない。
下手に幾月に何か動かれれば、厄介な事になるのは間違いないのだ。
である以上、こちらとしてはそうされるよりも前に手を打つのが最善の選択だった
「心配するな、元々武治に連絡を取る用事があったからな。今回のはそのついでだよ」
……考えてみれば、影時間が終わった頃……日付が変わってから世界の桐条グループの総帥に電話を掛けるってのは、かなり非常識な行為なんだよな。
もっとも、影時間の訪れる時間を考えれば、その辺りは仕方がないのかもしれないが。
「そうかい、分かったよ。ならそちらはアルマー君に任せよう。総帥は、そー……薄いソースを好むから、お好み焼きを差し入れしたらどうだい?」
「……そうだな」
取りあえずいつもの駄洒落に関してはスルーして、俺は影時間が終わるのを待つのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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