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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第八十九話 ブラウンシュヴァイク公の憂鬱な日


フレーゲルガクブルかな。

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第八十九話 ブラウンシュヴァイク公の憂鬱な日

帝国暦480年9月21日

■オーディン ノイエ・サンスーシ  オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク

本日陛下からエリザベートの将来に対して、火急の用があるとの事で参内した。
陛下からは、家族総出で来る様にとのお話であったので、アマーリエとエリザベートを伴って参内した。
昼過ぎにノイエ・サンスーシの謁見室で陛下にお会いした。

「皇帝陛下に於かれましてはご機嫌麗しく」
「お父様、お久しぶりでございます」
「お爺様、ご機嫌麗しく」

「オットー、アマーリエ、エリザベートよう来た」
陛下がにこやかであるな、悪い話では無いようだな。
扉が開いて誰かが入ってきたな。

「テレーゼ来たか」
「はいお父様」
テレーゼ皇女が入室してきたのか。

「テレーゼ様にはご機嫌麗しく」
アマーリエよお前の妹だが今は我らは臣下だ、挨拶をしてくれ。
「テレーゼ、久しぶりですね」

アマーリエよ、余り儂を困らせないでくれ。
「テレーゼ様にはご機嫌麗しく」
エリザベートよよく言ってくれた。

「オットー義兄様、アマーリエお姉様、エリザベートちゃん、いらっしゃいませ」
「テレーゼ、今から予はオットーとアマーリエと大事な話があるので、エリザベートと共に遊んできなさい。
エリザベートもテレーゼと一緒に行ってきておくれ」

「はい、お父様」
「はい、お爺様」
「エリザベートちゃん、何して遊ぼうか?」

女官が2人を連れて出て行く。
これから、話が始まるのか、エリザベートの婚姻の事であろうか、
それともルードヴィヒ兄上に子が出来ぬ為にエリザベートを皇位継承者として決めて頂けるのであろうか、何しても楽しみな事だ。

「オットー、アマーリエよ。今日は来て貰ってすまぬな」
「とんでもございません、臣たるモノ陛下のお召しあれば直ぐに参内するのが勤めでございます」
「お父様、エリザベートの将来とは、婚姻の事でございましょうか?」

ん?陛下のお顔に陰りが見られ始めたが如何したのだ?
「うむ、このままでいくと、ブラウンシュヴァイクの家は消え去るやもしれんのだ」
陛下のお言葉がわからん、当家が消え去るとは?

「お父様、冗談はおよしになってくださいませ」
「アマーリエ、本気じゃ。大変な事が起こってな」
「貴方、何かしましたの!」

アマーリエよ、儂に怒りを向けるな、儂とて心当たりが無いとは言えないが、それほどのことはないぞ。
「陛下、我が家が消え去るとは、いったい如何した事でありましょうか?」
「うむ。先月、装甲擲弾兵副総監オフレッサー邸が襲撃を受けたのじゃ」

「その様な話、初耳ですが?」
「うむ、事が事だけに箝口令をひいておいたのじゃ」
「お父様、その襲撃が何故我が家に関係してくるのですか?」

「襲撃犯を操っていたのが、憲兵隊副総監クラーマーであったのじゃ」
しかしクラーマーが犯人であっても我が家との関係は精々パーティーで会ったぐらいだ。
「お父様、クラーマーなる者が我が家と何の関係がありましょうや?」

「クラーマーを捕らえて尋問した際、ブラウンシュヴァイクが示唆したと告白したのじゃ」
何と言うことだ、身に覚えにないことであるし、陛下には確りと説明しなければ成らんな。
「貴方!それは本当なのですか!」
アマーリエよあまり怒るな、怖いではないか。

「陛下、大神オーディンにかけて、臣はその様な事を一度として命じたことはございません」
「お父様。夫もこう言っています、その者が夫を落とし入れようとしているのではありませんか?」
「アマーリエ、予もそう思いたかったが、悲しいが証拠があるのじゃ」

陛下が、端末のスイッチを入れるとモニターに画像が流れ出す。
クラーマーが尋問を答える姿が映るが、何だとヨアヒムと儂が示唆したと話して居るではないか。
妻を見ると、更に段々不機嫌になっていくのが判る、妻は癇癪持ちだからまた怒られるではないか。

「貴方!フレーゲル男爵と共謀して示唆したと言っていますが!本当なら早く言いなさい!」
「陛下、示唆など身に覚えがございません。確かに甥にオフレッサー大将を何とかして欲しいと相談は受けましたが、諦めよと諭しております」

精一杯反論せねば、陛下も妻も怖いわ。
「卿の甥、フレーゲルの会話を密告してきた者がおってな、それに驚くべき事があったのじゃ」
ヨアヒムだと、まさか勝手なことをしでかしたのではあるまいな。

陛下がまたスイッチを押し画像が流れる。

そこには、甥であるヨアヒムが勅命を無視して、オフレッサー邸を襲撃させる企みを話し合う姿が、撮されている。更にその原因が単に楽をしたいだけと言う、呆れるほど馬鹿な理由であるのが情けない。
しかし、勅命無視は謀反と同じ、何と言うことをしてくれたのだ!

しかも、儂が何とかしてくれるだと!幾ら亡き妹の子とは言え、甘やかして育てすぎたのか、儂の教育が間違っていたのは今更ながら後悔しても仕切れない。
我が家の歴史も儂で終わりやもしれんが、エリザベートには罪が行かぬようにお願いしなければ成らん。

「お父様、フレーゲルが主犯であるならフレーゲルを処刑すれば宜しいのではありませんか?」
アマーリエ、そうはいかんのが、貴族というモノであろう。
「陛下、甥フレーゲルがあの様になったのは、私の監督不行きでございます、如何様な罰も受ける所存なれど、アマーリエとエリザベートには罪なきようにお願い致します」

「貴方・・・」
ふ、最後ぐらい情けない姿は見せたくないのでな。
「ブラウンシュヴァイクよう、言った!」

陛下の大きな声も初めて聞くかもしれんな。
「オットーよ儂は、今回の事は出来うる限り穏便にしたいのじゃ、皇室の藩屏としてのブラウンシュヴァイク家を潰したくはないのでな」

皇帝陛下がこれほどありがたき感じた事は無かった。
「陛下、ありがたきお言葉」
「さりとて、このままで置くことも出来ぬでな、卿に協力して貰いたい事がある」
「はっこのブラウンシュヴァイク公オットー、陛下のご命令であれば嫌ような事はございません」

「この度の事件を起こした憲兵隊を一気に改変する事にしてな、それを行うに当たり不平不満を言う貴族も多数出ようが、それをオットーが静めて欲しいのじゃ」
その様な事で我が家が無事であれば、全力で行うまでだ、
リッテンハイムが五月蠅かろうが、それも多くの貴族を宥めれば自然と何も言えなくなるであろう。

「陛下、ブラウンシュヴァイク一門の総力を挙げ陛下の改革に文句は言わせません」
「貴方、頑張るのですよ」
「うむ、オットー、アマーリエよ期待しておるぞ」

「御意」
「お父様。任せて下さいませ、夫が怠けたら私がシバきますから」
「ハハハ、アマーリエ頑張るのじゃぞ」

ふう、陛下と妻の機嫌も直ってホッとしたわ、しかしあの馬鹿めどうなるのか。
「オットーよ、クラーマーの死罪は免れぬが、
フレーゲル達は、オフレッサーが今回限りは我慢しても良いと言っておる。

予としても死罪は免除しても良いと思っているが、
あの怠け癖などや成績不良はどうしようも成らん、
そこで、特別クラスを造りフレーゲル達を再教育することにするが、何か意見はあるかの?」

陛下のお考えに全く意見がない、あの馬鹿も少しはまともになると良いが、どうであろうか。
「陛下のお考え誠に素晴らしく意見など何もございません」
「お父様、いっその事何処かへ送って苦労をかければいいのですわ!
それに2度と当家の敷居は跨がせませんわ!」

アマーリエは相当頭に来ているようだな、ヨアヒムは2度と浮かばれまい、
しかし此も自業自得というモノか。幾ら甥とは言えそこまで庇ってはやれぬ。

「オットーよ、3時よりフレーゲル達とその親たちに参内するように命じて居る。
此より国務尚書達とフレーゲル達を呼び出し詮議いたすので参加せよ」
「御意」

儂も肩身が狭い思いをするのか、致し方ないことだ。
「オットーよ国務尚書達は全員納得済みじゃ」
お分かりに成られていたか、ここは確りヨアヒムを罰せようぞ。

「アマーリエはテレーゼやエリザベートと共に居るが良いぞ、久々の実家であろう安心致せ」
「お父様、そうさせて頂きます。貴方!確りしなさいよ」
ふう、今日ほどつかれる日はないかもしれんな。

「オットー、今日は外部との連絡は禁止じゃ、判ったな」
「御意」



■オーディン ノイエ・サンスーシ ヨアヒム・フォン・フレーゲル

 本日、なんと皇帝陛下から参内せよとご命令を受けた、
しかもだ私の将来に対する事だという、
遂にテレーゼとの婚約が成立するのだ、此ほど嬉しい日はない。

ノイエ・サンスーシに到着すると伯父上と叔母上も参内しているらしい。
此は間違えなく婚約のことだ。伯父上感謝致しますぞ。

ウキウキしつつ午後3時になると、陛下の侍従が謁見室へ案内してくれる。
謁見室には、陛下の他に伯父上やリヒテンラーデ、帝国軍三長官に何故か原始人達もいた。
まあ、私の婚約だ原始人達のことは気にせずにいよう。
まずは義父上にご挨拶しなければな。

「皇帝陛下に於かれましてはご機嫌麗しく」
なにも反応がないのは、やはり娘を嫁に出す心境と言うのであるな、
大丈夫でございますよ、テレーゼは私が幸せに致しますので。

ん?また謁見者だと、リッテンハイム辺りがチャチャを入れに来たのか?

ん?なぜ卿等が来るのだ?
「陛下、フレーゲル男爵、ヒルデスハイム伯爵家族、アイゼンフート伯爵家族、シェッツラー子爵家族、シャイド男爵家族が集まりました」

みんな何故此処へ呼ばれたのだ?
「皆の者、今日呼んだのはお主等の今後のことについてじゃ」
今後の事とは?しかも陛下が怒って居られる。

「皇帝陛下におか・・」
「挨拶は無用じゃ!」
アイゼンフート伯爵の挨拶を陛下が遮った。

「此を見て見よ」
陛下は何を見せるというのだ、侍従武官がモニターに画像をだした。
ここれは。クラーマー中将が独白する姿や、我々が襲撃を相談する姿が流されている。
なななんと言う事だ。陛下達の私を見る目が厳しい、伯父上でさえ鋭い眼光で見てくる。

集められた仲間達も真っ青になってる、きっと私も真っ青なのだろう。
伯父上助けて下さい、伯父上であれば何とか成るでしょう。
そう思いながら伯父上を見るが伯父上は目を会わせてくれない。

陛下は、テレーゼの婚約者を捨てることはしませんよね。
私はテレーゼと共に帝国の藩屏たるべき存在なのですから。

「どうじゃ、この事言い逃れがあるか!」
伯父上が助けてくれるようだ、話してくれるの。
「陛下、誠に恥ずかしき事なれば、我が甥2人がこのような不忠を働くとは、
ひとえに臣の不徳の極みでございます。この上は陛下の御下知に全て従う所存でございます」

伯父上何を言うのですか、助けてください。
「ブラウンシュヴァイクの言や良し」
他の家族も皆同じように言い始めてしまった、最早逃げられんのか死にたくない。

「陛下、この者達は勅命を無視したのですから、死罪相当でございます」
リヒテンラーデめ、この私を死刑にする気か伯父上が最後には助けてくれるはずだ。
「ブラウンシュヴァイク、国務尚書はこう言っておるが、お主はどうじゃ?」

「はっ、陛下の御心のままに」
伯父上見捨てないで下さい。私は貴方の甥なのです。助けて下さいー。
陛下が黙ってしまった、死罪であろうか、死にたくない。



「陛下」
「どうした、オフレッサー」
「はっ、今回は我が家族にも被害はございませんでした。
更にフレーゲル男爵達は悪戯のつもりであった様でございます。
今回のみ死罪は回避し、この者達に再挑戦の機会を与えてやることは出来ませんでしょうか?」

オフレッサーが私たちを擁護してくれるとは。
「陛下、その様な事してしまいましては、帝国の威信に関わりますぞ」
リヒテンラーデ余計なことを言うな。

「うむ。国務尚書よ、今回は我慢してくれ。オフレッサーの言や良し」
「御意」
助かったのか。

「クラーマーは死罪じゃが、卿等はオフレッサーに免じて今回は助けて遣わす。
2度目は無いモノと考えよ!言わずと判るであろうが、役職は辞任せよ」

しかし、ノルディンとコルプトが呼ばれていないのはどう言う事だ、
彼奴等が密告したのか、おのれ今は無理だが何れ目にモノ見せてくれるわ。
暫くは大人しくしなければ成るまい。何れ閑居も解けるであろう。

そう思ったが、そのまま部屋へ軟禁されてしまったが、
明日になれば出られるであろう。
その後伯父上に謝って取りなして頂こう。


■オーディン ノイエ・サンスーシ  テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム

 今日の会議を後で観察したけど、まあみんな演技が旨いって言うかなんて言うか。
リヒテンラーデ候がきつい事を言って、襲撃を食らったオフレッサーが助け船を出して、
オフレッサーの度量の良さを見せて、それを採用して父様の度量も見せる素晴らしい作戦ですね。

フレーゲルは反省しないだろうけど、他の連中は父様に安心感を持つはずですよ。
本来なら一族死罪で可笑しくないのですから。
典礼尚書は辞任するでしょうから、後釜はマリーンドルフ伯爵を推薦しますかね。

しかしフレーゲル達は何処へ送ろうかな、取りあえず478年度は全員実力テスト行って駄目なら別施設で再教育することにしましょうね、フレーゲル達はもっととんでも無い所へ送って教育ですね。


それとエリザベートと遊んだんですけどね。
叔母より姪が一歳年上ですからね、あり得ないですよ。
まあ、向こうも皇孫だけど、親のしつけの問題か私に対しても結構尊大ですね。

あれは何れ何とかしないと人望無くしますよ。
姉は母様のことが好きじゃないので、
私のことも好きでないようですからかそれが出るんですかね。

OVAで見たザビーネの方が可愛い気がするんですよね。
攫ってきて育てたいですね、今から育てれば良い子になるはずですよ。
まあ、無理ですけどね。

 
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