魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第六十話
「こんな所で何をしていたんだ?一夏、姉さん?」
「ほぉ…きぃ…?」
あ…れ?なんで…箒が…こんな…所…に?
「それはねー、久しぶりに会ったから二人でイチャイチャしていたのさ!」
そんな風に言う束さんの声が、まるで別世界の事のようだった。
フラフラと覚束無い思考で、箒がここにいる理由を考える。
あぁ…だ…め…考え…まとまら…な…い…
「わー…いっ君凄い顔だねぇ…アへ顔って奴?」
「姉さん、流石にその言い方はどうかと思うぞ。
せめてトロ顔と言うべきではないのか?」
「おぉー!箒ちゃんの言う通りだねぇ」
なん…の…はな…し………?
「あー…ダメだねコレ…箒ちゃん。ちょっと手伝って。
話はその後だね」
「そうですね、姉さん」
そのあと、気付けば自室のベッドに寝かされていた。
まだ祭の音が聞こえているから、大して時間は経っていないだろう。
「あれ…?なんでこんな事に?」
そう、たしか…
月日の前で口を滑らせて…
そこから尋問されそうだったから逃げ出して…
束さんに会って…一緒に屋台を廻って…
雑木林で……
「あ」
そうだ、箒に不意討ちされて…
カァーっと顔が赤くなる。
えーっと、そうだ、うん、魔法、魔法を使おう。
まずは…えーっと…あれ?
そ、そうだ!血流操作で…
うん、コレでいい!
顔は赤くないな。うん。
えーっと…次は、そう!アマノハゴロモを…
「おお、一夏起きたか」
「ぴゃぁぁーー!?」
いきなり戸を開けた箒に驚いて、おかしな声を上げてしまった。
「その反応を見るに枷は外しているようだな」
後ろ手で戸を閉めて、箒が歩いてくる。
「まって!今魔法使うからこっち来るな!」
今箒と話してたら何を口走るか分かったもんじゃない!
しかし、箒は依然としてこちらへ歩みを進める。
「一夏…」
そして、俺は、箒に押し倒された格好になっていた。
「一夏…今は"枷"をはずしているんだろう?」
「あ、あぁ、そう…だが」
「よかった」
へ?よかった?何が?どうして?
というか、この状況は何?
「一夏」
「な、なんだ箒?」
「私は、お前が好きだ。異性として、好きだ」
え?え?な、いきなり、何を…?
「気付いていたのだろう?私がお前を好いていると」
知って…いた…だけど、それは…
「無論、お前と姉さんが恋人同士なのは知っていた」
あれ…結構上手く隠してた筈なんだが…
「お前は顔に出やすいからな。お前が姉さんの話をするとき、いつも優しい微笑みを浮かべていた」
あぁ…そうなの…か…
「でも…だったら何故?」
「お前にとって、私は妹のような、下手をすれば娘のような存在なのかもしれない」
確かに、その通りだ。
俺にとって、箒は護るべき対象で…
「だがな、思い人に見向きもされないのは、中々に辛い物だ。
だから、お前が枷を外している今ならば、お前も私の事を見てくれると思ったのだ」
なるほど…あのキスは、そういう理由だったのか。
「私は、お前を愛しているのだ。
家族愛ではなく、無論、それもあるが、何よりも異性としてお前を愛している」
箒の、ありったけの"想い"。
だけど、俺はその想いには応えてはいけない。
「ゴメン、箒。俺は、束さんが…」
好きだから、そう言おうとする前に、再び戸が開かれた。
「私が、どうかしたのかい?」
「束さん……」
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