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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1973話

 夏休みも8月に入ると、わくわく感といったものも減ってくる。
 何をするにしても、やはり慣れというものはあるのだ。
 次の満月までは後数日。
 それまでの間、俺がやるのはタルタロスに1人で向かってハイレグアーマー……ではなく、様々なマジックアイテムやら何やらを手に入れ、もしくはシャドウを倒す事か。
 今までの階層を攻略し直し、既に幾つかのハイレグアーマーを入手はしている。
 ……最初、65階から何度か攻略したが、ハイレグアーマーは1つも手に入らなかったんだよな。
 多分、ハイレグアーマーの入手する階層は決まっているのだろうと判断し、俺は以前ハイレグアーマーを入手した階層でスライムを使いまくった。
 結果として様々なマジックアイテムを入手する事に成功し、桐条グループからもかなり感謝され、相応の謝礼も貰った。

「……だからといって、最近少し頑張りすぎではないか?」

 銀座にある料亭で一緒に食事をしていた美鶴に、釘を刺される。

「そう言ってもな。別にそこまで苦労していないぞ? 結局シャドウってのは俺に掛かれば雑魚同然だし。……ただ、俺がペルソナを持っていないせいか、シャドウが逃げないのは面倒臭い」

 例えば、2階、3階といった場所にゆかりがいれば、イオの強さを本能的に察してか、シャドウは襲い掛かるような事をせずに逃げ出す。
 だが、俺はペルソナ召喚能力を持っていないからか、シャドウは一切逃げ出すような真似はせず、普通に攻撃してくるのだ。
 それこそ、2階、3階のシャドウであろうとも。
 ……もっとも、ゆかりと一緒だったりすれば話は別だが、俺1人で行動する時は基本的にスライムで一気に制圧する感じだ。
 それこそ、幾らシャドウがいてもスライムに掛かればどうという事もない。
 宝箱を集めるという意味でも、これが一番手っ取り早い。

「ふむ。そう言えばそうだったな。……やはりシャドウはペルソナを強力な敵として認識しているのか……だが、多少の知能や本能といったものがあれば、アクセルと自分の力の差には気がつきそうなものだが」

 しんじょとかいう、エビと魚のすり身に出汁の餡が掛かった料理を食べながら、美鶴が呟く。
 その辺は俺も気になるところなんだがな。
 季節の食材ということで、鮎の塩焼きを味わいながら、首を横に振る。

「そう言われてもな。正直なところ、シャドウがどうこう、ペルソナがどうこうってのは、それこそ俺じゃなくてシャドウの研究をしている桐条グループの方が詳しいと思うんだが。……まぁ、今はそれどころじゃないってのも分かるが」

 ゆかりの父親の映像に加工されていた件で、現在桐条グループは色々と騒がしいらしい。
 今日俺が銀座にある料亭なんて、一体普通に食べるだけなら幾ら掛かるか分からない場所に武治から招待されたのも、恐らくその辺りが関係してるんだろうし。
 もっとも、その一件で武治はまだここに来ておらず、俺と美鶴は2人で高級料亭の和食をしっかりと味わう事が出来ていたのだが。
 桐条グループの仕事というのは、かなり忙しい事の証だろう。

「……そう言えば、死神はどうした? 最近遭遇したという話を聞かないが?」
「そうだな。最近は全く遭遇していない。死神が何を考えているのかは、俺にも分からないが……倒しても、どうせ意味はなさそうなんだよな。正確には殺しきれない、と表現するべきか」

 実際、以前の戦いで大きなダメージを与えた事も何度かあったが、結局次に出てきた時は完全に回復していたし。
 完全に殺せれば話は別なんだろうが。
 ……鬼眼でも使ってみるか?
 あれは効果がランダムだから、場合によっては即死の効果とか、そういうのが出る可能性もある。
 もしくは、回復阻害とか、石化とか……魅了とか出たら、どうなるのやら。
 死神にアプローチされても、ちょっと応えるのは無理だぞ。
 そもそも、あの死神は顔からして妙な仮面を被ってるし。……実は、あの仮面を取れば美形だったりするのか?
 そんな風に思わないでもないが、それを確認したいかと言われれば、答えは否だ。

「美鶴の方は、夏休みに入ってからどうなんだ? タルタロスにも結構挑んでいるようだけど」
「ふむ。タルタロスの方は順調だな。学校の方も問題はない。ただ……」

 言葉を濁すのは、やはり桐条グループの方が問題だからだろう。
 幾月が怪しいと、そう思うんだがな。
 ただ、それはあくまでも俺の予想であって、実際にそうなのかどうかは分からない。
 もしかしたら……本当にもしかしたらだが、実は幾月は良い奴って可能性も限りなく小さいが、可能性はあるのだから。

「桐条グループの件も分かるが、美鶴は高3だろ? それこそ、進路の事で忙しいんじゃないか?」
「進路、か。私は特に問題はないさ」

 さらりとそう告げる美鶴だったが、成績は常に1位の美鶴だ。
 受験勉強の類も特にする必要はないのかもしれないな。
 だが……そんな俺の予想を覆すかのような事を、美鶴は口にする。

「私は高校を卒業したら、そのまま桐条グループの経営に関わるつもりだ」
「……また、何でだ? 今の状況で美鶴が桐条グループの運営に関わる必要はないだろう?」

 例えは悪いが、武治が死んでいたりすれば、美鶴が桐条グループの経営に関わってもおかしくはない。
 だが、その武治は今はまだ元気だ。
 とてもではないが、美鶴が急いで桐条グループの経営に関わらなければならないとは思えないのだ。

「お父様が総帥を継いでから……そして何より、今年に入ってからシャドウの活動が活発になり、お父様にとってかなりの負担となっている。幸い、今はまだ身体に何も悪影響はないが、この状態のまま時間が経てば、恐らく数年……そこまでいかずとも、1年かそこらでお父様の身体に悪影響が出てくるのは確実だ。私は、それをどうにかしたい」
「……なるほど。この場合、桐条グループがこの世界でも有数の企業だというのが、悪影響を及ぼしてるんだろうな」
「そうだな。桐条グループの総帥ともなれば、当然仕事も多い。それも適当にどうにか出来るような仕事ではなく、それこそ下手な判断をすれば、それだけで多くの……数万人、もしくはそれ以上の者達を路頭に迷わせる事にもなりかねない。だが、桐条グループがそれだけの組織だからこそ、現在影時間やシャドウに対して何とか出来るだけの技術を保有しているのも事実だ」
「そんな武治の手伝いをしたい……という訳か」
「うむ。幸い……というのはどうかと思うが、今の私は影時間についてはかなり詳しいという自覚がある。少なくても、お父様にそちら方面での負担を掛けないようには出来ると思う」
「武治はこの事を知ってるのか?」

 そう尋ねると、美鶴は首を横に振る。

「いや、まだ言っていない。……丁度良いから、今日言おうと思っていた」

 美鶴が付け足すようにそう言うが、もしかしてそれは俺がいるからか?
 そもそも、今まで進路についてはどうしてたんだ?
 高校3年の夏休みともなれば、既に自分の進路はほぼ決まってる……そんなイメージが俺にはあるんだが。
 高校2年くらいの時から既に進路希望調査とかは行われている訳で、その時は多分……いや、間違いなく進学としていた筈だ。
 桐条グループ総帥の令嬢が高卒で就職するなどという事は、普通なら到底考えられないのだから。
 勿論進路調査はその時点での調査でしかない以上、絶対それに従わなければならないという事はない。

「影時間の件って話だったが、そもそも影時間は後6匹イレギュラーシャドウを倒せば消えるんだろ? なら、美鶴が卒業するまでには影時間はなくなると思うんだが」

 正直、これは幾月の説である以上、心の底から信じられるかと言えば、素直に頷く事は出来ない。
 その辺りに言及していたゆかりの父親の映像も、加工されていたしな。
 だが、それでも今のところ解決しそうなのがその説しかない以上、それを前提に動かなければならないのも、事実なのだ。

「そうだな。だが……影時間に関してはともかく、シャドウに関してはそうもいかない」
「……何? それは一体、どういう事だ?」
「影時間に関しては桐条グループが生み出したものだが、シャドウという存在はこの世界に昔から存在していたのだ」

 美鶴の口から出た言葉に、唖然とする。
 俺は影時間とシャドウというのは同時に生み出されたんだと思っていた。
 だが、実際にはそれは違うと美鶴は言う。
 それはつまり、もし影時間の件が解決しても、シャドウという存在はまだ生き残り続けると、そういう事になる。
 それこそ、俺達が解決しようとしている影時間の規模程ではないにしろ、この世界のどこかでシャドウに喰われた影人間……無気力症と呼ばれている者が増えるという事になる。

「それ、本当なのか?」
「事実だ」

 俺の疑問に答えたのは、今まで話していた美鶴ではなく、襖を開けて入ってきた人物……武治だった。

「お父様!?」
「遅れてすまんな。こっちのほうでも色々と面倒な事があってな」
「例の裏切り者か?」
「そうだ。……残念ながら、まだその正体は掴めていないがな」

 そう告げる武治だったが……さて、それは本当なのやら。
 幾月を信頼している美鶴の事を考えると、もしその辺りについて調査が進んでいても、娘を心配させるような事はしたくないと、敢えて何も言わないようにしている可能性はある。

「いえ、お父様も忙しいのですから、それは分かっています」

 そう告げる美鶴に、武治は小さく笑みを浮かべる。
 厳めしい顔つきの武治だったが、それだけにこうして笑みを浮かべるとどこかふんわりとした感じがする。
 もっとも、娘に対して素直に礼を言う事が出来ない辺り、不器用なんだろうが。
 美鶴の方もファザコン気味と言ってもいい程に武治の事を好きなのだが、お互いに不器用なせいでそれをしっかりと口にする事が出来ない。
 色々な意味で、お互い気まずい感じだよな。

「さて、折角この店にきたのだ。美味い料理を食べるとしようか」

 そう言い、武治は料理の用意されていた場所に座る。
 料理は出来たてを食べるのが一番美味いんだが、こういう店の料理だと冷めても美味いようにと色々工夫してるんだよな。
 ……それでも、やっぱり出来たてが美味いのは間違いないと思うんだが。
 ともあれ、こうして今日の予定通り3人が揃ったので、色々と話をしながら食事をする。
 当然その会話の中にはシャドウ関連のものもあった。

「そうか、封印のある階層まで到着出来たか」

 俺が89階まで到達したと聞き、武治は微かに嬉しそうな表情を浮かべる。

「封印はイレギュラーシャドウを倒せば解かれる。だとすれば、やっぱり次の満月までに封印されている階まで行った方がいいのは間違いないしな」
「ああ。……やはり、レポートが?」
「あったぞ。もう桐条グループの方に渡してあるが」
「そうか。だが、一体誰がそのような真似を……」
「さてな。それは俺にも分からないよ。そもそも、タルタロスにある宝箱を誰が補充しているのかってのもまだ分かってないんだし」

 一番可能性の高いのが、階とかは関係なくあらゆる場所を移動している死神だったが……あの死神がハイレグアーマーとかを宝箱に入れてる光景は想像出来ない。いや、したくないというのが正直なところか。
 ともあれ、話が一段落したところで、俺は隣に座る美鶴に視線を向ける。
 その意味を理解したのだろう。美鶴は小さく息を吸い、やがて口を開く。

「お父様、実は私は月光館学園を卒業した後、桐条グループの経営に関わりたいと思います。具体的には……」
「馬鹿を言うな」

 最後まで言わせず、武治はそう告げる。
 先程までは満面の笑みという訳ではないが、多少なりとも嬉しそうに笑っていた武治だったが、今は桐条グループの総帥らしい……もしくは美鶴の父親らしいと言い換えてもいいが、鋭い視線を美鶴に向けていた。
 そんな父親の姿に、美鶴はそれ以上何も言う事が出来なくなる。
 美鶴も、まさか自分の父親にそこまで反対されるとは思っていなかったのだろう。
 勿論全面的に受け入れられる……とまでは思っていなくても、それでも理解して貰えると、そう思って……いや、期待していた。
 それでもずっと黙り込んだままではなく、すぐに気持ちを切り替えて口を開こうとした辺り、美鶴らしい強さと言ってもいい。

「ですが、お父様。私も桐条家の一員として……」
「桐条グループの経営に関わるには、お前はまだ勉強不足だ。それこそ、大学に行ってその辺りをしっかり勉強してからでも遅くはない」

 ぶっきらぼうな言葉だったが、その言葉の中には美鶴を思う親心がある。
 美鶴もそれを知っているからこそ、言葉に詰まってしまうのだろう。
 だが、美鶴の方も武治の手伝いをしたいと思っている以上、こう言われてはいそうですかと退ける筈がない。
 ……さて、これからどうなることやら。
 そんな風に思いながら、俺は二人のやり取りを見守る。
 進路相談をしている親子に、全く関係のない俺がこの場にいるという点に疑問を抱きながら。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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