転生とらぶる
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ペルソナ3
1972話
「よし、封印されている階に到着と」
「わん! わんわん!」
俺の言葉に、コロマルが嬉しそうに鳴き声を上げる。
今日はかなり急いでタルタロスを攻略してきたからな。
特に85階で戦った番人シャドウは、ゆかりが苦手としているジオンガやその広範囲版のマハジオンガといった電撃系の魔法を使ってきたが、それでもコロマルが盾となったり、回避したりといった風にしながら無事に塔タイプの番人シャドウを倒す事に成功した。
タルタロスに挑んだのが72階からだった事を考えれば、今日だけで20階近くを攻略した事になる。
当然のようにマジックアイテムの類も色々と入手したり、ゆかりのイオもこれまでの戦いで幾つか新しい魔法を覚えている。
「はぁ……全く、荒垣さんがいない状態でここまで無理させないでよね」
呆れたような視線をこっちに向けてくるゆかりだったが、それでもやり遂げたといった感じはするのだろう。満足そうな様子は隠せていない。
「マジックミラーやフィジカルミラー、ホムンクルスといったレア物を幾つか入手出来たのは、かなりの収穫だったな」
魔法を反射するマジックミラー、物理攻撃を反射するフィジカルミラー。
そして……ムド系という相手を即死、もしくは仮死状態にするという凶悪な魔法を防ぐホムンクルス。
特にホムンクルスは、以前俺が死神と戦った時にその有用性を発揮してくれた。
ムド系の魔法については、最近桐条グループの方から情報を貰ったばかりだ。
「そうね。私としては、ハイレグアーマーが出なかっただけ助かったけど」
「正直なところ、俺はそこが残念だった」
「あのねぇ……」
俺の言葉に不満そうな様子を見せるゆかり。
「別にここにいるのは俺とお前とコロマルだけなんだ。荒垣もいないし、ハイレグアーマーを着てもいいと思わないか?」
「思わないわよ!」
うーん、どうやら付き合い始めても、やっぱりハイレグアーマーは駄目らしい。
……まぁ、付き合い始めたのは事実だが、まだお互いにキスくらいしかしていない状況なのは間違いない。
そうである以上、ゆかりがハイレグアーマーを着てくれないのはしょうがない……のか?
いや、ゆかりの場合、もし俺と肉体関係を持ったとしても、ハイレグアーマーを着るかと言われれば、否な気がする。
その辺りは、ゆかりの性格故のものだろう。
「まぁ、ともあれだ。……俺はハイレグアーマーを入手する事を、強く希望する」
「だから、着ないって言ってるでしょ!」
「ふふん。ゆかりがそう言っても、そのうち喜んで着る事になる筈だ。……そう、ホワイトスターに行ったらな」
「……何だか、ホワイトスターだったっけ? アクセルの本拠地に行くのがもの凄く嫌になってきたんだけど」
少し……いや、かなり呆れたようにゆかりが俺の方を見てそう言ってくる。
まぁ、それは否定しない。
ホワイトスターはシャドウミラーの本拠地として存在しているが、シャドウミラーの中には色々と悪ふざけする奴も多いからな。、
特に技術班にその辺りの連中が集まっているが、それ以外にも悪ふざけするような奴はいる。
ムウとか、ムウとか、ムウとか。……それと、ムウとか。
ああ、それとアウル辺りも忘れてはいけないな。
何しろ、ムウは様々な世界で有名になっているだけあって、その知名度はシャドウミラーの中でもかなり高い。
エンデュミオンの鷹、ムウ・ラ・フラガと言えば、多くの世界で英雄的な扱いがされる事が多いのだから。
うん、まぁ……俺は関係ないけどな。ムウの名前が広がったのは、あくまでもムウの戦闘技量によるものであり、アクセル・アルマーという名前の人物は関係ない筈だ。
「ちょっと、急に落ち込んだ様子を見せて、どうしたの?」
「いや、俺の仲間のムウ・ラ・フラガって奴の事を思い出したんだよ」
「今の流れで名前が出てくるってのは、ちょっとどんな人なのか気になるわね」
「一応既婚者だぞ。……ハイエルフからもアタックされてるらしいけど」
「ハイエルフ? それって、ファンタジーに出てくる?」
「そうだ。前に言っただろ? 色々な世界に行ってるって。その世界のなかの1つが、いわゆるファンタジー系の世界だった訳だ」
……正確には門世界に関しては、俺達から行ったのではなく向こうからやって来た世界だ。
おまけに、その事によりホワイトスターにも大きな被害すら出た。
当然その報復として、攻めてきた国は滅ぼしたが。
あの一件は、シャドウミラーとして活動している上で最悪に近い思い出の1つなのは間違いない。
だが、今の状況でわざわざゆかりにその辺を話す必要もないだろう。
そもそも、門世界と繋がっていた門は今では消滅して、既に門世界に行く事は出来ないのだから。
「そのファンタジー系の世界に住んでいたエルフ族、ハイエルフや普通のエルフ、ダークエルフなんかが色々とあってホワイトスターに移住してきたんだよ。で、その中……ハイエルフの中でも有力な人物の1人から、そのムウって奴は言い寄られている訳だ。ああ、言っておくけど、俺の例を見れば分かるように、シャドウミラーは別に重婚禁止って訳じゃないから、ムウがそのつもりならそのハイエルフと結婚出来るぞ」
こういうのにつきものの寿命の問題に関しても、シャドウミラーに所属している以上は問題ないし。
「へ、へぇ。その、興味はないけど……本当に興味ないんだけど、一応聞いておくわね。アクセルもその、エルフとそういう関係になりたいって気持ちはあるの?」
視線を逸らしつつ、自分は全く気にしていない。それでもちょっと気になるから一応聞いておくわね。
そんな態度を示しながら聞いてきたゆかりだったが、俺がそれに対してする返事は……首を横に振るだけだ。
「将来的に他の世界のエルフとかが出てくれば、どうなるかは分からない。分からないが……取りあえず、今のホワイトスターにいるエルフ達とそういう関係になりたいかと聞かれれば、答えは否だな」
テュカ達エルフ族を俺が抱きたいと思えば、それこそ文句も言わずに身体を任せてくるだろう。
だが、それはあくまでも俺をアクセルではなく、混沌精霊……エルフ族にしてみれば、それこそ神に近い存在と思っているからこその行動だ。
つまり、信仰的な意味でだな。
そんな相手を抱きたいとは、俺は思わない。
エルフ族だけあって、テュカを始めとして全員が美形と呼ぶに相応しいが、身内贔屓を承知で言えば、俺の恋人達は全員がエルフ族よりも美人だと思う。
そんな相手がいるのに、わざわざエルフ族のように、俺を愛してもいない相手は抱きたいとは思えない。
いやまぁ、俺の存在はエルフ達にとっては愛以上の存在なのかもしれないが。
「ふーん。……何で?」
「簡単に言えば、エルフ達が俺に抱いているのは好意ではあっても愛ではなく……信仰だからだろうな」
個人的に、宗教というのは好きではないというのも、その辺りに関係している一因かもしれないな。
そんな風に思いながらゆかりに返すと、ようやく俺の言葉に納得したのだろう。満足そうに頷く。
「そう。でも……ファンタジーの世界か。ちょっと面白そうね」
「面白い事があるのは否定しないけど、向こうの世界はそれはそれで色々と酷いところもあるぞ? 奴隷制が普通にあったりとか」
「……そうなの?」
「ああ。……いや、正直今もそうなってるかどうかは分からないけど」
「何で?」
「その世界……門世界と俺達が名付けたファンタジー世界は、他の世界と違って俺達がその世界に行ったんじゃなくて、向こうからホワイトスターにやって来た形だからな。そのおかげで色々と問題もあったが」
正直なところ、ゲートを使わなくても門を通るだけで他の世界に行けるというあの技術は、欲しくないと言えば嘘になる。
……便利な反面、その門を通っただけで移動出来るという事は、警備的な意味では色々と問題もあるのだが。
特に大きいのは、やはり門を通れば直接向こう側に行けるという事だろう。
何をどうしても、絶対に門を通り抜けようとする者が出てくるのは間違いない。
それに……門世界とホワイトスターが行き来出来なくなった、あの意味不明な現象。
あんなのが頻繁に起こるのであれば、それこそ安心して使うような事は出来ないだろうし。
「ふーん。……ちょっと残念ね」
「そうでもない。門世界とは行き来出来なくなったけど、ファンタジー的な意味での世界なら他にもあるし」
「……あるんだ」
ゆかりの口調に少し呆れが混じったように思えるのは、きっと俺の気のせいではないだろう。
「まあな。シャドウミラーが自由に行き来出来る世界は、幾つもある。その殆どがゆかりも見たニーズヘッグのような人型機動兵器を使うような世界だけど、このペルソナ世界のように生身で戦う事が前提になっているような世界もそこにはあるし、その世界のなかには表向き普通の世界だが、裏では魔法が存在している世界ってのもある」
当然それは、ネギま世界の事だ。
ただ、ネギま世界の魔法界は、ファンタジー世界はファンタジー世界でも、典型的なファンタジー世界って訳じゃないんだよな。
エルフっぽいのとかがいても、正確にはエルフって種族じゃないし。
ドラゴンっぽいのがいても、ドラゴンじゃない事も多い。
グリフィンドラゴンや龍樹のように。
ああ、でも普通のドラゴンもいるらしいから、完全にファンタジー要素を外してるって訳じゃないよな。魔族とかもいるし。
「ふーん。じゃあ、ホワイトスターに戻れるようになったら、連れて行ってよ」
「わん!」
ゆかりの言葉に、コロマルが鳴く。
先程までは何が面白いのか、封印されている場所の臭いを嗅いだりして、周囲を歩き回っていたのだが……どうやら、もう飽きたらしい。
まぁ、例の如くレポート以外には特に何もないんだから、コロマルが飽きる気持ちも分からないではないのだが。
「何、コロマルもファンタジー世界に行きたいの?」
「わん! わんわん!」
ゆかりの言葉に、コロマルはその通り! と言いたげに吠える。
どうやら、コロマルにとってもファンタジー世界というのは興味深いらしい。
……もっとも、コロマルにしろ、ゆかりにしろ、ペルソナを召喚出来るという時点で十分ファンタジーな存在だと思わないでもないが。
魔法使い対ペルソナ使い。……ちょっと見てみたい気もするけど、俺が知ってる魔法使いだと、ペルソナ使いは敵じゃないんだよな。
どうしてもペルソナを召喚するまでには、召喚器で自分の頭部を撃つという行為が必要となる。
だが、瞬動の類を使える相手に対して、それは致命的な隙となる。
砲台型の魔法使いを相手にした場合は、ペルソナを召喚出来るかもしれないが……問題なのは、砲台型の魔法使いが放つ強力な魔法に、ペルソナでどうにか対処出来るかどうかといったところだろう。
エヴァやフェイト辺りが使う魔法を前にして、正直なところペルソナで何か出来る? というのが、俺の正直な感想だ。
例えペルソナを召喚しても、それこそペルソナ諸共魔法に呑み込まれるのがオチだろう。
「……ちょっと、アクセル。何か妙な事を考えてない?」
「いや? ただ、どうすればゆかりがハイレグアーマーを着てくれるかって考えてるだけだよ」
「あのねぇ……いい加減諦めなさいよ」
不満そうに言ってくるゆかりに、俺は絶対に諦めないと告げる。
もしホワイトスターに戻れば、レモン達にハイレグアーマーを着せて夜を楽しむ事は決定事項だ。
……さて、その時ゆかりだけがハイレグアーマーから逃げられるかな?
取りあえず、そんな素敵な未来の為にも出来るだけハイレグアーマーの数を揃えておかないとな。
「ちょっと、何か妙な事を考えてない? こっちを見る視線が気になるんだけど」
「いや、何でもない。それより、封印の階まで来たんだから、そろそろ戻るとしないか? 別に明日学校がある訳じゃないけど」
「……そうね」
ちなみに、当然の事だが夏休みになったからといって、本当の意味で遊んでいられる訳ではない。
夏休みの課題が出ているし、それ以前に高校2年の夏休みともなれば、当然のように受験という言葉が関わってくる。
……まぁ、俺の周囲で勉強を必死に頑張ってる奴とかは、まだいないが。
俺は元々進学するつもりはないし、ゆかり、有里、山岸は進学するにしても今の成績があれば余裕だろう。勿論進学したい大学にも寄るが。
順平、友近、宮本の3馬鹿は……うん、まぁ、何とかなるだろう。
他の2人はともかく、順平は影時間の解決に協力した……もしくはまだ解決してない場合はしているかもしれないが、桐条グループからの推薦でなんとかなりそうな気がするし。
そんな風に考えつつ、俺とゆかりとコロマルはエントランスに向かうのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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