ジョジョの奇みょんな幻想郷
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第一部 ケイオスクルセイダーズ
第二章 春雪異変~神浄刀矢さんとコラボ企画~
27.キングと瀟洒なメイドと怠慢な庭師
丞一たち一行は白玉楼へとついに到達した。
丞一と霊夢からしたらさっさと片づけたいのだがここで和真とニャル子が屋敷にはいるのをチキッていた。
「いやいやこれ、明らかにお金持ちの家だろ!喧嘩売ったら不味い感じがプンプンしてるぜ!」
『ヤバそうなニオイがプンプンするぜぇ!これほどの屋敷を見たことがないほどにねぇ!』
「もう、当てがここしかないしな」
「可能性があるのがあいつなわけだものね」
「西行寺幽々子、ここに住んでるオツボネ‥‥‥お嬢様だぜ」
「お嬢様ァ?!」
魔理沙は失言を吐く前に何とか言葉を飲み込めた。
「じゃあお先に」
と言い一歩踏みだし、
和真の背中を押し白玉楼へと特攻させた。
「え!ちょっ!?まっ!」ピチューン
「なぁ、今ピチュッてなかったか?」
「気のせいよ」
そして、三人も後に続いて門をくぐっていく。
「おお、これはこれは」
「ほえー。始めてきたけど。すごいなこりゃ」
「ザ・和風って奴だな。京都の観光地って言っても問題ないぞ」
(なぜかある)タブレットのオススメ観光スポットに乗るだけあり、なかなか風情がある。桜の名所らしいが、それが無くとも風流があり一句詠めそうだ。京都でたと得るなら酬恩庵庭園に近い。
「あらあらまぁまぁ」
庭に見惚れていると、その方から声が聞こえる。
「今日は人を通さないようにしていたのだけれど、妖夢はどうしたのかしら?」
「さあなぁ。今頃針千本かオラオラで再起不能してっかもな」
丞一と幽々子が腹のさぐり合いをしていると、後ろで霊夢が独断と偏見まみれの脳内裁判で有罪判決を下していた。最悪だ。
「雪、というものは人の心を惑わし狂わせ、特別な気持ちに錯覚させるものなのよ。雪が降ってるときに告白するカップルやそれを題材にするラブコメが多いでしょ?つまりはそういうこと。私、そういうの好きなのよ」
「んなこと話しにきてねえんだよ!いい加減イライラがフルスロットルなんだっつーの!なんだよあの階段!クソみてえに多いじゃねえか!1000くらいなかったか?!」
とか言いながら和真が激おこぷんぷん丸だった。牛乳飲んでるかな?フルスロットルすぎてやばい。脳細胞がトップギアでエンジン回しきってる。一万一千まできっちり回してる。耐えろよ和真の4A-GU改!
「それはまあ、そういうもだから」
和真のげきりんを幽々子はのらりくらりとかわした。
階段の多さがそういうものとはどういうものなのだろうか。おそらく権力なり何なりが関係してるのだろう。
「アレはアレか、年齢と共に増えますとかじゃねえだろうな!?つまりはえーと、あ」
「「「‥‥‥‥」」」
場が凍りついた。どうやらエンジンブローしたようだ。
和真は顔を青くし冷や汗だらだら流し、錆び付いた玩具のように幽々子へ顔を向けるとまず、ニコニコしていた目からハイライトが消え、元々あった殺気は三倍増ししており、何よりも丞一の耳にはプッツーンという何かが切れる音が聞こえた。
和真は今度は丞一たちへ顔を向ける。
和真は助けを呼んだ。
しかし、誰も来なかった。
「おい!確かに俺が悪いのは認めるけどよぉ!オマエら楽しんでるだろ!」
「俺たちが楽しんでるのは認める。───が」
「それでも私たちは」
「謝らない」
「ウゾダドンドコドーン!!」
つまるところ和真が連戦と言うことだ。
「フ、フフフフ、死ぬがよいわ。亡郷『亡我郷-自尽-』」
「変身!」
『Turn Up!』
『ABSORB QUEENS+FUSION JACK』
いつぞやの時のように翼を生やし和真も縦横無尽に飛び回った。
丞一ふくめ霊夢や魔理沙もだが、歴戦のこの三人すら、幽々子の弾幕に一瞬目を奪われた。魔理沙に至っては、綺麗だぜ、と呟いてる。おそらく無意識だろう。だが仕方ない。それほどまでに西行寺幽々子の弾幕が美しいのだ。
丞一の我が戻ってくると脳内の警告サイレンが鳴り響いた。
表面上美しいその弾幕にどす黒い殺気をギュッと固めたように感じるのだ。
丞一は試すようにフォークを弾幕へと投擲すると、丞一のフォークは錆びて朽ち果てぼろぼろになって崩れた。
「は?」
『Oh my God!!』
「何が起きたんだぜ!?」
「フフフッ、私の能力は『死を操る程度の能力』私の弾幕に当たれば死は免れない。ピチピチ17歳の幽々子ちゃんをバカにしたことを後悔しなさい!」
「何故だろう。紫と同じニオイがする」
「類は友を呼ぶ、よ」
「納得した」
(あれ?これ下手したら俺死んでなかったか?殴らなくてよかったぁぁぁぁぁ!)
幽々子の弾幕が更に激しさを増していく。霊夢や魔理沙はスペカで迎撃し、丞一に至ってはフォークを犠牲にしないために転がってる石ころなどを投げ迎撃していた。
「くっ!存外にやるわね!桜符『完全なる墨染の-開花-桜』」
スペカの発動のその一瞬の隙をつき和真は♠のKをスキャンする。
『EVOLUTION KING』
そのときの和真の顔は哀愁、そして焦りが見えた気がした。
一方、階段での従者対決も佳境を迎えようとしていた。
『無駄無駄無駄ァ!』
「うおっ、あぶねっ!」
妖夢は咲夜のラッシュをヒョイヒョイっと躱していく。
最後の一発を交わし、反撃へ移る。懐へ潜り込み右凪ぎに斬る。
「っ!!」
青と白のメイド服から鮮血が滴る。だが、半歩後ろに下がっていたため致命傷には至らない。
さらに追い打ちと言わんばかりに刃を切り返す。
もう半歩下がるにはスペースがなさすぎる。咲夜は最終手段、白刃取りを行う。だが、取れるというところでスピードが増した!
そこで咲夜は驚くべき反応速度を見せた。妖夢の刀へナイフを投擲、刀をはじき逆に咲夜の方が手刀で袈裟に撃ち込み妖夢は灯篭にに身を打たれる。
「カハッ!」
「グッ!」
咲夜にも無理があったのだ。咲夜の身も下へ投げ出された。
(それにしても、何て無作法でとらえどころのない剣法。予測がつかないっ!)
人にはリズムというものがある。生活リズムもそれの一つだし、戦い方から歩調までリズムがあるのだ。しかし、妖夢にはそれがなかった。いや、読めなかった。それ故に咲夜を戸惑わせた。さらに言うならば、
(いきなり速くなったり攻撃が重くなったり、意味が分からないわ)
先のようにいつの間にか懐に現れたりなどがつじょ現れるのだ。ナイフで刀をはじいた時も逸らすだけでなく手元からはじくつもりで投げたのだ。
(まさか、それがスタンド能力だというの?)
先ほどのリズムを音楽で例えると、丞一はリズミカルなユーロビート。霊夢は雅やかな雅楽。魔理沙は骨太のロックンロール。そして、当の本人、咲夜は格調高いクラシックと言えるだろう。
だが、妖夢のそれは出鱈目で気侭で捉えどころのない、ジャズにも通ずる音いや、酔っぱらいの鼻歌と言うのが一番言いたとえかもしれない。今までここまでのキャラ崩壊があったろうか。いやない。
「チッ!埒があかねぇ。しゃあねぇ。こっからさらに、キバっていくぜ!」
そう言うと、妖夢は踵で最初に捨てたもう一振りを蹴り上げ、落ちたところをキャッチしそのまま抜いた。
「二刀流‥‥‥」
「格好だけかと疑ってんなら残念だが、うちの本流って奴なのよ」
度々のつまりは本気で行くぜ?と言うことだ。
それでもなお、咲夜は
「─────お嬢様が仰っていた」
その瞳は前を見据え、右手は人差し指で天を指していた。そして、
「『私が望みさえすれば、運命は絶えず私の味方をする』」
少し口角をつり上げ、不敵な笑みを浮かべていた。
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