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ドリトル先生と奈良の三山

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第七幕その二

「あの山達は不思議な山達だよ」
「自然にそんな山出来る?」
「出来ないよね」
「普通は」
「そんな風には」
「だから何かあるってね」
 その三山達はです。
「言われているんだ」
「それでその山達のこともだね」
「論文に書くのよね」
「奈良の大仏さんに明日香村のことに」
「万葉集のこと」
「それに三山のことも」
「その予定だよ、最初は三つ書く予定だったけれど」
 その論文達をです。
「それが変わったね」
「そうよね」
「普通にそうなったわね」
「気付いたら一つ増えているね」
「論文が」
「何かね」
 少し笑って言う先生でした。
「僕はこうしたことが多いね」
「うん、論文を書く数が増えてね」
「そのジャンルもね」
「気付いたら増えて」
「そっちも書くのよね」
「論文を書くのは学者さんのお仕事だからね」
 学んでそのうえで、です。
「僕はいいことだと思うよ」
「学者さんは論文を書くものってね」
「先生今はよくそう言ってるわね」
「何かイギリスにいたときは違ったけれど」
「病院を開いていて」
「しかもあの病院人は来なかったし」
「まさに閑古鳥が鳴いていたから」
 文字通りに病院にいて鳴いていたこともあります。
「その時とは全然違って」
「教授さんだしね」
「手術もするしね」
「講義にも出て」
「そして論文も書く」
「本当に変わったね」
 先生の生活もです。
「どんどん論文を書いてね」
「こうしてその前にフィールドワークもしてるし」
「先生も変わったよ」
「いい意味でね」
「まさかこうした風になるなんて」
 先生ご自身もです。
「思いも寄らなかったよ」
「人生何があるかわからない」
「よくそう言うけれどその通りね」
「先生についてもね」
「そうなのね」
「誰でもね」
 皆でしみじみと思うのでした、その中でチープサイドの家族がふとお互いでこうしたことをお話しました。
「そもそも日本に来るとかね」
「想像もしてなかったし」
「王子があの時病院に来るまで」
「本当に」
「それがだからね」
 ガブガブはそのチープサイドの家族に応えました。
「こうして明日香村にもいるんだからね」
「それも皆で」
 ダブダブはこう言い加えました。
「そんなこと想像もしなかったわ」
「僕達はいつも先生と一緒にいるけれど」
 チーチーはそこに運命を見てはいます、ですがそれでもです。
「日本に来て日本のあちこちも回ってね」
「そんなの誰が想像するのかね」
 トートーは首を傾げさせてさえいます。
「誰もだよね」
「神様ね」
 ポリネシアは首を傾げさせるトートーに応えました。
「まさに」
「そうだね、本当に神様でないと」
 ジップも言います。 
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