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詩集「月影」

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雨上がりの夕焼け



たったひとときの幻
それだけのことだったと思い
氷雨のような晩冬の雨に
涙を一つ…

春待つ枝先に注ぐ光…
未だ儚き夢なれど
いずれは蕾を綻ばせ
花を咲かせて明日を紡ぐ…

雨上がりの夕焼けは
不自然な程に胸を突く…
忘れ得ぬ想いに寄せて
そっと歌を口にする…


薄らぐ夢を追い掛けて
変わりゆく縁は解けてゆく…
救われることなんてない僕に
溜め息零す…

紅梅の上に白雪は舞い
過ぎ去りし影は棚引く…
幽かなる四季の黄昏に
想いこだまし涙を誘う…

雨上がりの夕焼けは
あの頃のように忍び寄り
消え逝く記憶に縋る
僕を無情に眺めてる…


一人だけ取り残されたような…
まるで空っぽの世界…
赤と黒に支配されたそれは…
まるで残像…

雨上がりの夕焼けに
魂さえも焼け落ちて
夢も現も幻さえも
きっと「今」から零れてく…

雨上がりの夕焼けは
不自然な程に胸を突く…
忘れ得ぬ想いに寄せて
そっと歌を口にする…



 
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