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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第七十五話 地獄の視察録


ナルシストフレーゲルですね。
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第七十五話 地獄の視察録

帝国暦480年6月10日

■オーディン 帝国軍士官学校  テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム

 あーーーーーかったるい。
行きたくない。
憂鬱だー。

しかし、仕方がない行くしかない。
士官学校がこれほど遠くに感じた事はなかったね。
フレーゲルが居るだけでいやになるですよ。

国旗掲揚に合わせて、午前8時には現地で挨拶ですから、
宮殿出るのは午前6時ですよ、眠いですね。

本当なら6月30日の卒業式でお茶を濁すつもりが、
フレーゲルとブラウンシュバイクのオッさんが余計な圧力を校長にかけてくれさりまして。
今日の視察になってしましましたよ!

ケーフェンヒラー爺様には、仕方がないと言われましたし。
爺さんはにやにやするだけ。
ケスラーは、テレーゼ様にも苦手なモノが有ったんですねって、言う始末ですから。

全く、幼女をからかって何が楽しいのやら。
普段の態度が出せませんよ。
まあ、それもみんなの愛情表現と思いますよ。

正門が見えてきました。
門の前でお出迎えが居ますね、
生徒達や一部教官の整列する中、
正門から入校し正面玄関前に地上車が止まります。

この辺は毎年同じ場所ですから、勝手知ったる他人の家状態ですね。
お出迎えは、校長以下主要な教官達と成績優秀者ですけど、
フレーゲルも居るのは矢張りごり押しの結果でしょうね。
彼の成績はお世辞にも良いとはいえませんからね。

あーあ、フレーゲルが先頭で非常にキリリと顔をしているつもりなんでしょうが不気味なだけです。
父様も変なモノでも見る目で見てますよ。
門閥貴族の威厳丸つぶれな、残念な顔です。

父様と一緒に降りると校長が挨拶してきましたが。
校長去年見たときより、もの凄く禿げて真っ白なんですが、しかも凄く痩せて病人みたいですね。
我が儘貴族に、よほど苦労しているのでしょうね。

「皇帝陛下、皇女殿下におかれましては、御臨御を賜り祝着至極に存じます」
「うむ、卿もご苦労である」
「御意」

「皇帝陛下、皇女殿下、私、ヨヒアム・フォン・フレーゲルと申します。
本日ご案内補助をさせていただきます、なにとぞ宜しくお願いいたします」
知ってるのに、態とらしく言わないとだめなんですよね、面倒くさいですね。
此所で、案内不要と言えれば良いんですけどね。

「フレーゲルよ頼むぞ」
「御意」

あー内心にやついているのが、丸わかりですよ。
仕方がありませんが父様に一緒に廻るから何とか成るでしょうがね。

しかし、フレーゲルの学年が格闘の受業というのは、
ロイエンタールの時のように優勝者へのキスを期待しているのですね。
恐らくは、取り巻きや金使って、いかさまする気満々ですね。
そうでもしなきゃ、フレーゲルが勝てる訳がないじゃ無いですか。

父様が居るので、フレーゲルでも2年から最初に行く訳には行きませんから。
四年から始まります。
禿が進んでいる校長が先導で、私の横をフレーゲルが話しかけながら歩いてくるんですよ。

「皇女殿下、この場所はかの有名な3代目ブラウンシュヴァイク公エーリッヒが植えた記念樹でございます」
「ほうーそうですか」
おざなりですよ。

「私の戦い方是非ご覧下さい」
「判りましたわ」
やるきなーい!

其れから4年の教室へ着くまで、延々と話しかけてくるんですよ、
うんざりです。

4年は、戦略論ですね。ザイドリッツが居るはずですが判りません。
あーうざい。
横で話されると苛つきますね、レーザー水爆にでも縛り付けてフォークとロボスにでもプレゼントしたくなりますよ。

おやおや?彼処に居る。くすんだ金髪の生徒は見たことがある気がしますが、
誰だったかな?
んーーー、あっ少しこっち向いた。

あの顔は、シュナイダーじゃないか?
メルカッツ提督副官の、ベルンハルト・フォン・シュナイダーだよ。
おー460年生まれだったか、こりゃ来年辺りメルカッツ提督に推薦しよう。

此だけでも多少なりとも気が晴れる。
横でフレーゲルが何か有りましたかとか聞いてくるが、
いいえ皆頑張っていますのねって、適当に言ったよ。

此だけの戦果で次に3年生へ。
3年には、ミュラー、キスリング、フェルナーがいるからね、フェルナー以外は引き込みやすいが、
フェルナーは非常に話が合いそうなんだけど、ブラウンシュヴァイク公の紐付きだから危険だね。

廊下でも話しかけてくるからねー。
フレーゲル少しは黙れ!

3年生は補給関連の話ですね。
おー、的確に話していますね。わかりやすい教官ですね。
知らないキャラですから、只のモブキャラですね。

相変わらず9歳児に色目を使う17歳不気味ですね。
ロリですが、、まあ此は私に付いてくる地位や名誉や何やらが目当てだと判りますし、
対処しようがありますけどね、今は無理ですね。

此奴が横にいるだけでなんて長い時間のだろうか、
嫌になるけど、みんなにはにこやかにしてますよ。
ミュラーとかキスリングとかフェルナーが居るはずですからね。

けど今日は判りませんね、隣のが邪魔で判りません!
あーあ時間になってしまった、今回は残念><

ここから少し休んで2年の格闘の受業です。
フレーゲルが名残惜しそうに着替えに行きます。
いいから。二度と帰ってくるな、ハイネセンでも行ってしまえ!

校長室で優雅にティータイムですよ、
高級茶葉ですね、優雅ですよ。
しかし、校長の頭が気になり過ぎます禿禿です。

あっ時間です、優雅な時間は直ぐに終わるのです。
あーこのまま帰りたい。
しかし無情にも2年の授業へいきますよ。

全員集まって、私たちに挨拶してって、おいおい総代もフレーゲルかよ、
462年生まれが心配だぞ。
まあ気を取り直して、格闘開始ですね。

ロイ達の時と比べて、全然迫力がありません。
父様と小声で囁きあいますが、やはり思っているそうです。
八百長のような試合が続きます、死合いしろよ、死合いを!

んー言葉が荒くなりますね、表に出していないから良いですが。
かったるい試合だなー。
全然面白くなーい。

本当にシナリオ道理の勝ち上がり、
酷すぎですね、結局フレーゲルが優勝ですが。
インチキじゃ何の価値もありません。

父様が賞めるだけで終わりですよ。

「フレーゲル、見事じゃな」
「陛下ありがたき幸せ」
待っているがしませんよーーーだ!

拍手と握手だけで済ませます。
「フレーゲル、ようやったな」
「殿下、ありがたき幸せ」
「そうか」
キス貰えると思っただろうが、やなこったい!

そのままフレーゲルを残して、1年へ行きます。
1年は戦術論の授業です。
此処には、エッシェンバッハとランズベルグ伯が居るんだよね。

んーやはり、あのでかさは目に入るね、しかも真面目に授業受けてるし良いことだね。
シュターデンが左遷されてから授業の質が上がったようだね、
理論と応用を教えてるからね。

フレーゲルが居ないと、あっという間に時間が過ぎるね。
途中から着替え終わった、フレーゲルが来たら時間の遅いこと数倍です。
結局今日だけで胃炎になりそうですよ。

もうあれですね、フレーゲルが卒業まで士官学校視察は父様だけに任せよう。
あー卒業式どうしようかな、チャット来てチャット帰るようにしようっと。

結局終了後もうざうざでした。
車に乗るまで、ギリギリ一緒でしたよ。
あー今日一日で眉間に皺が出来そうですよ。

早く帰って寝たい。


■オーディン 帝国軍士官学校  ヨヒアム・フォン・フレーゲル

 本日は、テレーゼがやってくるぞー。
私が伯父上に頼んで総代をさせて頂くのだ。
格闘のご褒美も貰う予定だ。

既に取り巻き達には、派手に負けるように司令してあるし、
他の生徒は金や、脅しやらで協力してもらう事になってあるからな。
何と言っても今日は4時に目が覚めてしまったではないか。
フフフ決まってるな。

テレーゼがいよいよやってきた、私の姿に見とれているようだな。
フフフ、セットに3時間掛けた甲斐があったな。
エスコート中は非常ににこやかであったな。

試合はシナリオのとおり私の完勝であった。
陛下とテレーゼから賞められたが。

テレーゼは照れてしまってキスは無かったが、
可愛いモノだ、何れキスをしまくるのだから。
今は我慢しても苦に成らんよ。多少は惜しいがな。

正門前でお別れの際も、名残惜しそうであった、
次回が楽しみだ。
今日は良い日であったな。


帝国暦480年6月30日

■オーディン 帝国軍士官学校  テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム

 卒業式でさっさと式典して帰ってきました。
謝恩会も今回は不参加で嘆かれましたが、
10日に来てるんで何とか成りましたよ。

フレーゲル居なきゃいいのにね。
ベルンハルト・フォン・シュナイダーが3席でしたね。
恩賜の短剣渡しました、此で面通しはOKです。
スカウトすることができますね

明日は劇場と絵画の募集締め切り日です。
既にシルヴァーベルヒとメックリンガーの作品が届いているので、
建築は数人の補欠を絵画は10人程の合格者を決めなきゃですね。
大変ですが楽しみです。
 
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