大阪の高女
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第一章
大阪の高女
北都晴香は自分の上司の左藤恵子に会社の昼休みに食事に行くところで呼び止められた。晴香は茶色の量が多く胸のところまで伸ばしている髪の毛をポニーテールにしているぱっちりとした大きな目に明るい口元と細い奇麗なカーブを描いている眉が目立つ胸の大きな二十五歳のOLだ。恵子は薄茶色の髪を長く伸ばし真ん中で分けて左のところをヘアピンでまとめている。会社のOLの制服である茶色のベストと膝までの黒のタイトスカート、白いブラウスと青の紐のリボンが似合っている。交際している彼氏が一人いる。大きい切れ長の二重の目ときりっとした顔立ちが印象的だ。スーツを着ていても晴香に負けない位に大きな胸が目立っている。スーツの下は上と同じ黒の膝までのタイトスカートだ。年齢は二十九歳で婚約もしている。
その恵子がだ、こう晴香に言ったのだ。
「ちょっといい?」
「主任、どうしたんですか?」
「今からお昼食べに行くのよね」
「マクドにって思ってます」
今日はとだ、晴香は恵子にマクドナルドについて関西独特の呼び名で話した。
「今日は」
「マクドね、じゃあ私も一緒に行っていい?」
「二人で、ですか」
「お昼にしましょう」
「それじゃあ」
晴香は恵子の言葉に頷いた、そうして二人が勤務している八条タクシー大阪支社のビルから難波の街に出てだった。
二人で会社の近くのマクドに入ってだ、ハンバーガーとコーラを二人用の席に座って昼食をはじめた。
チーズバーガーを食べながらだ、恵子は晴香に言った。
「ところで最近御門君ね」
「ああ、最近の御門さんですね」
晴香は普通のハンバーガーを食べつつ応えた。晴香の二期上の先輩で仕事では一緒に組んでいる。恵子にとっては部下である。
「何かあれですよね」
「調子悪いわよね」
「お疲れって感じですね」
「それよ」
まさにとだ、恵子は晴香に言った。
「彼調子のいい時は出来るでしょ」
「その時は私も頼りにしてます」
バディとしてだ、恵子も答えた。
「もう本当に」
「そうでしょ、けれどね」
「逆に調子が悪いと」
「もうどうしようもないから」
「ムラッ気のある人ですよね」
「それもかなりね」
「そこは問題ですよね」
彼、御門佳彦はというのだ。
「その調子はいつもコンディション次第ですし」
「元気だと調子がいいのよ」
佳彦はとだ、恵子は言い切った。
「もう絶好調で」
「それで風邪とかひかれると」
「もう駄目駄目過ぎるでしょ」
「ある意味わかりやすい人ですよね」
「ええ、そして最近はね」
「明らかに、ですよね」
晴香はハンバーガーを食べつつ眉を曇らせて恵子の今の言葉に応えた。
「調子悪いですよね」
「お疲れモードよね」
「ですからもう調子のいい時と違って」
つまり元気な時とだ。
「普段は考えられないミスをして」
「貴女も大変でしょ」
「先輩が調子がいいと私がいつも助けてもらうんです」
「けれど調子が悪いとね」
「全く正反対になります」
晴香の方が助ける事態になるというのだ。
「それで今もです」
「そうよね、彼の調子が悪いと」
「事務の方もですね」
二人は事務だ、佳彦はその事務課でのホープとされているのだ。ただし調子がいい時限定というのは二人の会話に今はっきりと出ていることだ。
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