ドリトル先生と奈良の三山
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第四幕その十一
「そう誇れるね」
「そうだね」
「スコッチ万歳だよね」
「スコッチに勝てるウイスキーなし」
「そうよね」
「その通りだよ、じゃあ神戸に帰ったら」
その時のこともお話した先生でした。
「その時はね」
「スコッチね」
「それ飲むのね」
「そうするのね」
「そうしよう、是非ね」
こうお話してでした。
先生は清酒をさらに飲んでかなり酔ったところでお茶漬けを食べたのですがこちらを食べてでした。
今度はです、こんなことを言いました。
「ううん、かなり飲んだ後は」
「お茶漬けね」
「それだっていうね」
「日本では」
「そして今の先生も」
「こんなに美味しいものはね」
実にという感じで言うのでした。
「そうはないね」
「お茶漬けって日本のお料理でもね」
「かなり特別だよね」
「冷えた御飯にお茶をかける」
「お漬けものも乗せてね」
「御飯の上にお漬けものを乗せてお茶をかけるんだよ」
「そうして食べるんだよ」
ここでこうした食べ方もお話するのでした。
「これが何故か日本人好きだよね」
「簡単なお料理なのにね」
「飲んだ時の最後とかよく食べるね」
「朝にもね」
「うん、簡単だけれどね」
これから食べる先生もお話します。
「これがね」
「美味しいんだよね」
「不思議な位ね」
「簡単なお料理なのに」
「冷えた御飯に何か乗せてお茶をかけるだけなのに」
「それだけなのにね」
「昔から湯漬けもあるよ」
お茶ではなくというのです。
「お茶が高かった時代とかね」
「ああ、戦国時代とかね」
「武将の人とか食べてたよね」
「織田信長さんとかね」
「出陣前に食べていたね」
「そうだよ、信長さんは桶狭間の前に湯漬けを食べていたんだ」
そう言われています、この人は立ったまま食べるという大名らしからぬ食べ方をしたりもしていました。
「そして出陣してね」
「勝ったんだよね」
「今川義元さんに」
「それで天下人に大きな一歩を踏み出したんだよね」
「そうだよ、そこからね」
まさにというのです。
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