ドリトル先生と奈良の三山
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第四幕その十
「あのステーキだけじゃないから」
「神戸牛なんかも凄いいし」
「滋賀の方もいいのよね」
「あと三重の松阪とかも」
「まあイギリスは料理についてはね」
このことは苦笑いになるしかありませんでした、今のお料理の中に苦いものはなくてもです。
「日本と比べるとね」
「全然勝てない?」
「むしろ勝てる国がないっていうか」
「ことお料理については」
「イギリスは」
「スコッチは勝ってるかな」
お酒、ウイスキーはというのです。
「これについては」
「まあウイスキーはね」
「流石に勝ってる?」
「幾ら何でもね」
「日本のウイスキーと比べたら」
「ティーセットも日本の方がいい感じだし」
勿論紅茶もです、だから先生は今では日本の紅茶を毎日飲んでそのうえでこちらも楽しんでいます。勿論奈良にいる今もティータイムは何があっても欠かしていません。
「そう思うとね」
「ウイスキーだけは」
「これだけは勝たないとね」
「日本だけでなく他のお国にも」
「これだけはね」
「何でも駄目なものばかりだとね」
口にするもので、というのです。
「嫌になるよね」
「うん、どうしてもね」
「僕達にしてもね」
「イギリス人にしても」
「ステーキでも紅茶でも負けてるなら」
「ウイスキーだけでも」
「そうも思うよ、まあ今の僕は」
豆腐とお野菜をあえたものを食べてからお酒を飲んで言いました。
「清酒を飲んでいるけれどね」
「日本のお酒ね」
「それ飲んでるけれどね」
「けれどウイスキーについては」
「何としてもね」
「勝っておかないと」
「全敗はよくないわ」
「そう、全敗と一敗では全然違うよ」
先生もこのことを言うのでした。
「一勝でもしているとね」
「阪神もそうだしね」
「三連戦三連敗よりもね」
「一勝でもしてると違うよね」
「それだけで」
「広島としてもね」
このチームと、というのです。どうも最近阪神にとって天敵になっていると言われているチームです。
「そうだね」
「そうそう、一勝してるとね」
「負け越していてもね」
「残念って思っても」
「気持ち的には楽ね」
「一勝した分だけ」
「例えその負け方が酷くてもね」
それでもと言う皆でした。
「まだね」
「ましだけれど」
「これが全敗だと」
「最悪よね」
「気持ちもげんなりして」
「全然よくないわ」
「そうなるね、だからね」
それでというのです。
「まだね」
「ウイスキーだけでもね」
「勝っていたら」
「それでかなり救われるわね」
「他の国に対しても」
「そう、ウイスキーだけはいい」
こうも言った先生でした。
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