銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
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第六十五話 GOGOピクニック
今回はほのぼの
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第六十五話 GOGOピクニック
帝国暦480年3月12日
■オーディン ノイエ・サンスーシ 日本式庭園建設現場 テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
ノイエ・サンスーシの一角では、
今日もロベルト・ミッターマイヤーが設計図を片手に職人達に指示を出していた。
「よし。その石はあと3m東だ。そこは道だから砂利を敷くのだ」
本日は建設現場へ見学に来ています。
無論変装してますよ。
現場へは定期的に来ているんです。そうしないと、とんでもない事になるからです。
枯山水を作るとき名石を置き砂利で水を表すと教えて絵まで添付したのですが、
名石が翡翠の原石とか瑪瑙とかだったんですよ。
侘び寂びじゃなく秀吉の金の茶室並のやり過ぎだと言うわけです。
あと山を作るのも、小山のはずが富士山みたいな角度の山が出来てしまいやり直しに。
池の玉石も玉石という事で翡翠、瑪瑙、紅玉、緑玉とかの宝石類を入れようとしたり、
ノイエ・サンスーシだからと、やり過ぎが多いんですよ。
その為に時たま監督とアイデアを出しに来ています。
「ミッターマイヤー殿この感じなら良いですね」
「ありがとうございます」
「池に突き出る形で作る、木造の平屋寝殿造りは、どの様な感じですか?」
「はい、お聞きしたように、針葉樹と広葉樹の柱や板を造り乾燥させています。
建築する者達の訓練も佳境に入りましたので、5月には建築開始できるはずです」
「良いペースですね、けど急ぎすぎて失敗しないようにして下さいね」
「はいその点はお任せ下さい」
「皆さん頑張って下さいませ、此をあとで皆さんでおみになって下さい」
差し入れです、450年物のワインですよ。
「「「「「「ありがとうございます」」」」」」
「では宜しく」
「はっ」
帝国暦480年3月15日
■オーディン近郊 帝室御料地内自然公園
自然公園に、少女達と少年達の笑い声が聞こえる。
この日はテレーゼ皇女殿下の発案による、ピクニックが行われていた。
貴族の子弟達による晩餐会と違い自然を満喫する為である。
「テレーゼ様お足が早いですー」エルフリーデが息を切らしながら付いてくる。
「エルフリーデ未だ未だ修行が足りないわよ」クラリッサが軽いステップで走り去る。
「クラリッサ負けないわよ」ブリギッテも負けじと走る。
「待って下さいー」ヴィクトーリアが息を切らせてながら付いてくる。
「頑張れー」カロリーネがスタタタターと駆け上がる。
「はぁーいそろそろ休憩する?」テレーゼがにこやかにみんなを手招きする。
「おねがいしますーー」肩で息をするような、ヴィクトーリア。
「ヴィちゃんが一番鍛え方が足りないね」笑いながらのクラリッサ
「そんなークラちゃんやブリちゃんカロちゃんと違って私はか弱いんだもん」
「ヴィちゃんも少しは鍛えた方が良いよ。私は曾爺様と一緒に早朝マラソンしてるんだよ」
みんな驚いた顔をする。
「えー、エーレンベルグ元帥が早朝マラソンしてるの?」
みんなあの老人がマラソンする姿を思い浮かべないようだ。
「そうだよー、短パンにランニングに鉢巻きして、お屋敷の外庭を走ってるんだよ」
「凄いね」
「そうだね」
「だから、ヴィちゃんもマラソンするのだ」にやけ顔のブリキッテ。
「そうだよ、ヴィちゃん鍛えないと此からさらに辛いよ」真剣な眼差しのクラリッサ。
「えーー、死ねるよ・・・・・><」
「まあヴィちゃんも少しずつ体を鍛えればいいよ」
「テレーゼ様お優しいですわ」カロリーネとエルフリーデが合いの手を入れる。
「そう言えば、フリーデグットとアルフレッドとヨヒアムとイザークとブルーノは何処行ったんだろう?」
「皇女殿下」
「おお〜〜〜このランズベルク伯アルフレッド〜〜〜〜」
「アンスバッハ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「お待ち下さい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「助けて〜〜〜〜〜〜」
下の方から1人を除いて息絶え絶えの声が聞こえる。
「彼等士官学校と幼年学校生のはず。鍛え方が足りないですね」カロリーネがさらっと言う。
「けど流石エッシェンバッハ子爵ね、息切れしてないよ」クラリッサが感心している。
「ランズベルグ伯爵、何処でも名前を叫ぶのね」エルフリーデが感心している。
「フレーゲル男爵は執事かなんか呼んでるの?自力で来なさい!」ブリギッテがあきれ顔。
「トゥルナイゼン伯爵はまあまあですかね、努力は認められますね、
情けないのはコルプト子爵ね13歳とはいえもう少し鍛えないと駄目ね」カロリーネがサラリと言う。
ニヤケ顔でテレーゼが皆を手招きして昼食を食べる為に既に侍従達が、
準備している山頂に男達をこのまま放置して駆け上がると提案した。
「みんな、あの5人を捨てて上へ上がろう」
「「えっいいんですか?」」エルフリーデとヴィクトーリアが驚く。
「「フフ其れは面白いですね」」ブリギッテとクラリッサが頷く。
「同意します」サラリと相変わらずのカロリーネ。
男連がテレーゼ達の姿を見つけてやれやれと言う顔をした時。
せーのっと言うかけ声と共に。
「「「「「先に山頂へ行くねーーーーーーーー」」」」」
と言う声と共に走り去る姿を見ることになった。
「皇女殿下〜〜〜〜」
「まってください〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「シュトライト〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
みんなで山を登る事僅か10分で山頂へ到着した。
其処には、侍従や女官や武官達により、バーベキューの準備が終わっていた。
早速みんな汗だくの服を着替えて、
広場に集まると同時に下から5人がヘトヘトになりながら到着したのである。
「皇女殿下如何でしたか、私の姿は」 フレーゲルが息を切らしながら言ってくる。
「ランズベルグ伯アルフレッド皇女殿下の為この山の詩を考えました」
「「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」」倒れているコルプト、トゥルナイゼン。
エッシェンバッハは厳格に立っている。
「皆さんお疲れ様、早く着替えて食事にしましょう」
ふらふらに成りながら着替えに行く4人と颯爽と着替えに行くエッシェンバッハの差が大きかった。
15分後に着替え終わった5人が来てワイワイとバーベキューが始まった。
フレーゲル男爵はテレーゼの元へ来ては話かけ続ける。
「皇女殿下におかれましては、今回の宴にご招待頂きありがとうございます。
次回は是非招待させて頂きたく思います」
「そうですわね、しかし士官学校へ視察が出来ないのは残念ですわ」
「ぜひお越し下さい。私がエスコートいたします」
「ええけど、反対する方がいるそうです」
「その様な事私が何とかしますので是非視察を」
「ええその時は宜しくお願いしますわ」
その話を聞きにこやかになるフレーゲル男爵。相変わらず変な男である。
ランズベルグ泊アルフレッドが下手な詩を発表し始めると、
カロリーネがスーッと近づき酒を飲まして酔わせて黙らせた。
コルプトは青い顔しながら、女官に背中さすって貰っている。
イザークはヴィクトーリアと楽しそうにお喋りしている。
フリーデグットは、炎を見ながらワインを片手に肉を囓っている。
其処へエルフリーデが興味津々に見ている。
わいやわいやと楽しい時間が過ぎ、お開きになり全員がヘリで帰宅した。
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誤字直しました。
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