【アンコもどき小説】やる夫は叢雲と共に過剰戦力で宇宙戦艦ヤマトの旅路を支援するようです
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開戦一年目から二年目 六回目のサイコロ
国連内部の政治状況
米国 10で自勢力スカウト工作に積極的 8
欧州 10で自勢力スカウト工作に積極的 9
ロシア 10で自勢力スカウト工作に積極的 4
中国 10で自勢力スカウト工作に積極的 8
日本 10で自勢力スカウト工作に積極的 6
月 10で自勢力スカウト工作に積極的 10
火星 10で自勢力スカウト工作に積極的 10
鮮烈な隣人デビューを果たした俺たちだが、当たり前のように自勢力に取り込もうというスカウト工作の嵐に巻き込まれる事になる。
そこからの状況を察すると、見事なまでに国連内部の足並みが揃っていない事が露呈する。
「取り込みたいと熱心にアプローチをかけてきているのは、月や火星等の自治政府のようですね。
彼らは半植民地扱いな所もあるので、これを機に独立をという訳でしょう。以上」
交易や海王星資源採掘ステーションでの交流をまとめた武蔵さんが、無表情で報告する。
地球側との交渉では基本ドロイドを全面に出しているので、地球側は我々を機械人類と考えてくれればとの狙いもある。
戦闘機に乗ってるクローンあたりは地球側との外見を合わせてという理由付きだ。
「jud.
特に10年後に地球側に譲渡される予定の海王星資源採掘ステーションの領有を巡って各国が激しく対立しており、その工作として我々のお墨付きが欲しいという意図もあるかと。
現在戦争しているのに、戦後の事を考えるとは政治家とは長い視野をお持ちなようで」
鹿角さんの毒舌に俺も苦笑するしか無い。
こうなるのを恐れて俺は地球側と防衛協定を結ばなかった。
あくまで外惑星圏の滞在許可とその代償のしての交易・技術協定というのが正式な俺たちと地球側の関係だ。
その為、ガミラスが来たら個々に戰う事になるというか、統一指揮なんてしたらその名目にこちらを都合よく使う可能性を否定できなかったのだ。
俺の懸念は見事的中する。
「呆れた。
地球の人たち、もう勝った気で居るのかしら?」
「あくまで我々もガミラスの脅威を知らないという形になっているからな。
それよりも中の体制が限界に近くなっているな」
叢雲の呆れ声に俺は苦虫を噛み潰した顔でデータを眺める。
そもそも、国際連合自体が政府組織でない事が現状の惨状に繋がっていた。
第二次世界戦を経て各国の利害調整機関として設立された国際連合が本格的な統治組織として機能しだしたのは、激しく各国の利害が対立した月植民計画だったという。
これを手動したのは時の日本政府で、発展途上国の過剰人口を移民に使い経済力と技術力で開発に関与し、国連統治の名前の元に各国の介入を封じるという離れ業で国連での影響力確保に成功したのである。
そうやって設立された月自治政府および火星自治政府は、頭が国連という非効率組織からの脱却を狙い俺たちに接触してきたのである。
日本政府単独でのスカウト工作が低いのは、影響力が強い火星および月自治政府が動いているからというのもあるかもしれない。
一方で米国や欧州や中国が積極的なのはこの国連方式だと配分はされるが総取りができないからで、重水素を採取する資源採掘ステーションの意味を知っているがゆえになりふり構わず取り込みにかかろうしていた。
何しろ彼らの目の前には、これから開発が本格的に始まる木星や、まだ計画段階の土星という太陽系最大級の資源惑星が控えているのだ。
俺たちを取り込んでそれらの惑星開発を単独で総取りすれば、国連内部において絶対的な強者として振る舞うことも夢ではなくなる。
国力的に少し劣り、外交的に強かなロシアはここを静観する事で先を読もうとしているのだろう。
まぁ、ガミラス戦を前に何をやっているんだかと、俺達が呆れる訳で。
「全部にお断りをしておけ。丁寧にな」
「jud.」
俺の指示に鹿角さんが頷いたのを見た上で今度は武蔵さんが、報告を続ける。
「海王星資源採取ステーションに配備する地球側人員ですが、そこに懐かしい名前を見つけました。以上」
武蔵さんがモニターに出すと、その懐かしい名前が軍服を来た姿で現れる。
それぞれ、現在の身分も一緒に出でいた。
古代守 一尉 海王星資源採取ステーション警備隊隊長
真田志郎 一尉 海王星資源採取ステーション主任研究員
「やっぱり派遣されてきたか……」
「あの二人が出てこなかったら誰が行くのよ?ここ」
懐かしい名前に俺と叢雲が苦笑して場の空気が和む。
俺の世代の主席と次席であり出世街道驀進中なのだが、それを振り切ってここに志願したらしい二人を知っているだけに、会いたいと思うのと会ったら政治に巻き込まれるなという葛藤が生まれる。
彼らの着任後地球側の技術吸収は凄まじく、ある程度の作業は地球側に任せられるまでになっていた。
「守らないとね」
「ああ。
今の俺達だとこいつらの葬儀にすら顔が出せん。
そんな不義理はしたくは無いからな」
これで終るならまだいい話なのだが、それで終わらないからと鹿角さんの毒舌が炸裂する。
「しんみりするのは報告が終わってからでよろしいのでは?
このままだと、ちょろいお嬢様はまたいちゃこらわっふる八時間コースに突入しかねないので口を挟ませていただきます」
「鹿角うるさい!」
しばらく侍女人形とその主の酷い言い争いが続いた後、報告が続けられる。
武蔵さんが外惑星圏の星域図を3Dモニターに浮かべて地球側の戦力配備状況を報告。
地球側外惑星基地建設状況
天王星 100ほど進捗 既存基地補正30+9+89
海王星 100ほど進捗 9+55
冥王星 100ほど進捗 9+95
基地駐屯艦隊
天王星 日本艦隊(沖田補正) +中国艦隊
海王星 中国艦隊
冥王星 ロシア艦隊
1 米国
2 欧州
3 ロシア
4 中国
5 日本
6 国連(月・火星)
ガチである。
俺達を巧みにこきつかってここまでの基地整備を整えたのは見事としか言いようが無い。
だが、統一政府ができない足並みの悪さがここで見事に露呈していた。
マゼラン改級の建造と艦隊の更新を進める米国と欧州はここで艦隊を出す事はせず、その防衛を中国とロシアに押し付けたのだ。
俺達の取り込みに野心満々の中国はここで武威をと二個艦隊を派遣するが、装備は第一次オールト会戦前装備なので多分盾にもならない。
そのあたり、中国に引きずられての貧乏くじを引いたロシア艦隊はまだましで、ガミラスが来たら逃げると先に通告していた。
こうなると信頼できるのは日本艦隊のみなのだが、彼らもオールト会戦前装備のままなので、基地航空隊による艦隊攻撃に賭けるしか無いという結論に落ち着いていた。
「結局、俺達が頑張らないとどうにもならないという訳だ。
叢雲。
こっちの戦力整備状況はどうなっている?」
「今のところこんな感じ。
なんとか、ガミラスの次の来襲前に間に合ったという所かしら」
戦力強進捗度
111+17=128
ヴェネター級スター・デストロイヤー
4隻+1隻=5隻
アクラメイター級汎銀河軍事用アサルト・シップ
10隻
CR90コルベット
12隻+38隻=50隻
GR-75中型輸送船
7隻+4隻=11隻
T-65B Xウイング・スターファイター
133機+6機=139機
BTL-A4 Yウイング強襲用スターファイター/ボマー
150機+32機=182機
TIEシリーズ・スターファイター
187機+97機=284
「随分艦船に偏らせたな」
俺の感想に叢雲がため息をつく。
全部ができない以上どこかにしわ寄せが来るという理由を叢雲は口にした。
「地球側の基地整備に付き合ったのが祟って、こっちの整備にしわ寄せが来たのよ。
地球側から戦闘機を借りる話がついているから、戦闘機製造リソースを艦艇建造につぎ込んだ訳。
それでも大量生産できるTIEファイターが何で使われ続けたのか、やっと理解できたわよ」
未だワープ技術を実用化できていない地球側は、外惑星圏の移動を俺たちに頼る事で基地整備等を一気に片付けたが、それは俺たちの戦力整備が遅れることを意味していた。
とはいえ、地球側から基地航空機を借りる事が次の作戦の前提になっているから、短期間の戦力化ならばこっちの方が早い。
「で、こっちが近隣星系に送ったコルベットの報告」
0 幸運イベント
1 他星系知的生命体友好的遭遇
2 他星系知的生命体非友好的遭遇
3 ガミラス偵察艦隊と遭遇
4 ガミラス前線基地発見
5 ガミラスと他星系知的生命体が交戦している場面に遭遇
6 何も無し
7 何も無し
8 何も無し
9 不運イベント
アルファケンタウリ 2
シリウス 1
プロキオン 2
「どうもガミラスが進出した事で他星系の知的生命体も情報収集に来ているみたいで、彼らは接触を持ちかけてきたわ。
アルファ・ケンタウリとプロキオンに来ていたのは、モン・カラマリと名乗り『ワープの事故でこの銀河系に漂流し、我々が知っている建造技術艦艇だったが故に声をかけた』そうよ。
こちらが銀河帝国側と知って警戒したけど、衝突を回避してこちらが退いたわ。
シリウスで接触した種族は、ブローグ・コモナリティと名乗り『我々以外の知的生命体と友好関係を結びたい』だそうよ。
見た目についてはちょっとあれだけど。
で、シリウスなんだけど、これを見てちょうだい」
シリウス星系の惑星の画面が映るが美しい青い星だった。
それが意味する事を叢雲は嬉しそうに言ったのである。
「シリウス第六惑星ですが、地球型惑星と判断します。
どうする?司令官?
今ならば、貴方がこの星の主になれるわよ?」
小悪魔っぽく尋ねる叢雲のにデコピンを食らわせてる。
額を抑える叢雲を抱きしめて俺は彼女の耳元で囁く。
「偉くなるなんて目的は今の俺には無いよ。
隣に叢雲が居てくれればそれで十分さ」
「もぉ………ばか」
こういう所の叢雲が可愛いのだ。
多分このままいちゃこらわっふる八時間コース確定だろう。
「暑いですね。空調壊れましたか?以上」
「jud.
現在、艦内ネットワークで一斉に『モゲロ』のレスが投稿されています」
「そこの二人!うっさいわよ!!」
ガミラス艦隊は、この二月後に来襲した。
誰も想像し得ない形で。
1 地球側有利
2 地球側有利
3 ガミラス側有利
4 ガミラス側有利
5 ガミラス側有利
6 ガミラス側有利
7 特になし
8 特になし
9 特になし
10 熱烈歓迎
「何が起こった!」
叩き起こされた俺の隣で裸の叢雲が慌てて服を着る。
そして、その手を止めてたまらず叫んだ。
「オールトの雲でガミラスと第三勢力が遭遇戦ですって!?
モニター回して……これ、ブローグの船じゃない!?」
後書き
モン・カラマリ 『スターウォーズ』
同盟軍の中核戦力の一つだったりする。
コルベットだからこそ接触し帝国側と知ってというオチ。
ブローグ・コモナリティ Blorg commonality 『ステラリス』
狂信的受容主義。見た目が気持ち悪い。
シリウス第六惑星 『銀河英雄伝説』
シリウス政府主星ロンドリーナと呼ばれる星。
なお、『ステラリス』だとこれらの近接星系に地球型惑星がつくボーナスがある。
証拠写真
https://twitter.com/hokubukyuushuu/status/952058388988420097
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