【アンコもどき小説】やる夫は叢雲と共に過剰戦力で宇宙戦艦ヤマトの旅路を支援するようです
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開戦一年目 五回目のサイコロ
第一次オールト会戦 生存者救助 約 10 ☓百人 救助
地球人 9割
ガミラス人 1割
残りがクローン・ドロイド なし
ガミラス技術回収 19 100ほど効果のあるやつを見つけられる
被害が大きかった地球艦隊の生存者がほとんどで、少数だがガミラス人も救助する事ができた。
一方、こちらが出したクローンとドロイドは戦闘機という事もあって、誰も救助できなかった。
この救助活動で、地球艦隊と接触する事になるが、向こうがヴェネター級スター・デストロイヤーを見て明らかに驚いているのが分かる。
こちらの船で救助者を引き渡した際に、最初の交渉が行われる事になる。
「国連宇宙軍司令官臨時代理の沖田十三だ。
貴艦らの協力に感謝する」
「代理?」
遠隔操作をする俺の声が戦術ドロイドによって合成音声に変わる。
こちらの疑問に沖田司令官代理は情けない声でその理由を告げた。
「会戦前に儂は司令官職を解任されてしまってな。
引き継いだ者が乗っていた艦が撃沈された為に臨時で指揮をとった」
国連上層部と現場の摩擦はここでも発動していた。
このままでは沖田司令官代理が左遷されかねないので、俺は即座に彼をかばうために政治の駒として使う事を決めた。
「崩壊しかかった地球艦隊を必死に逃がそうとした貴方の姿は私達に介入を決意させました。
私達は、貴方が我々との交渉の窓口になってくれる事を期待します」
こう言っておけば、少なくとも地球召喚なんて事態は避けられるだろう。
その上で、彼に今後の話をする。
「今回、我々とは違う勢力と交戦し撃退した訳ですが、また彼らが襲ってこないとも限りません。
我々は貴方がたに協力したいとは思っていますが、最後は自分の身は自分で守るしかない事は覚えておいてください」
「肝に銘じよう。
今度はこちらから質問したい。
君たちは本当に地球外生命体なのか?
技術は進んでいるが、あまりにも技術進化が我々と似通っている」
まぁ出て来る質問だろう。
宇宙船という工業製品は大量生産されるから必然的に規格があり、もとが地球映画だから地球規格にて作られている。
回収したりモニターしているやつで調べたら感づくだろうその疑問を、俺は想定していた答えで言い逃れる。
「我々は十数年前からこの付近に滞在していました。
長い旅で船が痛み、燃料も少なくなったので、次の旅に向けての準備を整えるつもりだったのです。
ですが、我々に気づいた貴方がたの進出がこちらの計算より早かった。
最悪の接触を避けるために我々はできるだけ貴方がたの事を知り、新しく作った船を貴方がたに分かるように用意したのです」
沖田司令官代理が唾を飲む。
その意味を理解したからだ。
「はい。
この船も貴方がたとの交渉の品の一つ。
そう思っていただいて構いません」
俺は戦術ロボットを操作して、モニターに一つの船を用意する。
古い技術を用いているから、船体については今の地球でもできるだろうと踏んでいた。
「今後の交渉への手土産として貴方にこれをお渡しします。
今回の戦いで分かったかと思いますが戦闘機の存在は必須で、純粋に火力で負けた以上ある程度大きな船を持たねば、あの勢力との交戦に負けるでしょう」
用意したのはガンダムのマゼラン改級戦艦の設計図。
趣味で船体を設計していたら叢雲に見つかって、あれやこれやときちんと設計されて地球用の交渉の手札となったものである。
熱核ロケットエンジンでの設計だから、陽電子技術まで行っている地球側ならば問題なく作れるだろう。
このマゼラン改級の全長は327メートルでMSを12機搭載する能力がある。
2199でのヤマト仕様だともう少し多く積めるかもしれないが、そのあたりは新しく作るだろう空母に任せてしまえばいい。
あれ?
ヤマトだとたしか地球側の空母航空戦艦みたいなものだったような……まぁいいか。
「貴君らの誠意は分かった。
それで、貴君らはこちらに何を求めているのか?」
沖田司令官代理の質問に俺は合成音声で返事をする。
「こちらの要求は、前に言ったとおり十年ほどの滞在です。
また、このオールト領域及び外惑星圏における資源採取の許可および交易を要求します」
「交易?」
「はい。
我々が一番足りない資源の一つが重水素です。
そこでの採取許可を頂きたい。
採取プラントをこちらで建設し、こちらが7、そちらが3で配分しましょう。
我々が去った後でもそのプラントは残し、貴方がたに譲渡しましょう」
SFにおける代表的な燃料の一つで、核融合反応の元になる資源だ。
これが一番近くにあるのは、海王星だった。
沖田司令官代理は渋い顔で戦術ドロイドを見つめる。
そこから発せられる質問は疑念に満ちていた。
「我々からすれば実に都合の良い質問だが、そうまでする理由は何だ?」
「先程交戦した第三勢力がその答えの一つです。
宇宙は広く、あのような勢力が沢山います。
我々は交渉で片付くのならば、それに越したことはないのです。
次の旅まで少しの間、貴方がたの星系の端で休ませて欲しい。
これが本当に心からの私達の願いです」
沖田司令官代理は静かに目を閉じた。
彼が次の言葉を発するまで少しの時間を要し、それを了承したのである。
「分かった。
あくまで本星との交渉次第だが、儂自身は貴艦らとの協力を約束しよう」
地球側との交渉結果
58-15(沖田補正)以上で成功 92
海王星重水素採取プラント建設状況
100ほど建設終了 92
改マゼラン級戦艦建造状況 12 隻
結果としてこの交渉は無事に成立する。
対異星人戦の勝利の立役者に祭り上げられた沖田提督の影響と、純粋に勝てないことを理解させられた軍側の危機意識が政治ゲームを棚上げした形になった。
政治の方も、俺たちが用意した海王星重水素採取プラントという餌に経済界が食いついて黙ることになった。
何しろスターウォーズ世界ではこの手のプラント建設は必須なのでノウハウが溜まっていたの大きく、既に試験稼働に入り地球側の度肝を抜く。
そして、地球側はこの戦略拠点を守るためにも外惑星防衛艦隊の設置を決めて、沖田十三をその司令官に任命。
天王星基地に司令部を置き、海王星・冥王星にも基地を建設してガミラスに備えることになった。
沖田提督が持ち帰った改マゼラン級戦艦の設計図を元に、日本・米国・欧州でそれぞれ四隻ずつ建造が決まり、日本艦についてはフソウ・ヤマシロ・イセ・ヒュウガと名付けられる事が決まったそうだ。
その一方でガミラス側の技術解析はまだ始まったばかりで、技術力の格差については短期間で解決しそうになかった。
ガミラス帝国の稼働可能艦船はおよそ一万隻。
今回の会戦で約1%が消耗したに過ぎないから、次がいつ来るか考えただけでも怖く、こちらの戦備を大急ぎで整える。
地球側基地進捗状況
100ほど建設終了 6
戦力増強進捗度
11+20+21+59
ワープ技術を未だ持っていない地球側に対して、地球側の警戒を気にしなくて良くなった我々は一気に資源をかき集めて戦力拡張に走る。
その結果、以下の戦力を作り出す事に成功した。
ヴェネター級スター・デストロイヤー
1隻+3隻 =4隻
CR90コルベット
6隻+6隻 =12隻
GR-75中型輸送船
6隻+1隻 =7隻
T-65B Xウイング・スターファイター
34機+99機 =133機
BTL-A4 Yウイング強襲用スターファイター/ボマー
72機+78機 =150機
TIEシリーズ・スターファイター
144機+43機 =187機
同じ手が通用するか分からないが航空攻撃は成果が出た以上、しばらくはこの手に頼るしか無い。
問題なのは消耗の激しい航空機で、これだけ生産してもまだスター・デストロイヤーに空きがあるので地球側の航空機を積みたいと提案し了承された。
その時見せたワープ技術の譲渡を地球側は度々要請するようになるが、こちらの切り札というのと持ってしまってイスカンダルへの旅が無くなるのはまずいからこれを却下する。
地球側の基地進捗が遅れている事もあって天王星基地の拡張に集中し、大規模な航空機基地ができ基地航空隊が展開したのもプラスになるだろう。
「なんとか待ち受ける体制が整いつつあるけど、このまま敵を待つつもりなのかしら?」
叢雲中央CICの中で、叢雲が俺に尋ねる。
この巨大体育館ほどの広さのある部屋では常時誰かがモニターし、指示を出している叢雲の頭脳部分に当たる。
なお、俺の回りに控えているのが叢雲を除けば、全員自動人形のメイドだったりするが気にしてはいけない。
「近隣星系への探査も今のうちにしておいた方がいいかもしれないな」
「というと、アルファケンタウリ、シリウス、プロキオンあたりですか?以上」
俺の言葉に副長になった自動人形の武蔵さんが返事をする。
なお、女神チートでもらったフォースを持ってしても、武蔵さんと鹿角さんに勝てない。
あの世界の技術はすげぇ。
「そのあたりだな。
それぞれの星系のコルベットを一隻ずつ向かわせて偵察しろ。
万一の事を考えて、他星系にもそろそろ基地を作っておいていい時期だ」
「かしこまりました。
コルベット三隻をアルファケンタウリ、シリウス、プロキオンの各星系に送ります。以上」
なお、俺が武蔵さんや鹿角さんと話していると叢雲の機嫌が少し悪くなる。
嫉妬しているらしいがそれに気づいていなのがまたかわいい。
「やる夫様。
このままの生産体制を続けていると、資源の供給が追いつかなる可能性があります。
正確には、資源確保では無く、資源運搬の方で障害が発生しかねません。
戦術ドロイドとの協議の結果、資源搬入輸送船としてアクラメイター級汎銀河軍事用アサルト・シップの建造を進言します」
戦力が増えれば必然的に補給に負担がかかる。
消耗した戦力の補充に力を注いだ結果、補給部分の弱体化が露呈したのである。
「たしか、それを見越してヴェネター級スター・デストロイヤーの建造を進めたんじゃなかったの?」
叢雲の質問に鹿角さんは淡々と答える。
「jud.
ヴェネター級スター・デストロイヤーも輸送艦としての能力を十二分に要しており現在も資源運搬活動に従事しておりますが、次の会戦で消耗すると一気に生産体制に支障が出かねません。
地球側との連携がある程度の視野に入った現時点で、後方支援艦艇の充実を視野にいれるべきかと」
「生産コストについてはどうなっている?」
「大雑把ですが、ヴェネター級スター・デストロイヤーの六割ぐらいでの建造が可能です」
悪くはない考えだ。
ガミラスと直接戰う必要がない以上、こちらがすり減る戦力の投入は避けないといけない。
ヤマトが旅立つ時にある程度の補給は送ってやりたいと考えていたから、その補給艦としても役に立つだろう。
「分かった。
アクラメイター級汎銀河軍事用アサルト・シップの建造を許可する」
「jud.」
「話は終わった?
じゃあ、私は先に戻らせてもらうわ」
機嫌が悪い様子を隠して叢雲がCICから出てゆく。
出ていったのを確認して、この中では俺以外に付き合いの長い鹿角さんが俺に囁く。
「途中の食堂に叢雲様のお好きなケーキを用意しておきました。
それを持っていってくださいませ」
「分かった。
何で機嫌が悪くなったのやら?」
甘いものを持っていってやればすぐに機嫌が治るのを知っていたので、俺は嫉妬とばかり思っていたのが、侍女達の答えは違ったものだった。
「やる夫様。
叢雲お嬢様は、自ら出撃してやる夫様のお役に立ちたいのかと。
とはいえ、どうせやる夫様とお泊り八時間コースで機嫌を直されるのですからちょろいものです。以上」
「jud.
そして、その戦いでお嬢様を失うのをやる夫様が恐れているのを分かっているので、ああやって我慢なされているのですよ。
ここは私達が引き継ぎますので、いちゃこらわっふるでさっさとお嬢様の機嫌を直してきてくださいませ」
……この二人口が悪いのを忘れていた。
で、本当にいちゃこらわっふる八時間コースで機嫌が直るのだからちょろいと思ったが、叢雲の寝顔がかわいいので黙っていることにした。
後書き
マゼラン改級戦艦 『機動戦士ガンダムセンチネル』
アルファケンタウリ、シリウス、プロキオンの調査 『ステラリス』
サイコロでステラリス系の宇宙人も登場するかもしれない。
証拠写真
https://twitter.com/hokubukyuushuu/status/951643345893257216
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