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レーヴァティン

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第三十六話 北の街その一

               第三十六話  北の街
 北の街に入ってすぐにだった、一行はサウナの場所を聞いてそこに入った。街の中にサウナは幾つかあったがその中で最も大きな店に入った。
 そのサウナの中でだ、淳二は汗を流して言った。
「いやあ、生き返るね」
「あったまってか」
「うん、これまで寒かったじゃない」
「それが暑い場所に入ってか」
「生き返るよ」
 こう隣にいる淳二に言うのだった、六人全員がいて皆腰から下にタオルを巻いてそのうえで入っている。
「こうして汗をかくとね」
「悪いものも出るしな」
「それもいいね、それで汗だくになって」
 それからのこともだ、淳二は話した。
「水風呂に入ってね」
「身体を冷やしてな」
「またあったまるんだよ」
「それをやってな」
「すっきりするんだよ」
「それがサウナだな」
「やっぱり汗はかかないと」
 こうも言う淳二だった。
「身体から悪いものが出ないよ」
「汗で出すってことだな」
「そうそう、それでこのお店湯舟もあるから」
「そっちも入ってだよな」
「あったまろうね」
「御前風呂好きなんだな」
「あっちの世界でもよくスパ入ってるよ」
 スーパー銭湯にというのだ。
「そこにね」
「そうなんだな」
「そこでもサウナに入ってるよ」
「いつもか」
「それでお湯の方にもね」
「そうして楽しんでるんだな」
「サウナで汗をかいてね」
 そしてというのだ。
「お湯で汗をかいて」
「それだけじゃないんだな」
「身体の疲れを取るんだよ」
「そっちもするんだな」
「そう、肩とか腰とか膝とか」
 そうした場所のというのだ、身体の。
「あちこちの疲れを取るんだよ」
「肩凝りもお風呂でなおすか」
「なおせるよ、血流がよくなるからね」
「マッサージとか必要ないってのか」
「人によるけれどおいらはね」
 淳二の場合はというのだ。
「もうそれでね」
「疲れが取れるんだな」
「肩とか腰のね、いいものだよ」
「じゃあお袋に言ってみるか」
 久志は淳二の話を聞いて考える顔でつぶやく様に言った。
「風呂にじっくり入ってな」
「肩とかだね」
「いつも肩凝りが辛いって言ってるからな」
「特に冬かな」
「ああ、わかるか」
「冬は身体が冷えるから余計になんだよ」
「肩が凝るんだな」
 久志は自分の肩を見つつ淳二に応えた。
「そうなんだな」
「うん、そうなるからね」
「だからか」
「そう、冬は特になんだ」
「風呂で身体をあっためてか」
「肩凝りをなおすべきなんぢゃお」
「そういえばお袋風呂早いな」
 久志はここでこのことにも気付いた。
「烏の行水っていうかな」
「身体洗ってそれでなんだ」
「すぐに出るからな」
「シャワーみたいな感じで」
「冬もな」
「それはよくないね」
 肩や腰のことを考えると、というのだ。
「それは」
「じゃあ起きたら言っておくな」
「そうしたらいいよ、一回じっくりと入ってね」
 その湯舟にというのだ。 
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