サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
475
翌朝〜
研究所にて
ニュース《シルフカンパニー緊急発表
〜カントー新時代計画〜》
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キャスター:「昨夜、カントーの中核を
担うシルフカンパニーが突然の緊急発表を
した後、各地方でポケモン達が
街を破壊し暴れ回る事件が発生しました。
このポケモン達はシルフカンパニーが
所持しているポケモンであり、、、」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
全員:「、、、」
テレビからニュースが流れる中、
サトシ達は皆座り込み、呆然としていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キャスター:「又、シルフはこの一件を
”カントー新時代計画”と名付け、
人類が格差を感じる事の無い平等な
新しい世界の創造を目指して計画を
進める予定であり、先ほど入った情報に
よりますと、計画の一歩として
全ての秩序の廃止、法律や
市民1人ひとりに課せらた社会的義務を
取り除く事を発表しました」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カツラ「、、ふむ、、、どうしたもんかの」
ヒロシ:「カツラさん、、」
カツラ「今頃人々は皆、シルフの持つ力に
脅えておる頃じゃろ、、、」
タケシ「法律や社会的義務を含む
全ての秩序を排除するって、具体的に
どういう意味なのか気になるな」
マリナ:「恐らく教育、勤労、納税は勿論、
地位や職業、組織などの社会的関係を
廃止するって事じゃないかしら?」
ジロウ:「そんな事をしたら世界が!」
フブキ巡査:「人間の常識が薄れ、犯罪者が
続出してしまうわ!」
マリナ:「世が崩壊するのも時間の問題ね」
秩序の排除、、それは、
人間が身につけている常識が消失し、
善悪の判断を狂わせ犯罪が増える事を
意味していた。
サトシ:「、、、くっ!」
ドンッ!(床を叩くサトシ)
ヒカリ「サトシ、、、」
カツラ:「ヒロシ君、
この状況をどう見るかね?」
ヒロシ:「、、、とにかく、昨日の今日で
一気に犯罪が増える事はあまり無いと
思います。フブキ巡査が言った通り、
人はそれぞれ常識を身につけてるし、
ほとんどの人は
まだ理性が働いているはず、、。
問題は、人々がこの事態に慣れた時です。
働かなくなり、社会の機能が停止すれば
人はどんどん欲を出す、、」
マリナ:「つまり、人は自分自らの手で、
破滅してゆく訳ね、、、」
タケシ:「シルフの狙いはそれか、、」
ヒロシ:「一刻も早くシルフを倒さないと
ここも危ない!秩序の排除には
組織の解散も
含まれている可能性があります!」
ヒカリ:「それ、どういう事なの?」
ヒロシ:「ワタルさん達は
俺たちが組織で動いているのを知っている!
もしこの場所が見つかったら、
反逆者の対象になって研究所が襲われる
可能性もあり得るんだ!」
ヒカリ:「そんなっ!」
カツラ:「、、じゃろうなっ」
タケシ:「計画が実現する前に
どうにかしてシルフと人々を止めるしかないな」
ジロウ:「止めるって、どうやって
止めるんだよ兄ぃちゃん!俺たちと
シルフじゃ数が違いすぎる!それに街の
人たちだって!」
ヒカリ:「街の人たちに、
シルフの言う事は信用しないように訴えれば
いいんじゃないかしら!」
マリナ:「秩序が排除された今、
人々が私達の言葉に耳を傾けると思う?
苦と楽を自由に選べるのなら、人間は
間違いなく楽な方を選ぶわ」
ヒカリ:「でも!」
カツラ:「まぁ、みな落ち着くんじゃ」
フブキ巡査:「シルフの出方を伺う、、いや、
後手をとってばかりでは振り回されるだけ、、」
タケシ:「どうすれば、、、」
サトシ:「、、、」
スッ(立ち上がるサトシ)
ヒロシ:「、、、サトシ?」
皆が少し取り乱していると、
サトシは立ち上がり
リビングを出ようとした。
ページ上へ戻る