提督はBarにいる。
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鎮守府・愛のエプロン!第1回-前編-
「……で、どうだったんだ?試験放送回の再生回数は」
「ふっふっふ、まさかまさかの10万再生突破ですよ!やはり触れ合う事の少ない艦娘が一生懸命に料理をしている姿は興味をそそられたようです」
「んじゃ、やっぱりやるのか?定期的に」
「勿論じゃないですか!そういう約束でしたからね」
「はぁ……やるからには覚悟を決めますかね。んで、いつからやるんだ?」
「キリも良いですから、1月からの放送開始にしたいと思います。ですのでそろそろエプロンガールズの抽選をお願いします」
「へいへい」
~数日後~
青葉「料理は愛だ!」
提督「愛があれば!」
2人「Love is OK!」
青葉「さぁ本当に始まりましたよ『鎮守府・愛のエプロン』!」
提督「始まっちゃったなぁ……」
青葉「提督、何でそんなに暗いんですか!」
提督「試験放送回以上のテロリストが出てくる可能性があるんだぞ?今から胃痛がするわ」
青葉「まぁまぁ、気を取り直して改めて企画説明です!飯ウマ鎮守府と言われている我が鎮守府ですから、所属する艦娘も当然ながら料理が出来ないと恥ずかしい!なのでその料理の腕前向上の様子を、画面の前の皆さんに見守ってもらおうという番組です!」
提督「恥を晒したり、人体実験的な話にならないといいがな」
青葉「さぁ、記念すべき最初のエプロンガールズ……カモン!」
提督「オイそれ前回も言ってなかったか」
利根「利根型の1番艦、利根なのじゃ!料理も索敵も吾が輩に任せるがよいぞ!」←ミドリエプロン
高雄「高雄型の1番艦、高雄です。提督に『美味い!』と言わせて差し上げますわ!」←アオエプロン
羽黒「み、妙高型の4番艦……羽黒ですっ!頑張ります!」←シロエプロン
ポーラ「ザラ級重巡洋艦の3番艦、ポーラです~。何にでも挑戦したいお年頃、勿論料理も頑張りま~す」←ピンクエプロン
青葉「おっと、期せずして重巡・航巡ばかりの回になってしまいましたね」
提督「まぁ、ランダムな抽選だからそういう事もあるだろ」
青葉「さて、エプロンガールズの皆さんに料理の腕前に関して自信の程を窺ってみましょう!」
※4人の料理の腕前は?※
利根:★1【WARNING!】飯テロリスト(直喩)の可能性大。放送事故に注意!
利根「さっきは偉そうな事を言ったが……実は筑摩に任せっきりで料理なぞほとんどした事が無いのじゃ」
提督&青葉(やべぇよ、思わぬ伏兵がいた)
高雄:★4【美味い。お代わり余裕の味】
高雄「ふふふ、足柄さえも嫁に行ってしまったこの現状……嫁かず後家キャラになる訳にはいきませんからね。料理の修行もバッチリです」
青葉「……何故でしょう、高雄さんの目にうっすらと涙が見える気がします」
提督「青葉、触れてやるな」
羽黒:★5【セミプロ級。新たな飯ウマ勢の誕生か】
羽黒「妙高姉さんや足柄姉さんには及ばないかも知れませんが……が、頑張りますっ!」
提督「いや、十分上手いと思うぞ?手作りチョコの味を見る限り」
青葉「なんと!?提督羽黒さんから手作りチョコを頂いてたんですか!」
羽黒「はうううぅぅぅぅぅ……」←赤面
提督「さて、問題は……」
ポーラ:★3【普通。美味くもなく、不味くもなく……】
ポーラ「ふっふっふ~提督聞いて下さいよ~」
提督「なんだ?」
ポーラ「ポーラ、この日の為に1週間禁酒して、ザラ姉様とお料理の特訓して来たんです!ワインもニホン=シュも我慢した、ポーラの本気を見せてあげます」フンス
提督&青葉「な、何だってー!?」
提督「あ、あのポーラが1週間禁酒……!?」
青葉「これは並々ならぬ気合いを感じます!」
ポーラ、禁酒とトレーニングにより腕前1ランクup!
ポーラ:★3→★4【美味い。お代わり余裕の味】
青葉「それでは、提督よりお題の発表です!」
提督「うむ。高雄が嫁かず後家になって苦しまないように…… 」
高雄「ちょっと!?」
\ドッ ワハハハ/
提督「男はこれに弱い、という料理の定番……肉じゃがだ!」
青葉「はい、それではお題は『肉じゃが』!調理時間は50分となります。それでは……調理、スタート!」
~調理風景:利根の場合~
「さて……肉じゃがは好物じゃから何度も食べた事はあるが、何が入っておったかのぅ?」
『今回の一番の不安要員ですね』
『基本家事に関する事は筑摩に丸投げらしいからな』
「ジャガイモ、玉ねぎ、ニンジン……後は肉じゃな」
『どうせまた何か仕込んであるんだろ』
『まぁお約束ですし』
A:牛肉 B:豚肉 C:山羊肉 D:駆逐イ級の肉
『知 っ て た 。……ってか羊肉も十分にヤバい気がするな』
『羊肉だと上手く作らないと臭くなりそうですしね』
( ;´・ω・`)<羊肉ちゃうで
『ん、なんですかようせ……スタッフさん?』
『あ、あれ羊肉じゃなくて山羊(ヤギ)肉って書いてあんぞ!?』
※山羊肉……沖縄等ではポピュラーな肉。羊よりもクセが強く、匂いがキツいというか、ぶっちゃけ臭い。
『やべぇよ、やべぇよ……(震え声)』
「う~む、解らんが……恐らくこれじゃな!」ガシッ
『セーフ!Aの牛肉をチョイスしましたよ』
『でもまだ第一関門なんだよなぁ……』
「さぁ、野菜と肉を刻んで行くぞ!」
『うわぁ、野菜も肉も手で抑えないで包丁を叩き付けるように切ってますよ』
『あれじゃあ“切る”っていうより“斬る”って感じだな』
『何上手いこと言ってんですか』
「ううぅ……玉ねぎが目に滲みるのじゃあぁ!筑摩ぁ~……ぢぐまああぁぁぁ!うわああぁぁぁぁん!」
『何というか……お約束だなぁ』
『ですねぇ』
「ふぅ……玉ねぎめ、吾が輩を号泣させるとは中々の強敵じゃった。しかし!吾が輩は為し遂げたぞ!」
『乱切りというか、バラバラ死体みたいな感じですがね』
「よし、炒めて行くぞ!」
『意外と炒めていく手際はいいな。問題は味付けだが……』
「筑摩の奴は大さじや小さじと言っておったが……これか!」←お玉装備
『違~う!お玉にもサイズはあるけどさじは匙!スプーンだから!』
『もうだめだぁ……おしまいだぁ』
「醤油に味醂に酒……それに砂糖じゃな!」ドバドバ
『何気に調味料のチョイスは間違ってませんね』
『種類はな(重要)』
「さて……仕上げに何かおりじなりてぃを加えたいが」
『『やめろォ!』』
~更に加える食材選択肢~
A:絹さや B:糸こんにゃく C:糸こんにゃく?(正体は後ほど!) D:全部!
「そういえば、筑摩の作った肉じゃがには糸こんにゃくが入っておったのぅ。吾が輩も入れてみるか!」
『と言いつつ手に取ったのはCの糸こんにゃく?ですが』
『おい、なんで?マーク付いてんだよ。何だよアレ』
『アレはですねぇ……潜水カ級の髪の毛です(真顔)』
『ファっ!?青葉てめぇ!』
『提督の料理を差し入れたら快く提供してくれました』
『何してんだよ……』
「う~む、こんにゃくのくせに切りにくいのぅ」
『そらそうよ、こんにゃくじゃねぇもの。髪の毛だもの』
『なんかリ〇グのワンシーンみたいに見えてきました』
「よし、何とか切れたぞ!これを入れて軽く煮れば……完成じゃ!吾が輩特製の肉じゃがじゃ。筑摩の奴にも食わせてやるかのぅ!」
『今からでも替わって欲しいわ……』
『さて、気を取り直してお次は高雄さんの調理風景を見てみましょう』
~調理風景:高雄の場合~
「さてと。オープニングでは思わず噛み付いちゃいましたけど、私も花嫁修行は欠かしてませんからね。いつか本命の人に気付いてもらえるように」ジー
『……なんかものっそいカメラ目線なんだけど』
『モニター越しに念を送ってるんじゃないですかね?』
『誰に?』
『……高雄さんも苦労しますねぇ』
「奇をてらった事はしなくていい。基本に忠実に……使うのはジャガイモ、玉ねぎ、ニンジン、それに豚肉にしましょうか。提督は関東の方ですから」
『関東と関西だと牛肉と豚肉の違いがありますからねぇ。ぶっちゃけその辺どうなんです?』
『俺はどっちも作るし、どっちでも良いけどなぁ。……でもまぁ食い慣れてるのは豚肉かな』
「豚肉には砂糖と醤油を揉み込んで、下味を付けておきましょう。漬けておいてる間に野菜も切って……」
『恐ろしく手際が良いですねぇ』
『さっき利根のを見てるから、余計にそう見えるな』
「さぁ、ここからが重要よ。肉じゃがは炒め煮に近いから、火は入れすぎも入れなさすぎも厳禁だから……」
『と言いつつ軽々やってますね』
『漬けておいた肉を軽く炒めた所に野菜を加え、油が回った所で味醂に酒を足して、鰹出汁も入れて落し蓋。こりゃ本格的だなぁ』
「味の濃さは……うん、こんな所ね。あの人は濃い目が好きだけど、健康にも気遣って少し薄味にしました」
『誰の事だろうな?』
『自覚無いんスか、提督』
「後は器に盛って、塩ゆでしておいた絹さやを飾れば……出来上がりです!高雄の愛情たっぷり籠めました!」
『おぉ……美味そうだな!これは期待できる』
『その愛情が伝わる日は来るんですかねぇ……?』
長くなったので、次回に続きます!by青葉
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