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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者

作者:niko_25p
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第四十一話 機動六課のある休日 4

始まる追跡。

迫り来るガジェット。

増大する敵勢力に機動六課は……





魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者、始まります。





アスカside

オレとギンガさんは、地下水路に降り立ったと同時にセットアップした。

だって臭いんだもん。はっきり行って下水道だし。

セットアップすれば、生命維持装置が働いて、空気を濾過して体内に取り組む事ができる。

でも……

「ここを女の子が一人で、それもレリックの入ったケースを2つも引きずってたなんて」

訳も分からないうちに攻撃され、怖くなって逃げ出して……心細かっただろうな。

くそっ!誰がこんなバカな事をしやがったんだ!

「気持ちは分かるけど、今はレリックの捜索と、合流に集中しましょう」

ヤベ、感情が顔に出てたか?

「はい……あれ?」

怒りの感情を抑えてオレは返事をしたけど、ギンガさんのバリアジャケットを見て声を上げてしまった。

ボディスーツのようにクッキリと身体のラインが出てる、ちょっと嬉しいジャケットを見て驚いたんじゃない。

スバルと同じようなローラーブーツ、そこまではまだ良い。

スバルとは反対の、左手に装着されたリボルバーナックル。

それまで意識していなかったけど、もしかしたらリボルバーナックルって、左右で一対の装備なんじゃないか?

「その装備って?」

疑問に思ったので聞いてみた。

「スバルと似てるでしょ?ブリッキャリバーは六課から贈られた物なの。応援でそっちに行く事になってたから。リボルバーは……聞いていない?母さんの形見なの」

「え?」

初耳だ。

でも、思い当たるフシはある。

スバルからは親父さんの話やギンガさんの話はよく出ていたけど、思えば母親についてほとんど話題に上がる事はなかったような気がする。

何しろ、オレも含めて六課フォワードは色々訳ありだ。

気づかないうちに、母親の話を避けていたのかもしれない。

「両手持ちだと、私やスバルには重すぎてね。まだまだ修行が足りないなぁ」

そう言って笑うギンガさん。笑うと、スバルソックリだな。

「……強いですね。スバルも、ギンガさんも」

素直にそう思った。

過去に何があったのかは知らないけど、明るく元気なスバルに、凛々しく強いギンガさん。

過去の傷の筈なのに、こんなに普通に話せるなんてスゴい事だよ。

そう思ってた時に、通信アラームが鳴った。

「こちらライトニング5」

「スターズ4からライトニング5へ。隊長達が到着して、レリックと要救助者をヘリでの搬送体勢に入ったわ。アタシ達も地下水路へ降りて、もう一つのケースの捜索に加わるから」

ティアナからの通信だった。どうやら一つ、問題は解決したな。

「ライトニング5、了解した。女の子の容態はどうなんだ?」

保護されたとは言え、この地下水路を延々と歩いていたんだ。

気になってた事を聞いてみる。

「シャマル先生が診てくれたけど、バイタルは安定しているから大丈夫だって。ただ、衰弱しているから、このまま聖王病院へ直行だそうよ」

怪我とかは無しか。衰弱って言ってたけど、逃げ出した時の疲れが出たんだな。

「そうか、分かった。下に降りたら交流地点を指示してくれ。捜索しながら向かう」

「了解」

そこで通信が切れた。

「ひとまず安心ね」

ギンガさんがそう言った時、今度は緊急アラームが鳴り響いた。忙しいな、もう!

「こちらロングアーチ1。ガジェットの機影を確認!地下水路に数機ずつのグループで総数20!」

緊迫したシャーリーの声がこちらに届く。

おいでなすったって事だ。

「海上方面、12機単位で5グループ!」

更に敵機を確認したアルトさんが報告してきた。

「多いな!」

思わずボヤいたオレに罪はないよな?

「海上のは陽動部隊ね。こっちが本命だとしたら、ガジェット以外の戦力もで出てくるかもしれないわね」

ギンガさんの言葉に、オレは顔をしかめる。

思い出されるのは、ホテルアグスタでの召喚魔法の事。

「召喚士が来ると厄介だな。オレ達じゃ手に余る」

またガジェットを操られでもしたら、苦戦するのは間違いないだろう。

「大丈夫よ、アスカ。市街戦にならないように、隊長、副隊長も動いている筈だから。私達はやるべき事をするだけ」

「そうですね……!」

ギンガさんに返事をした時に、オレは異変に気づいた。

一気に前に出て、素早くバリアを張る。

次の瞬間、ヒュンと音を発ててレーザーがバリアにぶつかってきた。

「ガジェット?」

ギンガさんを守りつつ、オレはバリアを維持する。

ワラワラとガジェットが湧き出てきやがった。

「本当に多いな。AMFは結構キツイですよ、大丈夫ですか?」

ガジェットのレーザーを防ぎながら、オレはギンガさんに聞く。

AMFは慣れていても厄介な物には変わりない。だが、その心配は無用のようだ。

「誰の姉だと思っているの?」

強気に言い放つギンガさん。

「失礼しました」

苦笑いが出ちゃったよ。さすがスバルの姉ちゃんだ。

「私が攻撃を担当するから、アスカはフォローお願い!」

そう言うが早いか、ギンガさんはガジェットに突撃して行った。

「了解!」

まったく、大した姉ちゃんだよ!





outside

時間は少女を発見した時まで遡る。

聖王教会本部にフェイトの義兄、クロノ・ハラオウンが訪れていた。

騎士、カリム・グラシアと会談を行う為にだ。

「それにしても、貴方の制服姿はやっぱり新鮮ですね」

金髪の美女、カリムが穏やかにクロノに言う。

「はぁ……制服が似合わないと言うのは、友人どころか妻にまで言われますよ」

クロノのボヤキに、思わずカリムが笑う。

「そんな!いつもの防護服姿と同じくらい凛々しくしていらっしゃいますよ、クロノ提督」

「はい、ありがとうございます。騎士カリム」

二人が和やかに談笑していると、そこにシグナムとシャッハが部屋の中に入ってきた。

「失礼します」

「あら、シグナム。お帰りなさい」

シグナムを招き入れるカリム。

「合同捜査の会議は?」

単刀直入にクロノが尋ねる。

「ええ、滞りなく」

シグナムの答えに、クロノが頷く。

「こっちは丁度、六課の運営面の話が済んだところだよ」

「ここからは今後の任務についての話。貴女も同席して聞いておいてね」

「はい」

シグナムがカリムに答えた時だった。

通信シグナルが部屋の中に鳴り響いた。

「あら?直接通信。はやてから?」

はやても今の時間はクロノとの会議をしている事は知っている。

その中を通信をしてくると言う事は緊急性があると言う事だ。

カリムは引き締まった表情で通信回路を開いた。





その頃、少女を保護したエリオとキャロは周囲に気を張っていた。

キャロの膝に頭を乗せている少女は、疲れ切った顔で意識を失っている。

その少女を、エリオは心配そうに見つめる。

(レリックに繋がれた女の子……生体ポッド……まさか、プロジェクトFで生み出されたんだろうか?)

エリオの表情が曇る。

プロジェクトF

クローン技術で肉体を製造し、オリジナルの記憶をクローン体に移植する技術。

(こんな事をするヤツなんて……ジェイル・スカリエッティ!)

気づかないうちに歯を食いしばるエリオ。

「エリオ君?」

キャロが強ばった表情のエリオに心配そうに声をかける。

「あ……ごめん。ちょっと考え事をしてて……」

荒れそうになる心を、エリオは鎮めようとする。

もう一度、少女に目を向ける。

おそらく、少女は何も知らない。自分が何者か。

「……大丈夫。ボク達がちゃんと守るよ」

眠っている少女に、エリオは優しく語りかける。キャロも、それに頷いた。

「エリオ!キャロ!」

全体通信を受け、近くにいたスバルとティアナも駆けつけた。

「スバルさん、ティアさん!」

頼れる仲間の到着に、エリオの表情がほぐれる。

「この子か。また随分ボロボロに……」

眠っている少女を目にし、ティアナの表情が曇る。

「地下水路を通って、かなり長い距離を歩いてきたんだと思います」

少女を膝枕しているキャロがスバルとティアナを見上げた。

「まだ、こんなに小っちゃいのに……」

疲れ切った幼い少女を見て、スバルは悲しそうに眉を寄せる。

「……ケースの封印処理は?」

少女が可哀想だからと言って悲しんでばかりはいられない。

ティアナは頭を切り替える。

「はい、キャロがやってくれました。ガジェットが見つける心配はないと思います」

その答えに、ひとまずは安心と思った矢先に、エリオがレリックのケースをティアナに見せた。

「それからこれ……」

ケースは鎖につながれいたのだが、もう一つ、何かを括り付けていたような輪っかがあったのだ。

「ケースはもう一つあった?」

少女が逃げている時に、どこかに落とした可能性がある。だとしたらガジェットが動いているかもしれないとティアナは考える。

「いま、ロングアーチに調べてもらってます」

エリオの声にも緊張感がある。

ティアナは一度、状況を整理する。

ここに駆けつける前に、なのはからの連絡があった。

アスカが、少女が逃げてきた現場にいると言う事。

そのそばに破壊されたガジェットと、生体ポッドの残骸があったと言う事。

ティアナはデバイスの直接通信を行った。

「アスカ、女の子がいたかもしれない場所にいるって本当?」

前置きもなく、必要な事だけを尋ねる。

「ああ、これから移動する予定だ」

すぐに返事が返ってくる。

「じゃあ、地下水路を通ってこっちまで来て。レリックのケースは、実は2つあったかもしれないの。なるべく女の子の通った道をトレースしてきて」

「……下水道じゃん」

「分かったの!」

「りょーかい」

気のない返事が返ってくる。

それを確認したティアナは通信を切った。

「隊長達とシャマル先生、リイン曹長がこっちに向かってくれてるそうだし、とりあえず現場を確保しつつ周辺警戒ね」

「「はい!」」「うん!」





機動六課司令室は、性急に今回の事件の情報を整理していた。

今までとは明らかに性質の違う事件だ。

はやて、グリフィスはモニター越しに、騎士カリムと向かい合っている。

「そう、レリックが……」

はやてからの報告を聞いたカリム。

「それを小さな女の子が持っていた言うのも気になる。ガジェットや召喚士が出てきたら市街地付近での戦闘になる。なるべく迅速に、確実に片づけなアカン」

はやての言葉に、クロノが尋ねる。

「付近の部隊には、もう?」

いくら機動六課のメンバーが優秀とは言え、民間人の避難誘導をするには人員が足りない。

そういう細かい任務は、現地部隊に応援を要請するのが普通だ。

「うん。市街地と海岸線の部隊には連絡したよ」

「そうか……」

迅速な対応にクロノは頷いたが、心配そうな表情は消えない。

「奥の手も出さなアカンかもしれん」

はやての言う奥の手。

それは隊長達に掛かっているリミッターの限定解除の事を指す。

ただ、回数制限を掛けられている為に、おいそれと使える物でもなかった。

「そうならない事を祈るがな」

クロノが重い口調で言う。

クロノの言葉の意味は二つある。

限定解除を行う程の激しい戦闘になれば、物理的な被害はもちろん、人的被害に及ぶ可能性がある。それはなんとしても避けたい。

もう一つの意味は、回数制限のある限定解除をこの時点で使いたくないと言う物だ。

この先、何があるか分からない。切り札は残しておきたいのがクロノの考えだ。

今の状況で、できるだけの戦力を集めていた方が良いかもしれないとカリムは判断する。

「……シグナム。貴女も向こうに戻っておいた方がいいわ」

カリムは後ろにいるシグナムに向き直る。

「はい」

心得ています、とばかりにシグナムは答えた。

「シャッハに送ってもらえば、すぐにもどれるから」

「ありがとうございます。騎士カリム」

深々と頭を下げ、礼を口にするシグナム。

「シャッハ、お願いね」

「はい、お任せください。ついでに、教え子の様子を見てきますよ」

シャッハは自信に溢れた笑みを浮かべ、カリムに答えた。





路地裏では、なのは達が到着して少女を介抱していた。

「バイタルは安定しているわね。危険な反応もないし、心配ないわ」

シャマルが少女の診察を終えて、その結果をみんなに伝える。

「はい!」「よかったぁ!」

安心したのか、キャロとスバルが笑う。

「ごめんね、みんな。お休みの最中だったのに」

休暇を中断させてしまった事を申し訳なく思っているのか、フェイトがみんなに謝る。

「いえ!」「平気です!」

当然フェイトが謝るような事ではないので、エリオとキャロはそう答えた。

「ケースと女の子は、このままヘリで搬送するから、みんなはこっちで現場調査ね」

「「「「はい!」」」」

なのはの指示に、4人はすぐに行動に移る。

ティアナはアスカと連絡を取る。

「スターズ4からライトニング5へ。隊長達が到着して、レリックと要救助者をヘリでの搬送体勢に入ったわ。アタシ達も地下水路へ降りて、もう一つのケースの捜索に加わるから」

すぐにアスカから通信が返ってきた。

「ライトニング5、了解した。女の子の容態はどうなんだ?」

さっきは気のない返事をしていたが、それは本心を隠していたのだろう。

レリックを引きずって長い距離を歩いていた少女の事が気になるようだ。

「シャマル先生が診てくれたけど、バイタルは安定しているから大丈夫だって。ただ、衰弱しているから、このまま聖王病院へ直行だそうよ」

ティアナも、アスカが少女の事を心配している事を分かっている。

安心できる情報をアスカに伝えた。

「そうか、分かった。下に降りたら交流地点を指示してくれ。捜索しながら向かう」

「了解」

アスカとの通信を終えて、ティアナは再び警備に戻った。





なのはside

アスカ君を除いたフォワードメンバーが配置についたので、私達は女の子をヘリで搬送する準備に取りかかる。

「なのはちゃん、この子をヘリまで抱いて行ってもらえる?」

診察を終えたシャマルさんが、診察道具を片づけながら私にそう言ってきた。

「あ、はい」

眠っている女の子を抱き上げる。

思った以上に軽い。

こんな小さい身体で、レリックを引きずってここまで歩いてきたんだ……

「もう、心配はないよ」

囁くように、私はそう呟いていた。





outside

機動六課司令室でレーダーを睨んでいたシャーリーが、最初にその反応に気づいた。

「ガジェットきました!地下水路に数機ずつのグループで総数……16、20!」

シャーリーの声が司令室に響く。

「海上方面、12機単位で5グループ!」

アルトも海上に出現した敵機の存在を報告する。

「フォワードに情報を渡してな!」

ロングアーチスタッフに指示を飛ばすはやて。

「了解!こちらロングアーチ1!」

シャーリーがすぐに全体通信で状況をフォワードに伝える。

「多いな……」

次々と出てくるガジェットを見て、はやては腕を組む。

「どうします?」

「そうやな……」

グリフィスの言葉に、はやてが考え始めた時だった。

直接通信が司令室に届いた。

「スターズ2からロングアーチへ、こちらスターズ2。海上で演習中だったんだけど、ナカジマ三佐が許可をくれた。今、現場に向かってる」

心強い援軍だった。ヴィータは高速でサードアヴェニューに向かっている。

「ええタイミングや、ヴィータ!そのままリインと合流して海上の南西方向を制圧」

「南西……スターズ2了解!リイン、遅れるなよ!」

ヴィータはそのまま指示通りに進路を変える。

『南西方向、了解です!』

ヘリからリインが念話で答える。

「なのは隊長とフェイト隊長は北西部から」

『『了解』』

同じくヘリに搭乗していた隊長二人も返事を返す。

「ヘリの方は、ヴァイス君とシャマルに任せてええか?」

「お任せあれ!」「しっかり守ります」

ヴァイス、シャマルに指示を出して一通りの命令を出し終えたはやてに、シャーリーから報告が入る。

「ライトニング5、エンゲージ!戦闘を開始してます!」

「状況確認急いで!」

「はい!映像、きます!」

司令室のメインモニターにアスカとギンガが映し出される。

そこには、いつも通りのアスカがいた。

アスカがディフェンスで敵を引きつけ、ギンガが攻撃を仕掛ける。

瞬く間にガジェットを殲滅する。

「お見事や、これなら心配ないな。スバル達にもセットアップ許可を出して戦闘準備。敵と遭遇したらすぐに迎撃」

「了解です」

シャーリーがはやての指示をフォワードメンバーに通達した。





ティアナside

アタシ達4人は、円陣を組むように向かい合っていた。

うん、全員やる気充分ね。

「さて、みんな!短い休みは堪能したわね!」

休暇が途中で切られて残念がるような子達じゃない。

エリオもキャロも、自分の仕事がどういう物なのかを理解してる。

「お仕事モードに切り替えて、しっかり気合い入れて行こう!」

「「はい!」」

スバルの言葉に、エリオとキャロも元気に返事をした。

そして、それぞれのデバイスを取り出す。

《Standby》

「「「「セーットアップ!」」」」

同時にセットアップを完了させたアタシ達は、女の子が出てきたマンホールから地下に降りる。

着地と同時にシャーリーさんから連絡が入ってきた。

「ライトニング5、エンゲージ!」

一足早く、アスカが戦闘に入ったようだ。

大丈夫かしら?

「え?」

その連絡を聞いたエリオが不安そうな表情を見せる。

「そんな顔しないの。アスカの防御はガジェットぐらいじゃ突破できないのは知ってるでしょ?」

アタシは、安心させるようにエリオの頭を撫でる。普段、アスカがしているように。

「……そうですよね!アスカさんなら、ボク達が来るまでずっとバリアを張ってそうですもんね!」

エリオが冗談めいたように言った。

強いわね、心配な筈なのに。

アタシは確認を取る為に、アスカに回線を開いた。

「アスカ、ガジェットが出たみたいだけど大丈夫?」





フェイトside

私となのはは、ビルの屋上にやってきていた。ここからでは、まだ空戦型は見えない。

「フォワードのみんな、ちょっと頼れる感じになってきた?」

入隊直後とは違い、今のみんなはすごく良い表情をしている。

この短期間に、随分成長したんだなと思う。

「うふふ。もっと頼れるようになってもらわなきゃ」

そう言うなのはも、どこか嬉しそうに見える。

教え子の成長を感じ取れたから、きっと嬉しいのだろう。

私となのはは、バリアジャケットを纏いデバイスを起動させる。

「早く事件を片づけて、また今度お休みをあげようね」

私が言うと、なのはもそれに頷いてくれた。

「そうだね」

「みんなで遊びに行ったら、きっと楽しいよ」

「うん」

その為にも、今を守りきらなければならない。

私達は空に上がり、ガジェットが向かってくる空域に進路を取った。





リインside

騎士甲冑を身につけて出撃準備を整えた私は、ゆっくりと開くヘリのハッチを見ていました。

冷たい、そして激しい風が流れ込んできて、髪を揺らします。

「気をつけてね」

「はいです!」

シャマルに見送られて、私は空中に身を踊らせます。

みんなをきっと守ってみせます!祝福の風の名に賭けて!

「ヴァイス陸曹も、よろしくですよ!ストームレイダーも二人を守ってあげてください!」

「うす!」《all right my friend》

ヴァイス陸曹も、ストームレイダーも頼れる仲間です。

絶対、大丈夫です!





outside

ビルの避雷針の先に、一人の少女が立っていた。

紫色の長い髪がビル風にたなびいている。

召喚士、ルーテシアは風を捉えるように目を瞑っていた。

そのルーテシアの目に前に、モニターが現れる

ヘリに確保されたケースとマテリアルは妹達が回収します。お嬢様は地下の方に」

ナンバーズNo.1、ウーノが要件を伝える。

「うん」

短く答え、ルーテシアは目を開いた。

「騎士ゼストとアギト様は?」

周囲に、普段は一緒に行動しているゼストとアギトが居ない事に気づいたウーノが尋ねる。

「別行動」

抑揚のない声で、ルーテシアは短く答えた。

「お一人ですか?」

二人がいるものと思っていたウーノが、少し眉を寄せる。

「一人じゃない……私には、ガリューがいる」

そう答えたルーテシアは、デバイスから紫色の光を出し、愛おしそうに抱き寄せた。

「失礼しました。協力が必要でしたらお申し付けください。最優先で実行します」

一礼して、ウーノはモニターを閉じた。

「……行こうか、ガリュー」

ルーテシアが紫色の光に囁いたと同時に、足下に魔法陣が現れる。

「さがし物を見つけに」

次の瞬間、ルーテシアの姿が忽然と消えた。 
 

 
後書き
明けましておめでとうございます。
大晦日に発熱して寝込んでました。以上、近状報告です。

さて、今回はシーンが色々と入れ替わったりして慌しい感じになってしまいました。
アニメでも、ここの話はシーンが色々変わるので、表現が大変です。
まあ、そこまで文章力が無いのが悲しいですが……
次の話から本格的な戦闘が始まります。
ああ…早くディエチを出したい……

アスカとギンガは即席コンビでも、担当がはっきり分かれているのでコンビネーションがいいです。
いろいろと動き出すストーリー。次も頑張って投稿します! 
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