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昔取った記念日

作者:臣杖特
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晦日は回れ

 おおおおおおおおおお!
 なんてことだ。
 大晦日って知っているか?
 今年は世界滅亡(脚注、年号です)23年12月31日。あたしの生まれた日にそこそこ近い日だ。
 大晦日といえばやることが多い。大掃除して年越しそば食べて年賀状が来ない現実への耐性を修業によって高めて。
 あたしが嫌なのは家事だ。あたしの怖いもの4つ。自身雷おこし家事親父おこし。
 分かるか。掃除をするということは今まで奥の奥に隠しておいた恥ずかしい記憶や記録を引っ張り出して態々布巾を汚くしてまで清めて返すんだ。捨てることはいけない。まだあたしは恥ずかしングだから。
 あたしの徳は当たり前の徳でみんなの徳だからあたしにとって損で、学校を1人早退した時のような相対的な世界ではないのが悲しくて悲しくてあたしは16歳なのにビール片手にエア競馬します(脚注、犯罪です)。悪いか?悪いよね?みんな相対的に当たり前ならあたしだって相対的に当たり前。みんな当たり前に良いことやって当たり前な良いことですって言うのに、なんでみんな当たり前に悪いことをしながら人には信じられない珍しい悪いことですって言うんだろう?あたしがモヘンジョダロ2年生(脚注、年齢で言うなら13歳頃です)の頃、あたしが先生に怒られて、「でもサウジアラビアダウジングちゃんもやってたし」と言って怒りをおかわりされたことがあるけど、それはやはりあたしは見当違いだったけど野球の変化球のようにそれはグニッとグサリと刺さっていたかもしれないってサウジアラビアダウジングから貰った誕生日プレゼントを見ながら思った。結局プレゼントは涙を流しながらゴミ箱に投げ捨てた。
 あたしの部屋はあたしの心の中なんかじゃない。あたしの髪でもない。あたしの心の中には例えまっさらだろうと参考書なんて無い。それに思い出の品よりも沢山のことを覚えている。この部屋はあたし王国のごますり商人と会話をする場所なんかじゃない。いつか自分だけのお城が欲しいと思っていたけど、あたしオリジナルの空間で、タランドゥース(脚注、アイドルグループの名前です)の写真は牢獄に匿われていた。あたしは牢獄の鍵を持って、こっそり近寄ることが精一杯だった。
 当然だ、あたしは王様じゃないんだから。相対的に、当然なんだ。
 泣きながら破った好成績のテストを個人情報の為にビリビリにしていると、突然スマホ(脚注、スマホミエイスという通信手段の略称です)がポンポンポポポゥォンと鳴った。着信あり。あたしは紙切れを急いでゴミ箱に放り投げてスマホを手に取った。相手はサウジアラビアダウジングだった。心のなかでソーリーソーリーと2周呟いてから電話に出る。
「もしもし」
「やっほー、私私」
「しまった、鷹じゃなくて鷺だった」
「一富士二鷹三茄子ってど○ぶつタワーバトル(脚注、正式名称に○を用いた珍しいアプリゲームです)関係あるよね絶対」
「アリゾナガンジスるね」
「でさー、冬休みの宿題で捌けないことがあるんだけど、砂漠だけに」
 そう言ってサウジアラビアダウジングが聞いてきた質問は、あっけないほど簡単なものだった。
「……ってわけです」
「うわ、凄い。天才じゃん」
「こんなの出来ても自慢できないよ」
「えー、でも色んな人に聞いて今まで答えてもらってなかったんだよ」
「誰に聞いたの?」
「ミユ」
「それ以外は」
「だけ」
「色んなじゃないじゃん」
 あたしは笑った。
「でも良かった、分かって」
「こんなん、ケイコとかマッチョリコールランプとかカナとかならもっと簡単に解けるよ」
「でも今解いてくれた運命の人は、あんたじゃん?」
 あ……
「運命て。軽いな―」
 あたしはからからと笑った。
「軽イ14世ザ・サード!って感じだから仕方無い」
「あはは、なんか……」
 あたしは一呼吸置いて、野球は観る専なことを思い出した。だから変化球なんて無い。
「ありがと」
「ええ?どういたしまして?」
「あけおめ」
「ことよろ」
「テニスビーム」
「ライスキック」(脚注、「山」に対する「川」のようなものです)
「ふふ、じゃね」
「いばいばー」
「ばー」
 あぁ、そうだ、部屋に友達を呼ぶことだってあるじゃないか。部屋が綺麗なら褒めてくれるだろうか
 あたしは布巾を手にホコリの森の奥地をかきわけた。 
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