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住職は宇宙人

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第三章

「素晴らしい方だ」
「うむ、知識も教養も見事だ」
「人格も非常に優れている」
「まことに立派な方だ」
「実にな」
 こう話すのだった。
「あの人なら大丈夫だな」
「次の住職になれる」
「この寺を任せられる」
「是非な」
「それではだ」
 彼等はこうも話した。
「檀家、信者の方々にも紹介出来る」
「次の住職だとな」
「お師匠様もそろそろとお考えだ」
「それではな」
 彼等も異存なくだった、そうして。
 和解は檀家、信者の者達に紹介されたが彼等も最初は仰天して和尚と門弟達にその仰天の顔で尋ねた。
「あの、本当ですか?」
「嘘ではないですよね」
「宇宙人が次の住職さんですか」
「グレイ星人の方が」
「そうなるのですか」
「まさか」
「そうです」
 その通りだとだ、和尚は檀家や信者にも答えた。
「法主様ともお話をして決まりました」
「何と、法主様とですか」
「お話をされて」
「そしてですか」
「正式に決まったことですか」
「そうです、確かに彼は宇宙人です」
 和解を手で指し示して話した。
「しかし僧侶としての彼を御覧になって下さい」
「これからですか」
「そうしてですか」
「そしてそのうえで」
「次の住職に相応しいかどうかをですか」
「見極めて下さい、私達の目ではです」 
 彼等が見たところはというのだ。
「彼はこの寺の住職に相応しいです」
「そうですか」
「ではこれからですね」
「私達も見て」
「そうしてですね」
「そうです、ですから」
 だからだというのだ。
「宜しくお願いします」
「わかりました」
「それではです」
「これからこの方を観させて頂きます」
「僧侶として次の住職としてどうか」
「そのことを」
 檀家、そして信者の者達も頷いた。そうしてだった。
 彼等は和解を見はじめた、すると和尚の言った通りにだ。
 和解は教養豊かでさらに日々学問に励み僧侶としても人間としてもかなりの知識を持っていて誰の問いにもすらすらと答えた。
 朝早く起きて自ら身体を動かして修行や雑用に従事し温和で決して怒ることがない。また無欲で清潔だった。
 その彼を見てだ、檀家や信者の者達も認めたのだった。
「うむ、あの方ならな」
「この寺の次の住職に相応しい」
「立派な方だ」
「この寺を預けられる」
「そうですね、確かに異星人ですが」
 和尚も和解を認めた彼等に話した。 
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