| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十一話 趣味で造ろう


お待たせしました、疲れで昨夜UP出来ませんでした。


********************************************
第五十一話 趣味で造ろう

帝国暦479年7月7日

■オーディン グリンメルスハウゼン子爵邸  テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム

 日本であれば七夕だったこの日、短冊に願いを書いてじゃないけど趣味と実益で欲しい物があるので、
爺様達に頼んで探して貰うことと作ってもらう事にしました。
いやー皇女って良い身分ですね、比較的自由に金使えますから色々企むには最高ですね。

書道と水墨画がやりたいのでその品物を探すか作れる職人を捜して貰います。
必要なのは、まず和紙です。
クワ科コウゾ、ジンチョウゲ科ミツマタなどの木を探して貰い、
其れから紙漉のやり方を詳しく書いた資料を渡します。

次に墨です。
これは菜種油や松脂を燃やして出た煤を集めて、
鹿とかの膠と香料に混ぜて型に詰めて型から抜いた後で乾燥させた物です。
此も作り方を詳しく書いた資料を渡します。

次いで筆です。
鹿毛、貂毛、羊毛、狸毛、馬毛などを集めて、絵筆状にして竹の筒に止めた物です。
此もまた制作方法を詳しく書いた物を渡します。

最後に硯です。
此は粘板岩のなかで綺麗な物を集めて、硯状に掘って貰います。
此も形を確り作ってもらうように資料を渡します。

全部昔の資料から想像補填して作った資料だとして頼んであります。

他に探して貰う物は日本刀です、此がないと落ち着けないんですよね、
刀身長74cmぐらいな物を探して欲しい物ですが、
なんと言っても2000年以上前の品ですからね、残っているか自体があやふやですね。

各地の博物館美術館か貴族の邸宅にでも無いものですかね。
貴族の家には西洋剣とかがあるのはOVAで見て知ってるんで持っている可能性もあるんですがね。
原始人に会ってみたいですね、エリザベートは気絶してましたが剥製一杯あるし、
武器も山ほど持ってそうですから、面白そうですし意外といい人だと思いますよ。

続いて庭園を作ってもらう予定です、
1月中に計画を父様に持っていき許可を受ける予定が、
ミッターマイヤーとエヴァちゃん事件で有耶無耶に成ったので最近再度頼んでOKが出ました。

そう言えばあの馬鹿小役人は、超弩辺境の宮内省管理地の下っ端職人にされたそうです、
とんでもない寒冷地だとかマイナス30度の世界らしく、
バナナで釘が打てるそうです、ざまー見ろ!

さてそれでノイエ・サンスーシの一角に日本式庭園を作ってもらうのです、
総面積は66平方キロメートルもある土地なので1平方キロほど頂き其処に建設して貰います。
私が作ると憶測を呼ぶので、爺様が献上すると言う形で作ってもらいます。

所が宮廷のお抱え庭園技師じゃバロックだロココだの庭園は造れるんですが、
日本式なんぞ作れるはずがないので私が細々と教えなければ成らないのですが、
正体ばれるので教えられないんです。

其処でミッターパパが造園技師なのでお願いしようと思い、
爺様に頼んで今日来るように連絡を入れて貰いました。
今日も正体を誤魔化す為にウイッグで変装です。

おっ来たみたいですね。
ミッターパパが執事に案内されて懇談室へやって来ました。

「ミッターマイヤー殿今日はよう来て下さった」
「グリンメルスハウゼン子爵様御召しに預かり光栄でございます」
パパさん畏まりですね。
「ミッターマイヤー殿そう堅くならずにお座り下さい」
ナイスケスラー

「それに余り畏まった言葉時使いは無用ぞ」
「其れでは」
「ミッターマイヤー殿今日呼んだのは、そちに庭園を作ってもらいたいのじゃ」
「成るほど庭園ですか、しかしこのお屋敷には良い庭園があるようですが?」

「そこじゃ、今回造るのはノイエ・サンスーシに儂が献上する庭園なのじゃ」
「ノイエ・サンスーシでございますか、皇帝陛下に御献上なさる庭園を私が?」
「そうじゃそちがノイエ・サンスーシに庭園を造るのじゃ」

パパ困惑してますね、其れはそうですよね。
普通ノイエ・サンスーシの庭園は其れなりの帝室御用達が造りますから、
異例の行為ですよ、まあ爺様が造る分には老い先短いので好きにさせてやれと、
父様がリヒテンラーデ侯に言うんですけどね。
この台詞はかなり使えるのですよ。

「恐れ多い事ながらノイエ・サンスーシには専属の庭師がおりましょう」
「うむそうなのじゃが、皆杓子定規で一定の様式からしか造ろうとせんのじゃ、
今回造るのは、嘗て地球の東方で造られていた庭園なのじゃ、
造る者がもう既におらず資料でしか判らん、其れをそちに作ってもらいたいのじゃ」

「なるほど其れで私を」
「そうじゃどうじゃ職人魂が燃えんか?」
良い発破のかけ方ですね。

「そうですね、面白そうではあります。
しかしお気に召すかは判りません」
「いやそちの腕はよう聞いておる安心しておるのじゃ、
それに儂が献上する分には陛下も全て任してくれるのじゃ」

「そこまでの信用をいただき断るわけにはいきませんな、息子達もお世話になっておりますから」
よっしゃ、パパOKでましたね。

「其処でじゃ、詳しいことは孫のヴァネッサに聞くように」
「お孫さんですか、未だ10歳にも成らないのでは?」
「ホホホ、ヴァネッサは地球に造詣が深くてな、庭園も孫の提案なのじゃよ」

さて私の出番です。
「ミッターパパ、こんにちは、今回は宜しくです」
「ヴァネッサ様ご機嫌麗しく」
「ミッターパパ、今回は庭園を造っていただけてありがとうございます」

「いえいえとんでもございません」
「造って貰う庭園は地球時代の日本という地域にあった、日本式庭園と言うモノです。
これは風景の一部を切り取るような感じで自然風に山や川や池を造って四季の木々を植え其れを見ながら心を落ち着かせる庭園なんです」

「なるほど、バロックやロココとは違うわけですね」
「そうです、箱庭を愛でる感じで自然を愛でるわけです」
「なるほど造り甲斐がありますね」

乗ってきたようですね。
「古い資料で日本式庭園を見つけて此こそ造るべきだと思いまして、
貴方にお願いしたいと言う訳なのです」
「此処まで頼まれた以上全力を尽くしましょう」

「日本式庭園というのは、回遊式林泉庭園と枯山水というタイプがあり、
両方をそれぞれ造ってもらいたいのです」

「どの様な方式ですか?」
「回遊式は真ん中に池を造り中之島や山を造り、
池に突き出す形で東屋という小さな平屋を造ります。
山や陸には四季折々の草木を植え竹林や松林を造ります。
山には滝を造り、其処から流れる川が池に注ぐようにしてます。
詳しくは資料に書いてありますのでお願いします」

「なるほど、バロックの静に対して動と言うわけですか」
ケスラーナイス!
「ケスラーその通りです」
「なるほどそう言われればそうでございますね」
「そうです」

「で枯山水というタイプは砂と石だけで庭を造るのです」
「其れは想像できません」
「絵で書くとこんな感じです」

一応絵を描いて有るからね。
「なるほど、砂で波を表し石で島を表すわけですか」
「当たりです、その様な物もお願いします」

「判りましたこの資料を持ち帰り研究いたします」
「よろしくお願いしますね」
「ミッターマイヤー殿今日はすまんかったの」

「グリンメルスハウゼン子爵様、この庭園私の全力を尽くして完成させます」
「頼むぞしかし根を詰めすぎにようにな」
「はっ」

よっしOKのようですね、此で日本庭園が復活できるはずです、楽しみなことです。



■オーディン ライニッケンドルフ地区   ロベルト・ミッターマイヤー

 家に帰り今日のことを考えていた。
数日前に息子と娘の事で大変お世話になった子爵から今日来てくれと連絡が来ていったい何が起こったのかと心配したが杞憂だった。

私がノイエ・サンスーシに庭園を造る。
しかも既に忘れ去れれた、庭園を復活させるのだ。
此は職人魂メラメラと火が付いた。

皇帝陛下に御献上する庭園を私が造る、
最初は恐ろしさが有った、しかし話を聞くうちにやってみたいと言う心が大きくなった。
私が新たな流れを造る、此こそ遣るべきだ。

妻達には子爵邸の庭園を造るとして、秘密を守ることにした。
無用な心配は掛けたくないからな。
しかし楽しみになってきた、孫と共に成長する庭園だからな。

************************************************
庭園や書道についての説明はテレーゼのうろ覚えからですので、
間違えていても勘弁して下さい。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧