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英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク

作者:sorano
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第141話

探索を開始したリース達が時折襲い掛かってくる魔物達を倒しながら先に進むと、目の前に魔法陣が突然現れた。



~第六星層・王都バロニア地下~



「魔法陣……!」

「うふふ、”小手調べ”にどんな相手が来るのかしら?」

突如現れた魔法陣を見たリースは声を上げて表情を引き締め、レンは小悪魔な笑みを浮かべた。すると魔法陣から豪華な甲冑を纏った男性が現れた。

「貴方は……!」

「”人”………?」

「――――いえ、違います!姿形は”人”のように見えますが、”アレ”は”人”ではありません!」

「イオン様の言う通り、です……!”アレ”からは魔物の類の気配しか、感じません……!」

「要するに”第三星層”の最後に現れた”グリモア”って魔物がまた誰かに化けたって話でしょう?で、状況を考えたらあの化けた人物はソフィの知り合いなんでしょう?」

男性を見たソフィが驚きの声を上げ、静かな表情で呟いたフィーの推測を聞いたイオンとアリエッタはそれぞれ否定して説明し、呆れた表情で溜息を吐いたアニスはソフィに視線を向けて訊ね

「うん。でも、あの男―――セルディクは私達の”敵”だったから、”知り合い”じゃなくて”敵”だよ。」

「うふふ、それなら最初からソフィお姉さんも知り合いに変身したグリモア相手に躊躇ったり、遠慮する必要はないって事ね♪それじゃあ、始めましょうか♪」

そしてソフィの答えを聞いたレンは小悪魔な笑みを浮かべた後ソフィ達と共に男性との戦闘を開始した!



「排除する。」

「ミスティアーク!!」

リース達と共に戦闘を開始したフィーとレンは先制攻撃代わりにそれぞれの銃を連射して男性にダメージを与えると共に自分達へと男性の注意をひきつけた。

「オーブメント駆動―――クロノドライブ!!」

「―――アグリゲットシャープ!!」

「掌底破!受けなさい―――昴龍礫破!!」

「双月!錬気轟縮!光翼―――天翔!!」

リースとアリエッタはそれぞれアーツや譜術で味方の能力を上昇させ、二人の援護行動が終わるとイオンとソフィが左右に分かれて同時に敵に次々と技を命中させてそれぞれの最後の技で敵を打ち上げた。

「巻き込め、空破爆炎弾!」

そこにトクナガと共に全身に炎を纏ったアニスが空中へと突進して敵に追撃を叩き込んだ。

「……………」

「「!」」

「させないよっ!」

アニスの技を受けた後地上に着地した敵は風を纏った斬撃――――閃風烈破を放ち、敵の反撃に対してイオンとソフィはそれぞれ後ろへと跳躍して回避し、着地した瞬間だったアニスは咄嗟にトクナガに防御をさせて自分へのダメージを最小限にし

「……………」

「「「!」」」

「ハッ!無駄です!」

敵は続けて炎の衝撃波を走らせるクラフト―――爆焔焼破を後方のレン達に放ったが、4人はそれぞれ左右に分かれて散開して回避し、回避を終えたリースは法剣の刃を伸ばして反撃をした。



「!」

リースの反撃に対して敵は咄嗟に自身の武器である剣で防御したが

「うふふ、上ががら空きよ♪アクロバレット!!」

「下もがら空きだね。ポイっと。」

「!?」

跳躍したレンによる頭上からの銃の連射攻撃とフィーが投擲したFグレネードによる足元からの炸裂攻撃を受けて怯んだ。

「真空の刃よ、切り刻め―――ゲイルスラッシュ!!」

「オーブメント駆動―――エアリアル!!」

そこに詠唱や駆動を終えたイオンとリースが譜術やアーツによって発生した暴風や竜巻で追撃すると共に暴風と竜巻によって敵の動きを制限し

「魂をも凍らす魔狼の咆哮、響き渡れ!ブラッディハウリング!!」

「魔狼の咆哮よ!ブラッディハウリング!!」

アニスとアリエッタが同時に同じ譜術を発動し、二人の譜術によって発生した二重の闇と呪いの叫びが敵に大ダメージを与えて怯ませ、その隙に敵に詰め寄ったソフィが接近戦を仕掛けた。

「旋幻舞!ユベルティ!双撞掌底破!!」

「………!」

「!――――ハッ!」

ソフィの連携攻撃を受け続けた敵だったが、最後の掌底攻撃に対しては剣で防御した後そのまま剣を振るってソフィを吹き飛ばし、吹き飛ばされたソフィは受け身を取って着地し

「…………」

「スカラーガンナー!!」

更に敵が放った炎の斬撃波に対して光子を凝縮したエネルギー砲で相殺した。



「せいっ!」

「そこっ!」

「やあっ!」

そしてリースとフィー、アニスが敵を三方向からそれぞれ接近戦を仕掛けたその時

「…………!」

「うっ!?」

「っ!?」

「いたっ!?」

敵は業火を纏った剣を振り回し、炎を爆裂させるSクラフト―――魔王爆焔破を放って3人にダメージを与えた。

「回復してあげる♪ミラクルバレット!!」

敵の攻撃を受けたリース達の様子を見たレンは回復弾をリース達の頭上に放って回復エネルギーを降り注がせてリース達の傷を回復し

「マークリバース!シェルスロー!スカラーガンナー!!」

ソフィは遠距離からの攻撃クラフトを次々と放って敵の注意を自分へと惹きつけた。

「聖なる槍よ、敵を貫け―――ホーリーランス!!」

「漆黒の魔槍よ、我が敵を貫け――――デモンズランス!!」

それぞれの詠唱を終わらせたイオンとアリエッタは譜術によって発生した相反する属性の槍を解き放って敵にダメージを与え

「行け――――インフィニティスパロー!!」

「レインバレット!ブラッディブレイズ!!」

リースは法剣の刃を飛び回らせ、レンは敵の頭上からエネルギーの弾丸を降り注がせた後双銃を華麗に連射してバラを刻み込んで敵に反撃の隙を与えなかった。

「聖なる意思よ、我に仇為す敵を討て!ディバインセイバー!!」

そして二人の攻撃が終わると詠唱を終わらせたアニスが聖なる落雷を落とす上級譜術で追撃し

「これで決める……!―――アクセル!」

フィーは多くの分け身を作った後分け身と共に次々と攻撃を叩き込んだ後敵を包囲し

「シャドウ――――ブリゲイド!!」

「―――――!!!??」

止めに分け身達と共に一斉に襲い掛かって無数の斬撃を叩き込んだ!フィーが放った神速の連続攻撃によるSクラフト―――シャドウブリゲイドによるダメージに耐えきれなくなった敵はグリモアの姿へと変身し

「うふふ、これで終わりよ!」

止めにレンが双銃による狙撃で止めを刺した!



「敵の撃破を確認。戦闘終了、だね。」

「うふふ、レン達の”小手調べ”の相手としてはちょっと物足りないくらいね。」

敵の撃破を確認したフィーは静かな表情で呟き、レンは小悪魔な笑みを浮かべた。するとグリモアが消えた場所に封印石が現れた。

「封印石、ですね。」

「状況を考えれば先程の人物か、その人物に関連する人物が封印されていると思われるのですが……ソフィ、先程の”グリモア”が変身した相手に見覚えがあったようですが、彼は何者だったのですか?」

「……セルディクは私の”誓いの友”の一人――――リチャードの親戚だったけど、国王になる為に今の私の祖国―――”ウィンドル王国”でクーデターを起こして、リチャードのお父さんを殺した上リチャードも殺そうとした人。けど、運よく生き逃れたリチャードが私達を含めたリチャードに味方する人達に負けて、最後はリチャード自身の手で討ち取られた。」

「……あの。もしかしてソフィさんが仰っている”リチャード”という人物は……」

「もしかしなくても王族の人~?」

封印石の登場にアリエッタは静かな表情で呟き、考え込んだ後質問をして来たイオンの問いかけに答えたソフィのとんでもない答えにその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせた後リースは驚きの表情でソフィを見つめ、アニスは目を輝かせてソフィに訊ねた。

「うん。リチャードはセルディクを倒した後ウィンドル王国の王様になったよ。」

「へえ……意外過ぎる人脈だね。」

「うふふ、そして今倒した人がそのクーデターの主犯という事は、あの封印石の中にいる人物はその”リチャード”という人物の可能性が高そうね。」

ソフィの答えを聞いたフィーは目を丸くし、レンは興味ありげな表情で封印石を見つめた。するとその時封印石が光を放ち

「あ………」

「……どうやらこの”星層”の途中で手に入れた封印石は”第三星層”の封印石同様、その場で解放されるようですね。」

封印石の様子を見たソフィは呆け、リースは静かな表情で推測を口にした。そして封印石の解放によって発生した光が消えるとそこには碧を基調とした高貴な衣装とワインレッドの外套を纏った金髪の青年が地面に跪いていた。



「くっ……何だったんだ、今の光は……?………君達は一体………」

光の中から現れた青年は目を開けてリース達に気づくと戸惑いの表情をし

「……あちらの方が先程の話にあったソフィさんのお知り合いの方ですか?」

「うん……!本当に……久しぶりだね、リチャード……!こうしてまた会えるなんて、夢みたい……!」

リースの問いかけに力強く頷いたソフィは嬉しそうな表情でリチャードを見つめ

「ソフィ……?”また会えるなんて”という言葉は一体どういう意味だい?それに彼らは一体――――いや、それ以前にここは一体どこなんだい?私は先程まで君達の実家の客室で明日に備えて休もうとしていたのだが……」

青年はソフィの言葉に首を傾げた後戸惑いの表情でリース達を見つめ、そして立ち上がって周囲を見回してソフィに訊ねた。

「えっとね……信じられない事かもしれない話だけど―――――」

そしてソフィは青年に状況を説明し、初対面のリース達はそれぞれ自己紹介をした。



「”エフィネア”とも”フォドラ”とも異なる世界――――いや、我々が存在している世界とは全く別の世界が存在し、更に”想念”によって形成された世界――――”影の国”か………常識で考えれば信じられない出来事だが、今私達がこの場にいる事が何よりの証明だね。」

「理解が早くて助かります。ソフィより先程僕達が戦った”セルディク”という人物に変身した魔物―――”グリモア”の事と、その”セルディク”という人物と”リチャード”と呼ばれた人物に因縁の関係がある事を教えてもらいましたが………ソフィが貴方の事を”リチャード”と呼んだという事は貴方が件の……?」

青年の答えを聞いたイオンは静かな表情で呟いた後青年に問いかけ

「ああ。――――私がそのリチャードだ。まだまだ未熟者ではあるが、ウィンドル王国の国王だ。………まあ、私が国王だからと言って、そんなに畏まる必要はないから、気軽に接してくれて構わないよ。」

「や~ん、さすがリチャード陛下♪わたし達が出会った当初高慢かつ我儘だった王族達と違って、とっても懐が広い御方ですね♪」

青年―――リチャードの話を聞いたアニスは露骨な態度でリチャードに媚びを売り、アニスの様子にその場にいる全員は冷や汗をかいた。

(何あの露骨な態度。そう言えば、アニスってオリビエやジェイドに接する時の態度もあんな感じだったけど、もしかしてアニスって、玉の輿を狙っているの?)

(え、え~と……アニスにも色々と複雑な事情があって、あんな風になってしまったんです。)

(ああいう所も、全然、変わっていないです、アニス。)

ジト目のフィーに小声で問いかけられたイオンは苦笑しながら言葉を濁しながら答え、アリエッタは呆れた表情でアニスを見つめていた。

「ハハ、中々ユニークな仲間と出会えたようだね、ソフィは。…………それにしても、君が私達の時代よりも遥か未来のソフィだとはね……何というか……全然実感が湧かないね。正直、私からすれば私の時代のソフィと比べても全然変わっていないように感じるね。」

「そうかな?私、今までずっとアスベルとシェリアの子供達やその子孫達の”お姉さん”を務めてきたから、少しは大人になっていると思うよ。………あ、でも変わらない事で思い出したけど、アスベルとリチャード、私が”誓いの友”を誓った”あの場所”は今でもずっとあのままだよ。アスベルとリチャードがあの場所をあのままにして欲しいという遺言を残してくれたお陰で、”ラント家”の人達は今でもあの場所をとても大切にして、あのままにしてくれているんだ。」

一方リチャードは苦笑した後優し気な微笑みを浮かべてソフィを見つめ、リチャードの言葉に対してソフィは不思議そうな表情で首を傾げて答えた後ある事を思い出してその出来事をリチャードに伝え、ソフィのリチャードに対する話にリース達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。



「ソフィ…………私は今こうして、生きているのだから”遺言”だなんて、縁起でもない事を言わないでくれないかい……?」

「ふふっ、ごめんね。でも私、今でもアスベルとリチャードの遺言に感謝しているんだ。………時代の流れと共に世界は発展して行って、”ラント”もアスベルやリチャード達が生きている時代とは比べものならないくらい発展しているけど、あの場所だけは今でもあのままだもの。」

疲れた表情で溜息を吐いたリチャードの指摘に対して苦笑しながら答えたソフィは懐かしそうな様子で答え

「ソフィ………………」

ソフィの答えを聞いたリチャードは静かな表情でソフィを見つめていた。

「えっと……リチャード。私達、”影の国”からそれぞれの世界に帰るために協力し合っているんだ。リチャードも手伝ってくれない?」

「ハハ、”リチャードも手伝ってくれない?”だなんて、水臭いじゃないか、ソフィ。当然私も今後の探索活動に加勢させてもらうよ。何せ私とソフィ、そしてアスベルは―――――」

「「”誓いの友”だから。」」

ソフィの問いかけに苦笑しながら答えたリチャードは静かな笑みを浮かべてソフィと同時に遥か昔に誓った言葉を口にした。

「………そう言う訳だから、共にこの”影の国”から脱出する為の”仲間”としてよろしくお願いする。」

「……こちらこそ、よろしくお願いします。」

そしてリチャードの言葉に対してリースは静かな表情で会釈をして答えた。



その後リチャードを加えたリース達が探索を続けていると魔法陣が二つ現れ、それを見たリース達が身構えると魔法陣から蒼い髪の軍服の青年と赤紫の髪の娘が現れた!



「「…………………」」

「ヒューバート!?それにシェリアさんも………!もしかして彼らが先程話に合ったその人物そっくりに変身するという魔物―――”グリモア”なのかい?」

「はい。状況を考えると恐らく彼らを倒せば、本物の彼らが封印されている”封印石”が手に入ると思います。」

青年と娘の登場に驚いたリチャードはリース達の話の中にあった”グリモア”という魔物の話を思い出してリースに確認し、リチャードの確認の言葉に頷いたリースは推測を口にし

「ヒューバートとシェリアは返してもらう……!」

ソフィは決意の表情になってリース達と共に自分にとっての大切な”仲間”であり、”家族”でもある人物達に変身した”グリモア”達との戦闘を開始した――――




 
 

 
後書き
という訳でグレイセス篇で最初に仲間になったのはリチャードです!そして今回の話の最後でグレイセスシリーズから代表して仲間になるメンツはわかったかと思います。(まあ、グレイセスをプレイしていたらソフィと特に関わりが深い仲間はわかりますから、グレイセスをプレイしていた人達なら最初からわかっていたかもしれませんが)を考えればなお、グレイセスのキャラ達が登場した時のBGMはグレイセスのOP”まもりたい~White Wishes~”で、ボス戦のBGMはグレイセスシリーズの”決戦! 奮い立たせて”だと思ってください♪ 
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